千の粒 -ミルグレイン-
【 Ryui Monthly piece 】 - 5月- Gold rutile quartz
ジュエリー装飾技法の1つ「ミル打ち(ミルグレイン)」。
今回はこのミル打ちを用いて、
ピアスを仕上げていきます。
「ミル打ち」とは、
縁や石の周りなどに極小の玉模様を打ち込み
装飾していく加工方法。
ラテン語で ”千の粒” を意味する
「ミルグレーション」が由来となっています。
ジュエリーの技法というと西洋のイメージがありますが
日本でも古来より「魚子(ななこ)」と呼ばれる技法が存在し、
刀の鐔や、箪笥の取手などの装飾に使われていました。
1つ1つの粒は針の先のように極小ですが、
粒が集合体となることで細やかな光がきらきらと反射し、
主役の石をより魅力的に、また華やかに引き立ててくれる効果をもたらす
“名脇役”のような存在です。
この作業には「ミルタガネ」と呼ばれる専用の道具を使用します。
極細の刃先はよく見ると小さなお椀型になっており、
顕微鏡で確認しながら、1粒ずつ正確な場所に丁寧に押し付け打っていきます。
極めて繊細な作業ですが、
「指紋の幅程度の細さであっても、きりっと粒がぶれることなく
リズム良く整列させることがミル打ちの醍醐味であり楽しいところ」と日向は言います。
ミルタガネは鋼製ですが、徐々に刃先は摩耗してゆく為、
コンマ数ミリの歪みも常にしっかりと調整し使われています。
手入れがされた美しい道具と、手の感覚が生む美しい仕事です。
" Rutile quartz Earrings "
5月27日(金) 12:00- 発売