見出し画像

元日オーロラ速報

まさかの、元日からのオーロラ祭りとなりました。12/29の6 UTと18 UTのハローCMEが合体した効果がどれほどか、という問題でしたが、巨大イベント大好きの私としては、太陽プロトンも出せないほど低速なCMEだから、これは合体したところで大したことないからスルーでよいでしょう、というのが、基本的な態度でした。はっきり言ってミスりました。

540 km/s
700 km/s

後ろから速い太陽風が押して、影響が大きくなることは、今では常識です。私も「玉突き事故仮説」なる論文を書いています。しかし油断大敵とはこのこと

今回は、後半ほど密度とスピードが上がり、そこに絶妙にSBZが配置されている、という絶妙な組み合わせになりました。このフラックスロープは温度が下がっておらず(データギャップがなくなると、そこまで変ではないかも?)異常です。だとすると、まわりに比べて膨張しなかったことを表している。明らかに後ろからグシャッと来ている見た目でした。

これくらい高密度の場合、イベント全体の規模感は微妙でも、磁気圏が静止軌道よりも内側に入るほどコンパクトになるのですが、経験則的には、そのGMCが、意味はまだはっきりしないが、日本からオーロラが見られることと、なぜか密接に関係していそうだ、ということを、玉突き事故仮説と、12月のシチズンサイエンスの論文で主張してきました。

今回も、肉眼でも見られました、という報告がちらほらとありましたね。

12 UTから16 UTで午前側のGOES16でGMC

実は、太陽風密度の、オーロラへの影響や、サブストームの起こり方の違い、環電流の漏れ出し、大気加熱の効率化いうのは、どれをとっても未解明問題で、これから、よく調べていく必要があります。

結果ですが、今回のDstピークは-215 nTで、2024年10月に次ぐ規模の磁気嵐となりました。最後は日本時間の朝3時にALが-2000 nTを越えるサブストーム。こういうイベントなら今後も何度かありそうかな、と思います。また良く似た、しかし一部だけ違うイベントが起こってくれますように。

あまりパッとしないサブストーム活動

佐渡や岩手県からも、撮影に成功された方がいました。皆さんの撮影されたオーロラ写真を分析することで、また新たな発見があるかもしれません。お正月のうちに、ぜひ以下のアンケートに、ご入力頂ければ嬉しいです。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScDgOY-32CKDVllN_PWjnmQUBHJr_XrxbHtXcaGO5Y6FhXFYg/viewform?usp=dialog


いいなと思ったら応援しよう!