集中講義2日目メモ
4コマ目。オーロラ。
オーロラには多くの種類がある。その多くは、オーロラ・サブストームのサイクル内で、だいたい決まった相や磁気緯度、ローカルタイムに現れる。
オーロラ・サブストームは1964に赤祖父先生が地上カメラのネットワーク観測から見いだしたプラズマ爆発現象の基本サイクル。成長相、オンセット、爆発相、回復相と発展する、R1上向きFACがオーロラに対応。朝夕で違うタイプのオーロラ。
サブストームというと、オーロラ・サブストームを含む電離圏・磁気圏の変化全体のことを言う。磁気嵐はストームというが、磁気嵐(数日)のときにはサブストーム(数時間)が何度も起こる。
電離圏を見ると、高緯度のエレクトロジェット、中緯度のベイ、Pi2、磁気圏を見ると、静止軌道で双極子、近尾部でdisruption、遠い尾部でプラズモイドなどが観測される。
太陽風のエネルギーは、グローバルな対流・電離圏でのさんいつと磁気圏のエネルギーの蓄積の二種類に変換される。蓄積・ロードしたエネルギーはローカルに爆発的に解放されるか、プラズモイドとなって太陽風に戻っていく。赤祖父先生2017は、これをDDとUL成分として、ULはししおどしのようなイラストで説明する。
テミス衛星の主目的は、サブストームが内側のdisruptionから起こるのか、外側のnenlのリコネクションから起こるのかを調べる、というもので、そのために5機の衛星を磁気圏に送った。地上カメラネットワークもカナダからアラスカにたくさん配置した。
宇宙ステーションから斜めに見ると、ディスクリートオーロラが高緯度で高く光り、緯度の低いところにはディフューズオーロラや脈動オーロラが低く光る様子が、立体的に見てとれる。
カーテンも、赤の上から緑の下までのっぺりした背の高いものは、今ではアルベン波加速を受けているwaveオーロラとして知られる。最も明るい、典型的なカーテン状の緑が明るいオーロラは、Etダイアグラムに見るinverted vと対応し、平行電場によるワンステップの加速を受けたもの。プロは、オーロラを見ると直ちにEtダイヤグラムに変換できる。つまり、オーロラはエネルギー分析器でもある。
加速域はどこまでのびる問題。キャリア、キャビティー、AKR。下向き電流も同様?ブラックオーロラ。
脈動オーロラは多様性に富んでおり、分類が難しい。回復相、朝、低緯度に現れる。近年、衛星観測によるプラズマ波動の観測と、地上からの脈動オーロラの観測を同時に行った例を幾つも分析することで、コーラス波動がオーロラの脈動と一対一対応することが明らかになった。
サージと呼ばれるオーロラカーテンの大きな塊は、爆発相に高緯度を夜中から西へ数km/sで動いていく。中には、オーロラが南北になるnsアークも。
爆発相で夜中から東へ動くのはたいまつのようなトーチ。暗いところを逆さに見れば、オメガの形でオメガバンド、とも呼ばれる。
オーロラの観測は、カメラにフィルタをつけたりする。異なる波長でエネルギーを分析。最大の弱点は天気が悪いと観測できないこと。銀河電波の吸収をイメージングするリオメータなら、天気の問題を克服し、かつ24時間365日、オーロラによる電離を観測できる。
5コマ目。C領域セミナー。
機械学習によるオーロラ電流系エミュレータの話と、古典籍を用いた巨大磁気嵐の研究の話。
エミュレータは、reppuに比べて百万倍速い。機械学習モデルはesn。時系列を前提とした機械学習の例として、太陽風パラメタを入力とすると、DstやAE指数を予測できる。これを逆にすれば、地磁気活動指数から太陽風を復元できる。
二次元パターンをやるときは、主成分分析を挟んで次元圧縮すればよい。エミュレータなら、10年分のAE計算もできる。
質問は、オーバルの歪みや動きは何?あえてディープにしない?Bxは?r1と電導度のずれ?などなど。Σ、j//、Φが独立。弱点はサブストーム。
柿岡は100年。もっと大きい磁気嵐は?1770である。絵図もある。太陽活動の基本的な変化は、古典籍の赤気発生パターンに確認できる。
質問は、赤が多いのか?北のオーロラの上部を見てる?SARアーク?中国は?ほかの国は?調べるのにどれくらい時間かかる?などなど。
6コマ目。結合。
磁気圏は無衝突プラズマ。電離圏は弱電離プラズマ。支配方程式が違う。どう、つなぐのか。これはj//で、できる。
磁気圏でも電離圏でも、j//はdiv j⊥。電離圏では高さを潰して面的に考える。磁気圏のrot Bから電流を出し、その平行成分を電離圏に渡す。電離圏ではポアソンを解いて、その静電場Φを対流速度にして磁気圏に渡す。
電離圏では、電導度が一様であれば、ペダーソンのみがj//に接続する。しかし、電導度は一様でないので、ホールも電導度の勾配があるところでj//に接続する。
オーロラ粒子は、非一様のもとであり、オーロラのダイナミックな変化、ほぼ全てに、ホールも影響している。
この結合が理想ではないが、多くのグローバルシミュレーションで使われている。いわゆるmi結合領域が簡略化されて、すっぽぬけていることが弱点。しかし、数Reまでの物理を第一原理的に解くことは、まだ難しい。