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【推しの子】不完全燃焼なのは逆に良かったのかもしれない


チョーレイ摩滅!諸行無常。
終わりよければ全て良し。勝って兜の緒を締めよ。
立つ鳥跡を濁さず。初心忘れるべからず。
死せる孔明生ける仲達を走らす。
将を射んと欲すればまず馬を射よ。
無始曠劫。ギャーテイギャーテイハーラーギャーテイ。
死灰復燃【テクマクマヤカ】

よし!地獄からの帰還呪文成功!


赤坂やぁぁアイ! なぜ休載して物語を立て直す時間を儲けなかったんじゃぁあい!


酷い…酷すぎる!
日本の漫画の終わり方は酷すぎる!
でも、ハズキルーペをかけると世界が変わる!

ハズキルーペぇええええ! 【錯乱】

どうしてこうなったんだ!
なんでこんなことになったんだ!
俺は怒っている! 

とにかくこの漫画は日本のアイドル産業や芸能界という闇の是正、ファンとタレント、匿名での誹謗中傷などの問題提起など知育という意義すらあった気がする大変漫画的な価値が日本においてあった作品だった筈なのに…

ひどずぎるぞぉぉおおお!
オラぁ怒ったぞぉぉお!


こんちくしょぉぉお!

あぁぁあああああああああああああ!!!!!
こんちくしょぉぉお!

はぁぁぁぁあ!めぇぇぇはぁぁぁめぇぇぇ!

ざけんなぁぁぁぁあああああ!!!!!あ ぁぁぁぁぁぁぁああ

あああああ
ああ

(;´Д`)ハァハァ…。


すんません…。


この終わらせ方は技術的な側面というよりは、単に精神的に終わらせたかったというような気がしませんか?? 

本当に赤坂アカという人は弱い人だなぁと思う。
良い意味でも悪い意味でも、井上雄彦先生がバガボンドの続きを描かないのは宮本武蔵が稲作を通じて戦いという場から降りる真理を説いてしまい、これから佐々木小次郎との戦いを描く心理状況になるのは論理的に考えておかしいだろうという観点からの休止なのだと思います。

只、赤坂先生の場合丁寧に描くことをせず物語の真理を説くことなく無難に終わらせるという終わらせ方をしてしまいました。
こうなれば読者は物語の終わりにむけてやってきたことに対し、最後の共感要素を失ってしまい何もかも見いだせないままで提示されてきた情報の渦を咀嚼することなく裸一貫で放り出されてしまい、結論としてこの作品の良さが揮発してしまう。

まさに。


これ


そして


これ

やることやって責任取ってくれるよね?

やっぱりどんな作品にも通ずることですが、最後の最後は丁寧に終わらせて欲しいものです。
これは色んな作品に触れてきた者として、作者に対する信頼であり読者に対しての責任でもあると思います。

面白く無い作品はこの世にごまんと存在し、それらは全てほとんどの消費者に触れられることなく暗闇に葬られるのに折角陽を浴びた作品がすごくアレな終わり方をしてしまうのは勿体無い。

というか赤坂アカ先生の前作、かぐや様は告らせたい?の終わり方はなぜか不評が多いですが個人的には素晴らしかったしキャラクターを丁寧に描いてくれて物語の読後感を高めてくれたことには感謝しかありません。
個人的には圭ちゃんの終わり方が好きです。

少なくとも星野アイが本当にしたかったこととは何かを提示して、謎めいた少女の化けの皮を暴き嘘で塗りかためたその奥を余すことなく披露して本当の意味でも嘘が真実になる瞬間という展開がもう少し欲しかったなぁとか。
神話とかは正直どうでもいいので、キャラクターの次に向かう前向きな姿勢とかそれを後押しするアクアの隠されたメッセージとか三十代の良き大人としての視点から10代の多感な少女達を助力するといった展開は必須だった気がします。
ていうかアクアのクールキャラムーヴはもういいから、さっさとゴローみたいな溌剌キャラにしてそれから復讐に立ち向かうという二度目の闇落ち展開が絶対に必要だったし、人格が消失するのなら死ぬ必要があったのかという疑問もあるし、やっぱりカミキヒカルに復讐する瞬間には雨宮五朗としての大人同士の対話によってカミキヒカルがアクアの歳らしからぬ行動に恐怖を抱くといった要素が欲しかった。
初期の子供なのに大人びているというのは、恐怖を抱かせる要素として必須だし、そもそも五朗は医者なのでアクアは医学的知識が普通の人以上にあり、解剖などを経験しているからこそ殺人に対する価値観は他者よりも稀薄な筈なのにどこか本気で脳をフル活用しているように見えないニワカさが垣間見える。
医者であればカミキヒカルに遅効性の毒を盛って、絶対にバレないように殺害させることもできる。【ブレイキングバッドみたいに。】
復讐は諦めたという呈にして、アクアは自分の人生を生きると言いつつカミキヒカルは毒で死亡。
誰が殺したのかはわからないという終わり方で、実はアクアの暗殺計画を知っていたイチゴ社長がアクアのもう諦めていた暗殺用の毒のリシンを盗みカミキヒカルを殺害させていたという展開も可能だった。
イチゴ社長は当然自首するが、世間は娘同様のアイを殺害した相手を殺したとして同情の目を向けるだろうという終わり方。
ルビーもアクアも転生者であるから、本当の意味で父親や母親として彼らを見てこなかったし転生前もアクアもルビーも父も母もいなかった為に、家族というありがたみや家族の絆という要素がいかに強いものなのか肌身で知るきっかけにもなる。

そもそもごろ×さりなはいらなかったし、ルビーの身バレは必要なかった。
ルビーとアクアは兄妹としての絆をちゃんと育み、兄の恋愛を応援する良き妹、妹の活躍を応援するオタクな兄という終わらせ方にしないとあまりにもドロドロすぎて読後感が悪い。

ミヤコ社長が有馬かなにビンタして、両者にヘイトがむいちゃう見たいな感じも嫌いだし、やっぱりイチゴ社長という一番アイの死に動揺していた父親代わりが最後の本懐を迎えさせられてあげないのは物語として汚い。

有馬かなと黒川あかねの関係性の終わり方は正直いって良かったが、有馬かながあかね程の好感度が浮上しない只のおてんば娘という記号で終わらせられてしまったが故に、もう邪魔でしかないうざい女として終わってしまった。

全然かわいくないし、一度もデレられないアクアにすがり付く恋愛に貪欲なおてんば娘はメインヒロインとして抜擢するには可哀想すぎる。

有馬かなは悪くないのだけれど、本当に可哀想。
というか最後らへんは邪魔な存在でしかなかった。

良き読者は只ひたすらに追いかけるだけの読者ではなく、展開を想像したり深読みしたりしてくれる読者…なのか…それとも単行本を買ってくれるだけが良き読者なのか…
我々読者って奴はこの二律背反に苦しめられている。

面白い作品には面白い結末が求められる。
これは当然なのだ。
そう…我々は決してこの哲学を捨てることはない!
これにて推しの子考察クラスタ代表…筆を折る!


推しの子という作品が不完全燃焼で終わったことは漫画業界においてはまた新たな才能が次を迎えるために
骸骨を乞うた先の天才に悲観することなく、自分の色を出しやすいハードルの低下に繋がったともいえる。


乱筆失礼しました。m(._.)m語るに落ちるとはこのことだ。

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