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引っ越し後1週間の「不完全な生活」が好き
新しい街に越してきた時の、最初の1週間が一番好きだ。
文字通り右も左も分からない、大人になって味わえる迷子が最高に楽しい。
好きな街に移り住むと、何年経っても「良い街だな」としみじみ思えるし、毎日が楽しいのだけれど、ワクワクのピークは最初の1週間だ。
街に試される
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新居で一通りの荷解きを終えて、休憩がてら食事をしに街に繰り出す。
マンションを出て、360度辺りを見回しながら街の情報を少しずつインプットしていく。
「薬局がここにあるのか。帰り道に寄れるな。」
「ジムが駅前にあるのは助かるー。」
「あそこのラーメン屋が一番人気らしいな。今度行ってみよ。」
「ここのスーパーが一番安そうだ。」
「サウナは隣駅にしかないか••••」
そんなことを頭のなかでブツブツ言いながら、インプットした情報をもとに自分の生活を構築していく。
この時のワクワクと不安の入り交じった感情が好き。
「新入りよ。お前さんはここでやっていけるかね。」
街にそんなことを言われているような気がしてくる。
少しずつ自分の街になる
2-3週間もすると、
月曜日の夜はジムに行き、その足で食材を買いスーパーに向かう。
金曜日は地域ブログで紹介されてた飲み屋で一杯。
日曜は隣街までゆっくり歩いてサウナへ。
こんな感じで日常が街に適用し、良くも悪くも毎日が最適化される。
初期のワクワクはもうほとんどないけれど、ようやくこの街の仲間として受け入れてもらえた気がして嬉しい。
こうして自分の居場所が家だけでなくて、街全体に拡張されていく。
「好きな街に住めると毎日がもっと楽しくなる」
自分だけの行きつけを見つけたり、地域コミュニティで新しい出会いがあったり、なにも考えずに散歩したり。
誰もが自分らしくいられる街を見つけられるように、これからも自分が住む街だけでなく、色んな街の魅力を届けていきたい。