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留学中に再発した「吃音」

みなさんこんにちは、ニュージーランドに留学中の「なっさん」です。
今日でニュージーランドに来て4ヶ月が経とうとしています。写真はニュージーランド最高峰「マウントクック」。最高でした、感動しました。

ニュージーランド、現在真冬です。
しかしこちらは雪が降っていないので、雪国出身の私は余裕です✌


留学生活もあと4ヶ月少し。後半戦も駆け抜けたいと思いますっ

今回のテーマは「吃音」です。少々長いですが、良かったら是非読んでください🙂


1.吃音とは

皆さん吃音はご存知ですか?

吃音は「どもり」「つっかかり」とも言われる一種の言語障害で、言葉を話すときに、主に最初の文字を発するのに苦労する症状があります。

吃音には3種類あります。

1,連発「あ、あ、あ、ありがとう」(最初の音を繰り返す)
2,伸発「あーーーりがとう」(最初の音を伸ばす)
3,難発「……ぁりがとう」(最初の音が出にくい。息が詰まるイメージ)

私も実はその一人です。

私は小学校低学年から吃音に苦しんでいました。授業中の音読、日直の朝活等の司会、クラス替えの度にある自己紹介、委員会活動の発表、卒業式の呼びかけ。。。

小学校は大勢の前で話す機会がたくさんあります。私の小学校生活の4割くらいは吃音に苦しめられた経験が大きいです、いじめまではいかずともからかわれたりしたこともありました。

ですが私の場合は、中学校に上がると同時に症状は一気に改善されました。家で家族と会話する時はどもるものの、学校では全く問題なく話すことができるようになったので、かなり生活が楽になりました。

それから無事に高校、大学と、、、、、
自分がかつて吃音に苦しめられていたとは思えない日々を過ごしていました。私の場合は100%完全に克服したわけではなかったので、言いにくい言葉は他の言葉に言い換えたり、またはそもそも発言しなかったり、時々吃音を隠すこともありますが、基本は問題なくコミュニケーションを取ることができています。
吃音で苦労していたのは何年も前の話。と思っていました。

しかし、、、、、、、

2.ストレスが原因で渡航後に再発。「名前が言えない」

留学してからの自分は、再び吃音に悩まされることになりました。
きっかけは初めて大学のダンスサークルに行った留学生活2週間あたりのときのことです。私がダンスのスタジオに入っていくと、一人のタイ人の学生が話しかけてくれました。

What is your name?

留学に来てから自己紹介する機会は何度もあるので、慣れていました。

しかし。

I'm ………

私の下の名前の頭文字は「な」なのですが、この「Na」を発することができなかったのです。

息が詰まって胸が苦しくなる感覚。中学校入学以来でした。約10年ぶりの経験でした。正直びっくりしました。What happens to me?です。

I'm ……………………. Na(下の名前). Nice to meet you.

やっとの思いで言えました。相手の学生はそこまで私の言い方は気にしていなかったようですが、少なくとも「ん?」と違和感はあったと思います。

言葉を発することができずに息が詰まっている瞬間、私はいろんなことを考えていました。

「やばい、どもってる、なんで今になって」
「絶対相手は変だと思ってる、どうしよう」
「あーどうして言えないの、自分の名前の頭文字でしょ?これから何回も自己紹介しないといけないのに」
「このまま留学中も帰国してもこのままならどうしよう」

そしてそのあとのダンスも当然全力で楽しめたはずは無く。。。
誰かまた「名前は?」って聞いてきたらどうしようとおびえるばかり。
休憩中も一人隅で座っていました。留学生としてよろしくない行動ですよね。留学中は社交的になって自分から人に話しかけた方が良いですよね。

不運(ここでは幸運と言うべきですが)なことに、その後も3人くらいに話しかけられました。

その都度またどもってしまいました。自分の中で何が起こっているのか、全くわからずただ頭の中が真っ白になってしまいました。

3.英語でもどもるように

自分の名前だけならまだ良かったのですが、最近は英語でもどもってしまうようになったのです。

正直、自分の中で留学中1番の壁であり、苦難だと確信しています。
留学生活、全てが上手くいく訳がありません。

英語でも吃音の症状が出てしまう。これの1番の問題は
流暢に英語を話せるようになりたい」という目標を持って留学した自分の1番の障害なのです。

自慢ではないのですが、こっちに来る前と現在の自分の英語力は確実に伸びています。
渡航前は少し考えながら話す、時々止まりながら考えながら話すので「well…」「kind of…」を多用する感じでした。この時の流暢に話せることができなかった理由は「単語を知らない」「文構造を頭で組み立てながら話す」「自信が無い」でした。

しかし、4ヶ月経った現在、単語力も、自然な英語の文の流れも、自信も、全てにおいて劇的ではないものの、確実に伸びています。

しかし、英語力が伸びるにつれて時々現れる「吃音」。スピーキングは伸びているはずなのに、なのに。なのに。

なのに結果的には「流暢に話せているようには見えない」この矛盾(?)ジレンマ(?)なんと言って良いかわかりませんが笑

現在私が流暢に英語を話すことができない理由が「吃音」。
「流暢」に話すことを目標に掲げた留学生活。まさか吃音に悩まされるとは思ってもいませんでした。

「流暢」の対義語が「吃音」だとするなら、

「流暢」が何よりの目標だったのに、この障害のせいで目標に近づけないもどかしい気持ち。
この道に向かって進みたいのに全く逆方向にずるずる引かれていく感覚。

留学は大変なことがたくさんあると聞きますが、ここまで大変だとは、、、

4.吃音に悩む人の1番の「苦労」

私の個人的な意見として、吃音等言語障害の方に持つ1番の苦労は「見た目では障害があることに気づかれない」「自分自信に障害があることをしっかりと自覚」しているため、「自分の意見を言おうとした瞬間障害者であることがバレることの恐怖を常に背負っってしまう」ことだと思います。

「自分は言葉を上手く発することができない」
「言語障害がない人より生きていく上で何かと苦労する」
「ただのハンディキャップでしかない」

そして、もしこの投稿を同じ吃音で苦しんでいる方、吃音経験者ならわかると思いますが
長く吃音と付き合っていると、自分で言いにくい音、言葉がわかります
私の場合、ア行、ナ行、マ行、ラ行が特に言いづらいです。

なので、頭の中で違う言葉に変換したりします。
多分吃音の人って、言語変換能力?同義語探し?がめちゃくちゃに得意だと思います。私もとてつもなく得意な自信があります。笑


ですが、私が1番恐れていることは、日本に帰ったらこの症状は軽減されるのかということです。
正直これはわかりません、全く。
日本に帰ってからの自分に委ねるしかないと思ってます。
今はとりあえず、あまり吃音だけにフォーカスせず、とりあえず留学を楽しむしかないマインドです。

5.辛い経験も「生きる」と信じて

予想もしなかった吃音に戸惑いつつも、この逆境をポジティブに変えようとするのが私のすごいところ(と自分を鼓舞しないとやっていけません笑)です。

この再発した吃音を通して、2つ得たものがあります。

1つ目は、卒業論文のテーマが決まったことです。
私はコミュニケーション学のゼミに所属しており、漠然とコミュニケーションについて興味がありましたが、はっきりしたテーマを見つけることがでいないまま留学しました。

ゼミの教授からは、学中になにか興味があるものを見つけたらメールで教えてねと言われていたので、なんとなくゼミのテーマを探しながら日々学業に励んでいました。

見つかりました。私は、「言語障害を抱えた人のコミュニケーション」について研究してみようと思えたのです。

教授にメールで留学の中間報告とともに卒論のテーマについて提案してみたところ、大いに賛成?好評をいただきました。

まだ詳細は決まっていませんが、方向性は見えてきたので、この調子で進んでいこうと思います。

2つ目は、将来「どんな教員になりたいか」が見えてきたことです。

言語障害等を始め、軽度障害に分類され学校では通常学級に通うことができ児童生徒の割合は思っている以上に多いです。
およそ10%弱の子どもが、「学習面又は行動面で著しい困難を示す」とも言われているほど。

つまり普通学校(特別支援学校ではない)でも、障害を持つ児童生徒と関わる機会があるということ。

私は自分が吃音に苦しんでる経験を生かして、そういった障害のある子どもにしっかりと寄り添えるようになりたいと強く思うようになりました。

この障害者教育の知見を広げようと、現在ニュージーランドで障害者が集まるコミュニティにボランティアとして参加し、創作活動のお手伝いや障害者の居場所作りについて考える活動を始めました。

また、今月中旬から始まる大学の授業で、心理学の「精神障害や身体障害」に関する授業を取ることにしました。

身体障害、知的障害、精神障害等、様々な障害について知見を深めようと思っています。

誰一人取りこぼさない教育をしたい。辛い思いをしている生徒のためにできることをしたい。助けたい。

そういった思いが芽生えました。

6.おわりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

吃音は思っている以上に辛い障害です。

この投稿を読んでいただいた吃音の方の背中を、少しでも押せますように。
吃音ではない方も、言語障害に対する理解が少しでも深まりますように。




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