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留学生のアメリカ就活事情③
正規の仕事を見つけるのに1年かかった。本当に辛い、長い、苦しみの1年だった
概要
応募数は541件、インタビューした数は14社、断りメールが来たのは320社
夏に仕事が見つかったものの、契約社員でありいつ切られるかわからない状態(脅しも受けていた)、低給与、さらに非常に劣悪な仕事環境だったので、引き続き、というかさらに拍車をかけて就活を続けていた
今回のオファーは、友達でもあり、昔の会社の元同僚(ハイヤリングマネジャー)から直接声がかかったポジション。当時の実績が良く、グローバルチームの人々やVPとも関係が続いていたおかげで、面接官も全員私のことを知っていた。アメリカの就職では、この「内部の人を知っている」が、かなり強い。なお、キャリア的には5年ほどのステップバックになるので、最初は全く受けたくなかったけれども、就活は好転しない状況であったし、チームも会社も非常に良いと知っているので、少し苦い思いをしながら受けた
アメリカでは、オファーをもらったら給与交渉をすることが鉄板。ただ、私は他にオファーがなくレバレッジがないこと(オファーを蹴れないし、蹴ったら2か月で仕事を見つけなくてはならず、不可能であること)、すでにロケーション・給与面で好待遇をしてくれていたのを知っているので、交渉して関係性を壊すリスクを取りたくなかった。けど、給与交渉したからといってオファーを取り消すことはないはずなので、かけあってみたところ、リクルーターには、もうすでに今のオファーがベストであるという内容の長いレクチャーを受けたが、私の提示した給料でオファーを作り直してくれた。給与交渉はすべし
社内で割とパワーがある私の元マネジャーたちが社内で強く推薦してくれたおかげで、採用プロセスはかなりスムーズに進んだ。面接からオファーレターの受領まで約1ヶ月。ところが、通常は3-5営業日で完了するはずのバックグラウンドチェック(外部の調査会社が犯罪歴、居住履歴、職歴などを確認する審査)が、驚くことに3週間もかかるとのこと。Reddit曰く、海外での職歴がある場合は審査が長引く傾向にあるらしい。私のケースは特殊だと思うが、おそらく以前も同じ会社で働いていた経歴があったため、バックグラウンドチェックが完了していない状態でも、当初の予定通り入社することができた
F-1 OPT/STEMの応募者が「スポンサーシップが必要か」という質問に「不要」と回答し、面接を経た後に、実際にOPT/STEMビザ保持者だと判明した場合、企業側としてはスポンサーシップ提供と同様の対応が必要となるので、採用が見送られることがあると漏らしていた。学校では、スポンサーシップ不要にチェックして良いといわれるけれども、企業側は、OPT/STEMもスポンサーシップという認識なので、そのへんはきちんと学校側が正しく理解すべきと思った
夏以降の就活の振り返り
契約社員で1週間に20時間しか働いていないので、就活する時間はたっぷりあった。なので、卒業後、OPTのUnemployment Periodが開始し、なかなか仕事が見つからないのであれば、とりあえずパートの仕事を探して、就活に集中するのはお勧めの戦略
12月末から、特に1月に入ってから大手企業や政府機関のインタビューのお知らせがぽつぽつ入るようになった。金利政策や政権交代が影響していたのかなと思う
時間というよりは、自分との戦い。明らかな負けゲームで、応募数がうなぎのぼりの一方、インタビューも決まらず、日々お祈りメールを受け取り落ち込み、外国人の戦友たちも仕事が決まらず続々と帰国し、つなぎの仕事で不当な扱いを受け、嫌な思いをする日々、希望を持つということは非常に難しかったし、希望を持てていなかったことのほうが多い
日本に帰ったら楽に最高な仕事が見つかるのに、なぜそこまでして頑張るのか?と良く聞かれた。私の答えは、パートナーがアメリカに住んでいるから、の一つのみである。ヒトが理由だと、「この人のせいで私はこんな思いをしている」と思ってしまうので、「私は〇〇を求めるから、私はこの道を選んだ」と思える〇〇があるほうがもちろんベストだが、私はどんなに必死に考えても、それを見つけられなかったから余計に辛かった
何度も諦めようと思った。やりたいことでもない、キャリアのステップバックにしかならないような仕事に毎日必死にアプライして、職場では最悪な思いをし、希望を持てず貧しく過ごす日々。そんな日々を送るために2000万近くを投資したんじゃない。でも、その都度パートナーが支えてくれたので、踏ん張れたと思う。支えてくれる人やコミュニティをあることは非常に大事
再度繰り返すが、アメリカで就活をするなら、コネクション作りに励むこと。図々しいと思わず、リンクトインで、知り合いにつながっている人を紹介してもらったり、知らない人だけど何かしら共通点がある(卒業した大学が一緒とか)人、さらには全く知らない人にもリーチアウトすること。仕事をください、というスタンスではなく、あなたのことが知りたい、あなたの分野に興味があるから話しましょう、というようなオープンアプローチで。返信してくれるのは全体の数%に満たないかもしれないけど、リーチアウトすることで失うものはない
人生はどういう転機をもたらすかわからない。5年前にその会社を辞めた時は、ここに戻るなんて、一切考えていなかった。人を大切に、常に自分のベストを尽くすというモットーを徹底してきたからの結果だとと思っている