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追加のビールと餃子


こんばんは、アルコール依存症です。

彼がコインランドリーに行っている間に
ビールがなくなってしまったので

今日の私は迷いなく追加を買いに行きました。
これは飲んでおきたい、まだ飲める。

直感で生きている。

煙草吸ってから行こうかと思ったけれど
そんな時間はない。

煙草を一本だけ抜き取って
外に出てすぐ火をつける。
どうか他の住民が見ていませんように。

コンタクトをしていない
眼鏡は自宅に忘れたから無い
PayPayで払おうと免許証も持っていない

昨日みたいに慎重に運転しながら
百円ローソンに滑り込む。

エビスがない。
違うの飲んでたら、追加で買いに行ったってバレるじゃないか
でも仕方ないので久しぶりの黒ラベルを3本。
こんなときでも、冷静なつもりで飲みたいやつを選ぶ。
もう冷静じゃないよ、あんまり。
一番搾りは次の日に嫌な感じ残る気がして避けた。
麒麟は悪くない、ただ私が飲みすぎただけなんだろうけど。

お会計して車に乗り込んだとき、煙草を買い忘れたのを思い出して
何度もすみませんとまた店内に入り
フライヤーと戦っていたおばちゃんに
セブンスターを3つお願いしますと
煙草買いに来たのに、すみませんと言うと
一番大事なもの忘れちゃいましたねーと笑うおばちゃん

一番大事なものはビールだ
煙草も僅差だけど。

帰ったら彼も帰ってた。
またか…と思いながら、冷凍庫にビールを放り込んで
作り置きで冷凍してあった餃子を焼く。

半分彼に食べさせて、おいしい?
と聞いたら無言で消えた。
今の彼にとって餃子がうまかろうがまずかろうが関係ないんだろう。

私は500ml3本もあったら、餃子を食べたいのだ。

私は昔からつまみがないと飲めないクチで
ガリガリのアル中仲間からは
「だから体壊さなかったんだね」
と言われたけど
確かにみんな、膵炎とか胃潰瘍とかやってるね。

私もそこそこ内臓も小脳もやられてると思うけどね。

今、2本目
彼と言い合いになる

超絶健全に生きてる彼は
私の孤独をわからない。

アルコール依存症の人の気持ちはわからないし
わからなくていいと言った

それもそうだ。

だから、人は孤独だ。

だから、アルコール依存の人は自助グループに行くべきだ。

理解してくれるから。

彼は、十分過ぎるほどに寄り添ってくれている。
けど理解はできない、それは当然だ。
経験したことのないことを理解しきれるわけがない。

だから、人は孤独だ。

言い合って泣いたあと
3本目のビールを飲んでる。

これで最後のビールだ
なくなるのがとても怖い私はもう手遅れかもしれない。

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