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登山をしたら、軽く人生が変わった話

お正月に、人生初の登山をした。

彼がなんとなしに
「今日、山登り行かない?
小学生でも登れるくらいだよ」

「あーいいね、行こう行こう」


登り始めて15分程して
「ねえ、思ってたのと違う…」

なんて気軽に来てしまったのだろう

私はなだらかなハイキングコースみたいなのをイメージしていたのだが

これは殆ど段だし
どうやって登るんだという岩場も登らなきゃいけない。

しかもひとつひとつの段差が高いのだ。
普通の階段の倍はある。

冬山で、異常に代謝の良い私は一人
髪まで濡れる程汗だくだ。

途中、コンクリートの道に出た。

「コンクリートがうれしすぎる…
舗装された道…平坦な道…」

と、感激で半泣きになっている私を見て
彼は
「コンクリートに感激してる〜!!」
と爆笑していた。

笑い事じゃない。


残り、3分の1くらいになったところから
とにかく脚が上がらない。
段差のひとつひとつ登ろうとするたび
とんでもない重力に引っ張られている感じがした。
ただ足腰が弱いだけだ。


彼は励まそうと
「あとちょっとだよ!」
と言う
上を見上げると、果てしなく続く段差

「全然ちょっとじゃないじゃん!!」
半ギレの私。


「ほら、お空が見えてきたでしょう?
もう頂上だよ!」

そこからどれだけ登ったと思ってるんだ。


「全然頂上着かないじゃん!!」
半泣き半ギレの私。


しかしもう、登るしかないのだ。


頂上に辿り着いたとき
達成感というより
「もう登らなくていい…」
という安堵感の方が大きかった。

しかし、やり切った感はすごくよかった。

半泣きになりながら、登った達成感はなかなか。
お正月に登っておくと
1年頑張れる気がして、いいかもしれない。

頂上はお宮さんがあるため、初詣がてら登っている人も多かった。
雪が残っていた。
私は汗が一瞬で冷えて、急いで下ってきた。

帰りはすごく楽で、跳ねるようにして帰ってきた。
彼は逆に、帰りがしんどそうだった。

箱根の上りと下りと得意不得意の選手を思い出した。


確かに小学生くらいの子も何人か見かけた。

しかしハーフマラソン走るおじさんと
鬼ごっこばっかやってる小学生と
運動不足のアラフォー女の体力を同じだと思うな。


だからこそ、登ってよかったなと思えたのだけれど。

そこからしばらくは
「あの山を登ったんだから、これくらいなんてことない…!!」
と、単純に励まされていた。


しかし、あの辛さをわずかに忘れてきている。


あまりの辛さに、年1くらいでいいと思ってたけれど
近いうち、また行くかもしれない。

あとで調べたら、標高800m程の山だった。
そりゃ
初心者にはキツイよ元気なおじさんよ。

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