英語が使えないと困るの?
以前、全て英語で行うテニスレッスンをやっていたのですが、保護者の方からは、「(子どもに)行って欲しいんだけど、子どもが行きたいと言わない」という反応がとても多かったのです。
子どもに、将来のために英語が使えるようになってほしい、と考える保護者は多い。
しかし、英語が使えないと困る、と思っている子はほとんどいません。
日本にいる限り、英語は要らないからです。
フロリダのIMGアカデミーに日本の子達を連れて行った時のこと。
落し物をした、申し込みをしたい、洗濯機の使い方がわからない・・・英語を使えない不便さをほとんどの子は感じたと思います。
そして2週間後、彼らは頼もしさを増して、日本に帰国します。
子どもは(大人もそうですが)、必要のないこと、興味のないことをやりたいとは思いません。
そして、今の日本は、日本にいれば大丈夫”だろう”という人をたくさんつくっています。そこそこ、普通、を満足できるような世の中です。
はっきり言うと、学校の授業でしか英語を勉強しないことは、テニスで試合を一切せず、ボール出しの練習で錦織圭を目指しているようなものです。
結果は、フォアハンドしか打てないけど、試合に慣れた子に負けてしまうでしょう。
でも、これで皆さん満足です。なぜならば、目先の他人評価(試験、受験)が尺度になっているからです。
もちろん、なかには、自分のために英語をやっていると自覚している子もいるでしょう。
日本人含む外国人が、アメリカの大学に入学しようとするとき、必要なのは総合評定(いわゆる偏差値)だけではなく、授業を理解できる英語力(TOEFLなど)です。
アメリカには行かないから英語はいらない。
その通りです。
しかし、私が問題だと思うのは、その視野の狭さと、自分で自分の上限を決めてしまうことです。
では、英語が使えたらどうでしょうか?
アメリカに行ってみようかな?そんな風に思う子がたくさん出てくるはずです。
英語などの他言語は、自分の世界を広げる、自分の能力を高めるツールだと思うのです。