ほおづえをつく女 風
昭和50年代だったか、りゅう坊が高校生の頃、クラスではフォークソングブームがあったような記憶がある。仲のいい友達が「NSP」がいいとか言っていた。
りゅう坊は、ロックに目覚めてはいたものの、フォークもちょっと聴いてみようかなと、レコード店で見つけたのが、「風」だった。
「ほおづえをつく女」
この曲がフォークと呼べるかどうか別にして、歌詞が印象的だったのを記憶している。
小説とかで用いられる「三人称」なのだ。
ひとりの女を、第三者がみて 語りかけるような歌詞にリアリティがある。
振り向きもせずに 男は去った 女は半年泣き続けた
薄暗い部屋でほおづえをついたまま 幸せな日々を思い出していた
なぜ捨てられたのかもわからないまま 女は半年泣き続けた
生まれ変わった女は再び男を見つける。
灰皿の中の古い燃えさしがまた 新しい炎で燃えあがった
しかし、慣れすぎた暮らしに女は甘え過ぎ、男の心にまでほおづえをついてしまう。
一番最後の歌詞に第三者、伊勢正三の気持ちが入る。
夜空の星がとても美しいのは ほんの少し光っているから
「風」にしては、「22歳の別れ」や「君と歩いた青春」などとジャンルが全く違う印象の曲だった。
だからこそ、強く印象に残ったのかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?