ロデオマシーンは健康器具だった
長年、座敷の片隅にオブジェ化していた「ロデオマシーン」
馬乗りに跨いで、スイッチを入れると暴れ馬のように座面が動くアレだ。
ほとんど使われることなく、放置されていた。
今、乗ってスイッチを入れられたら、61歳のりゅう坊にとっては拷問だ。
120%腰を痛める。
処分しようということになり、某買い取りショップに持ち込むことにした。
昨日は天気も良かったので、軽トラックの荷台に積んだ。約20kgはあるか。
倒れないようにラチェット式ベルトで固定して、約18km先の買い取りショップを目指した。道のりは約30分。
買い取りショップの駐車場に到着し、固定していたラチェット式ベルトを外し、店員さんを呼びに店内に入った。
「買い取りお願いしたいんだけど、重いので手を貸してもらえます?」
「品物は何ですか?」
「ロデオマシーン」と答えると、
「すみません、健康器具は取り扱ってないんです・・・」
「け、けんこうきぐ あれって健康器具だったのか・・・あぁ、30分もかけてやってきたのに!」
「すみません・・・」
見事な門前払いだった。
気をとりなおして、
「こうなったら粗大ごみだな、今何時だ?」
時計は14:45分だった。
「確か、クリーンセンター(ゴミ処分場)は16時までだったな」
そのクリーンセンターはりゅう坊の家から車で5分ほどのところなのだ・・・
15:20頃クリーンセンターに到着した。
係りは、この間プリンターを処分した時にりゅう坊のことを「おとうさん」と呼んだおばさんだった。
「それ、何ですか?」
「ロデオマシーンさ、跨いでグラグラするアレ。30分かけて買い取り屋さんへ行ったらお断りされてね」
「それは大変でしたね、処分量520円になります」
買い取りで1000円でもなればと思っていたが、往復1時間の時間と、軽トラのガソリン代、処分費用520円。
あらあらの顛末だった。