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今思い出しても・・・
あれはりゅう坊が小学校3年生の頃だっただろうか。
学校では身体測定があった。
その当時の小学校は木造で、2階に畳敷きの和室っぽい広い部屋があった。、そこでパンツいっちょうになり、身長、体重、座高、胸囲などを先生たちが測定した。
りゅう坊は体重計に乗るのが嫌で嫌でたまらんかった。
人一倍痩せているもんだから、いつも先生から何か一言がある。
それもその数値を大声で読み上げるのだ。
「〇〇くん、たいじゅう〇〇キロ~」
他の生徒たちがクスクス笑うし、だまって記錄すれはいいものを。
それだけでは終わらなかった。
全員の測定が終わって部屋の片隅で服を着ていたら、りゅう坊の担任の先生が他の先生にグチをこぼすように言うのである。
「まったく〇〇(りゅう坊のこと)は親の名前が『つよし』なのになんであんなに弱々しい子なんだ」
りゅう坊がその場にいることを担任は気が付かなかったようで、りゅう坊がその担任の見えないところにいることを知っている他の先生方は困った顔をしていた。
その担任は体育系のスパルタ派で、りゅう坊にとっては苦手なタイプの人間だった。授業では、ぎょろっとした目で、人差し指で指されるのが怖くて嫌でしょうがなかった。
昭和40年代の「先生」といえば絶対的な存在であった。
いまでは考えられないよなぁ りゅう坊、ひどい話だ。
「そんなふうに言われる自分が悪いんだからしょうがないよ」
お前が今でも鮮明にその場面を覚えているってことは、相当ショッキングな出来事だったんだぞ。
「からだの特徴があだ名になったり、ごはんちゃんと食べてるの?とか、また瘦せたんじゃないととか言われ続けてきた」
悪気があって言ってるんじゃないと思うんだけど、61歳のりゅう坊も未だに言われる。
「でも61歳のりゅう坊さんは体重増えたよね」
おう。なんとか標準体重の範囲に届いたぞ。
でも、りゅう坊はよく耐えてきたな。
この辺で、もう荷物を降ろそう。
どっちでもいいじゃん。言わせておけば。
(と、自分に言い聞かせる)