読書メモ『すばらしい新世界』
読んだ本
タイトル:すばらしい新世界
著者:オルダス・ハクスリー
訳者:大森望
読書メモ
エリート社会ののけ者、野人社会ののけ者、エリート社会で優秀すぎるが故ののけ者……様々な種類ののけ者が出てくる
バーナードの気持ちわかるなぁ。私も周囲と違う思考哲学といつか体制に反抗してやろう、という考えで自分は大勢のうちの1人ではなく重要な1人だと思い込みたかったし、今も少し思っている
『1984年』における性に対する価値観とはずいぶん違う。真逆かもしれない
レーニナたちは睡眠学習の言葉を引用し、ジョンはシェイクスピアを引用する。奇妙な対比だけど、両者とも他人の言葉を引用している
悲惨なラストだ。人間らしく生きるってなんだろう
感想
有名な作品ですよね。ディストピアSFといえばこれか『1984年』。これほど有名な作品とはどのようなものかと読んでみると、なんと壮大な恋愛物語! 意外だったね。
読書メモにも書いたが、『すばらしい新世界』と『1984年』の世界ではセックスに対するアプローチが全くと言っていいほど正反対に感じる。『1984年』では、女性は赤い飾り紐を腰に巻いて反セックスを掲げている(うろ覚え)のに対し、『すばらしい新世界』では反セックスどころか、1人の人間と関係を持ち続けることは不健全だとされている。この違いはまた詳しく調べたい。
『すばらしい新世界』の世界ではフォードが神様です。あのフォーディズムとかのフォードだと思う。ベルトコンベアシステムで大量生産できる仕組みを考えた人だったかな? 経営組織論みたいな講義で名前を聞く人だ。そんなフォードを神にするのだから、人間もT型フォードのごとくベルトコンベア作業的に一卵性多胎児が人工的に量産される。気味の悪い話である。
この話を読んで、SFの根幹にある学問は、もしかしたら科学や物理学ではなく社会学の方が近いのではないかと思う。小説ならなおさら。
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