無料連載小説|紬 7話 閉鎖病棟
私は20歳の12月に首を括り、救急病院を退院してからは半年と少しの間は何もない個室に閉じ込められていた。布団しかない四畳半。そこでミトンと呼ばれる手袋をつけられ、手も自由に動かせない状態で転がされていた。どれだけ泣き喚いても無駄だと思い、途方に暮れたところで落ち着いてきた。やっと話ができるようになり、解放された。解放されたといっても出入り口に檻がある病棟の個室だったけど。
出入り口に檻があると聞けば、閉じ込められていると感じると思う。だけど案外そうは感じない。むしろ外の世界