無料連載小説|紬 34話 理事長室
入職時はこぼれ落ちそうな笑顔の下膨れだった理事長が、玉ねぎみたいにササくれた下膨れになっている。これがへの字口か。確かにへの字だ。
「桐山先生、警察の方から話は聞きました。小川さんのために大学生に暴行を加えたんですか?わざわざご友人と、義憤に駆られて」
おっさん、真面目に生きてきたボンクラが怒ろうがへとも思えないんだよ。あんた命までは取れないだろう?あんたがズボンを下ろさない限り俺は大丈夫だ。
「ええ。その後紬とは付き合うことになりましたよ。クビになるのは分かっていますから