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詩集|歌詞になる前の短編集

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メロディに詩をのせるとき、物語を削っていきます。削られる前の物語を短編集にしてみました。 どんな演奏にのせるかは、ご自由に想像してください。出来上がった歌詞も載せません。曲をど…
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2024年11月の記事一覧

夜明けのリボルバー(詩)

夜明けのリボルバー(詩)

ようこそ、リボルバー
君の輝きはとても静かだ
太陽が昇る直前が
君にはよく似合うようだ

冷たさは優しく体温に馴染む
手のひらに溶けてしまいそうだが
その硬さが存在を
ありありと証明している

未来を吹き飛ばす弾丸を一つ
キャンディみたいなもの

悲しみや痛みに
グッバイ

僕に、安らかな永遠を

アゲハ

別にヒップホップとか興味がない
アゲハみたいな子の物語
あの頃彼女は21
気弱なバーテンと仲睦まじい
寄り添うような二人暮らし
なぜか日陰に隠れるように
男は彼女を愛してた
プッシャーに沈められようが
ギリギリまで救おうとした
アゲハは耐えようとした
月に3回の生理とか
頻繁にやってくるフラッシュバック
二人は抱き合ってた
今じゃ過去のことだろうが
男の笑顔に滲む諦め
アゲハは今もう消息不明

(詩)幸せの鐘を打ち鳴らす時、僕の手はボロボロになっている

(詩)幸せの鐘を打ち鳴らす時、僕の手はボロボロになっている

物語を綴る
何よりも美しい話
そしてそれにすがりつく

失意の底で
幸せをもたらす鐘を打ち鳴らす
手のひらは血まみれなのに
涙は出ない

鐘は響かない
ひどく錆びている
叫んでいたらしい
喉がとても痛い

絶望の色をご存知ですか?