アリの巣に、行ってきた。
某運転免許試験場
最寄りのバス停から降りて真正面にある建物は四階建てで、学校のような長方形だった。
更新場所の数が少ないせいか、平日の昼前なのにめっちゃ混んでいて、いくつかの窓口に長い列を作っていた。
「蟻みたい・・・」
と思ったが、わき腹がチラチラ見えたり、ピンクの髪をおさげにしてたり、二人でキャッキャしてる女の子たちがいたので、人間だった。(おっさんですみません)
こういう場所って、いろいろな人がいて飽きない。
「おい、もう三十分やぞおぉ…!」
別の窓口では、ちょっと強面のオジサマが大きく低い声で職員に圧をかけていた。そうそう、こういうところは、こうでなくちゃね。
自分の番がきて、窓口の向こう側をのぞくと、色褪せたおじいさんおばあさんが突っ立っていたが、若い女性も働いていた。
「ああ、出ます出ます!」
元気よく電話に出た彼女の制服は濃い藍色で、存在がくっきりしていた。定年後のような職員がとても多いが、彼女はここへの配属を希望したのだろうか。
書類の手続きを終えたが、講習まで一時間もあるらしい。仕方がないので、椅子が並べてある一角でスマホをいじる。
ふと、明るく大きい窓を見ると、外には森の緑が遠くまで広がっていた。
「どこだここ・・・」
天井に目を移すと、壁紙はボロボロに剝がれていた。蛍光灯は一本ずつ抜かれていて、いくつかは黄色く滲んだように、鈍く光っていた。
「お願いをしたいと、思います。恐縮です」
「前に取りに来ていただくように、お願いをしたいと、思います」
「講習は居眠りはしないように、お願いをしたいと、思います」
「気をつけていただくように、お願いをしたいと、思います」
先生?の語尾が気になったおかげで居眠りは回避。
・・・まさか、眠らせないための言葉遣いなのだろうか。だとしたら、ただの腹の出たおじさんでなく、プロだな。
一時間の講習を終え、四階から階段をぐるぐると下りる。エスカレーターは登りだけだった。どの階も人であふれていた。入口に戻ると、まだ続々と人が来ていた。
そして、帰りのバス停で、また列に並ぶ。
なんだか、蟻の巣の中を体験したような、不思議な一日だった。
金色が青色になった
何かランクが落ちたようで悲しい。
更新を忘れただけなのに・・・まあ、忘れなければ、数年後にまた金色に戻るらしいけど。
というか、金色は、「いつも車に乗っていて事故がない人にだけ」あげるべきだ。
俺のようなペーパードライバーは赤色にでもしておけばよい。
よほど危険である。
(了)
運転免許試験場を悪く言う気はまったくありません!
見て感じて頭の中でぐるぐるしたことを綴りました。
・・・日記?エッセイ? まあ、書く練習です。
これで1000文字ちょっと。
意外と書けました。