益田松川バッテリーvs吉田正尚
またまたロッテの試合で見応えのある場面があったので振り返ります。
1点リードで迎えた10回裏、1アウト1.3塁でバッターは吉田正尚。ベンチの指示は分かりませんが、0を狙いつつ同点までは許容範囲、という場面でしょう。
1.3塁はとても点が入りやすいシチュエーションで、三振を狙いに行くのがベター。しかし打者は三振の少ない吉田正尚で後ろの打者は復帰したばかりの宗なので、歩かせて守りやすい満塁にする事も考えられる。
申告敬遠をすれば打ち取れる可能性は0。しかし勝負する事で打ち取れる可能性をわずかであっても残し、"ひたすら落ち球(益田の場合はシンカー)を投げさせ三振を狙いつつ、打者側の最高の結果を四球にする"組み立てだった。
追い込んだ事で欲を出して裏をかいた真っ直ぐを行きたくなる気持ちを抑え、徹底したシンカー攻めを貫いた。回が深くなるほど相手打者を見極めてリスクの低い配球にシフトし、どんな内容であれ勝って終われば問題ないという試合の締め方も心得ているように見えた。益田も丁寧に低めに集める素晴らしい制球だったが、打たれた球だけ欲が出たのか少し浮いてしまい、打者もケアしていたため上手く拾われ犠牲フライ。そこまで悪い高さではなかったが、低めの見送ればボールと言われそうなシンカーをゴロにせず打球を上げられるのは流石吉田正尚。結果は打たれたものの同点に留めたのでクローザーとして最低限の仕事はこなした。この場面で打たれてしまうと歩かせておけばと言われるので、四球OKの攻めというのは高い制球力が必要であり簡単に見えて相当難易度が高い。申告敬遠をせず吉田正尚と勝負出来るのは一流と言えるでしょう。結果だけを見れば失敗に見えるが、バッテリーの狙いが見えたとてもレベルの高い見応えのある対決だった。
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