親が幸せであること。それが子どもにとっての幸せ。

イギリスで妊娠・出産・育児を経験していて、
通して受けた印象は「母親が幸せであること」を大切にしているということである。

妊娠中の食事・体重、運動量の管理や母体と赤ちゃんのcheck upもとにかく負担がないように考えられている。

看護学生時代の母性看護学実習はどの学校でも大変と言われる。
医療者がこの両親、特に妊産婦に指導することは多くある。
つまり、その指導を受ける両親、妊産婦は自分自身や自分の子どものことなのだから、
一層大変なことだと思う。

実際、日本で妊娠・出産を経験した人の話を聞くと、話題は食事や体重、運動量の管理のことばかり。
よくそれで「楽しいマタニティライフ」とか言えるな。と正直思った。

一方、イギリスでの妊娠・出産は日本の普通を知っていると心配になる程自由が与えられていた。
何よりも一番に大切にしているのは「あなた(母親)が幸せであること」であり、それがBabyの幸せだから。と何度も言われた。

検診の頻度は本当に少ないし、侵襲的な検査もほとんどしない。
食事の制限は何も言われなかったし、体重なんてほとんど測らなかった。
それより言われたのは、ストレスは発散できているのか、家族はサポーティブか、心は元気か。ということだった。

つわりはひどかったし、それでも「楽しいマタニティライフ」とは言えなかったけれども、イギリスでよかった。日本じゃなくてよかったとは強く思う。

検診の頻度が少ないことに関しては不安もあったけれど、
その不安は日本の普通を知っているからであり、これがイギリスの普通だと思えば、
胎児の成長や無事を気にしすぎることがなくて、私には合っていたのだと思う。

何か気掛かりなことがあればしっかり、追加の検査をしてくれたし、有料でプライベートのクリニックで診てもらうこともできる。

産後ケアでも「あなたは幸せ?」と聞かれる。メインの話題がそれなのだ。
産後うつに対してのケアに重点を置いている。

子育てにおいて自己犠牲が当たり前のように感じるが、
子育てって本来、「自分の幸せ」につながるものなのだと思う。

どこかで「子どもはお母さんを助けるために生まれてきた」という言葉を聞いたことがある。
そして、フランス式育児の基本は「子どもに環境を合わせるのではなく、子どもがこの世界・環境に慣れるのをサポートする」こと。
これを聞いてどれだけ救われただろう。

沐浴の仕方、離乳食の進め方においても、やり方は一つじゃないし、どれだけ親が楽にできるかを考えてもいいと思う。
子どもは思っているより丈夫だし、環境に順応する能力を持っている。
それを信じて期待し、楽しむくらいでいいんじゃないかと思う。

日本人でもそれを大切にしている助産師さんもいる。
私はいつも助産師HISAKOさんのYoutubeに助けられている。

仕事においてもそうだけれど、日本では自己犠牲が美徳化されているように思える。
それでは一向に自分自身を大切にできず、少子化も自殺率の増加も止められないのではないかと思う。

全てにおいて自己犠牲に気づき、手放して、自分を幸せにする方法を少しでも考えてみようと思う。

それではまた。

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