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四畳半タイムマシンブルースを観た。

2022年10月2日
2020年の7月に発表された森見登美彦氏とヨーロッパ企画の上田誠氏がコラボした小説、四畳半タイムマシンブルースがアニメ化されました。僕もどうにかこうにか映画館に向かい観ることができました。

四畳半神話大系で大活躍した私、明石さん、小津、樋口師匠、城ヶ崎氏、相島氏、それぞれみんながちゃんと集まって不毛な夏をそれぞれ自分勝手に大活躍します。

今回の四畳半タイムマシンブルースでは、監督を夏目慎吾氏と脚本を上田誠氏が務めています。四畳半神話大系のアニメ化では湯浅監督が務めていました。
少年少女たちが苦境の底に叩きお落とされるサニーボーイで夏目監督の作品に初めて触れた僕にとってはどんな作品になるのかとちょっとヒヤヒヤしていた節がありました。

内容は改めて触れるまでもなく四畳半タイムマシンブルースの小説がそっくりそのまま移植されているのですが、小説にはないイースターエッグが映画の随所に散りばめられています。
未来人こと田村君がタイムマシンの制作過程を話す過程が克明にアニメ化されているだけでなくそのシーンのキャラクタと声優をヨーロッパ企画のメンバーが務めたりと魅力がとにかく満載です。
何よりも下鴨幽水荘の大家さんが実は木屋町にいた怪しいあのお方だったとは!!四畳半神話大系から生まれたパラレルワールドですから誰が何をやっても不思議はありません。
銭湯オアシスでの宇宙の存亡をかけたやり取りは小説にはないグッとくる脚本にお色直しがされています。私と城ヶ崎氏のやり取り中の明石さんの表情に特に注目です。
アニメ化するにあたって8月11日と12日の間で各キャラクターの髪型と服装を綺麗に描き分けてあるのが小説ではできない芸当でしたし、小説の特に印象的な展開をきちんと裏切るように作り込んでそれでいて知っている人がクスリと笑えるようになっている。一夏を乗り越えましたが、まだちょっと暑さが顔をのぞかせる日にはこの映画と小説を思い出しながらラムネを飲みたくなるようなそんな作品でした。



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