Covid-19の起源に関連して、よく繰り返される基本的な誤りについて-8 E22~E24
以下は、2021年8月に発表された、Some basic errors commonly repeated in relation to Covid-19 origins の日本語訳です。この記事では、E1からE30まである誤りのうち、E22~E24を掲載します。最初から読む場合はこちらをご覧ください。
筆者: ジル・ドゥマヌフ
E22「フィールドサンプリングは、完全な個人防護具を用いて行われていたので安全だった」
事実誤認:
複数の発言、写真やビデオの記録から、武漢ウイルス研究所の職員がフィールドワークの際に限定的な個人防護具を使用していることがわかる。その中には、コウモリのサンプリングの旅で石正麗が、サイズの合わない手術用マスクを着け、帽子にコウモリをぶら下げている写真も含まれる。
こうした情勢は、石正麗自身が2018年6月に行ったプレゼンテーション (16:30から) でさらに確認できる (文字起こしと翻訳を参照)。
「コウモリは多くのウイルスを保有していますが、人間に直接感染する可能性は非常に低いです。ある場所のコウモリが人間に伝染する可能性のあるウイルスを持っていることがわかっている場合には、より高度な保護具を用いますが、ほとんどの場合は普通の保護具しか用いません」。
ちなみに、ある場所のコウモリが、(i) 人に伝染するウイルスを持っていないことをその場所でサンプリングせずにどうやって見分けるのか、また、(ii) コウモリの集団が移動してもウイルスを持っていないことをどうやって見分けるのか、どちらも興味深い質問である。
囲み: 言葉と現実
中国-WHO報告書の附属書D-7
E23「中国はプライバシールールのために患者のデータを共有できない。データを共有しないという決定には単純に悪意はない」
事実誤認:
適用可能な中国の法律と規制に一致して、例えば武漢市民35,040人のCOVID-19検査に関する2020年10月のこの論文のように、非識別データを使用する場合は通常、インフォームド・コンセントを放棄することができる。したがって、匿名化されたデータなら引き渡し可能であった。
E24「武漢ウイルス研究所は確かにウイルスのデータベースへのアクセスを削除したかもしれないが、そうしたのには正当な理由があった (ハッカーへの恐れ)」
論理的な誤り:
a. 2019年9月から武漢ウイルス研究所のすべてのウイルスおよびサンプリングのデータベースがオフラインになった。発表された公式の理由は、石正麗自身 [注21] が説明し、中国の報道機関 [注16] が追認したように、アウトブレイク後に始まったハッキング攻撃が繰り返される恐れである。しかし、アウトブレイクが検出されたのは2019年の最後のほんの数日であり、公表されたのは2020年1月の第1週であったため、提示された理由はまったく意味をなさない。
b. 当時、データベースをオフにした理由が何であれ、そのようなデータベースを中国の安全なサーバーでホストして武漢ウイルス研究所のネットワークから分離することは容易である。いずれにせよ、単にDBの入ったUSBキーやドライブをWHOに渡すことはいつでも可能であった。
[注21] 2021年1月26日、石正麗教授はトミー・クリアリーへの電子メールでの回答で、データベースが「Covid-19パンデミック中」にオフラインになったことを再度確言した。