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#81 人生の伴走者/泖

【往復書簡 #81 のやりとり】
水曜日(4/6):泖〈気候変動なんのその〉
金曜日(4/8):くろさわかな
月曜日(4/11):及川恵子

気候変動なんのその

昨日のニュースの中に、このままでは気候変動が緩和するどころか、どんどん進んでいくというものがありました。
パリ協定で定められた「世界的な平均気温上昇を産業革命以前 に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること」という世界共通の目標が達成できないそうです。

現在の対策のまま暮らしていくと、今世紀末までには1.5℃におさまるどころか、3℃まで上昇する計算なのだとか。

わたしもどうにか気候変動を止めるために日々できることはやっているつもりです。エコバックを持ち歩いてなるべくプラスチックの袋をもらわないようにしたり、食べ物を残さないようにしたり、服は長く着れるものを選んだり。本当に基本的なものしかできていませんが、一応環境のことに配慮して生きています。

しかし電気自動車が流行る昨今、わたしは肩身の狭い思いをします。

わたしの愛車は平成5年製のジムニーなのですが、愛着が湧きすぎて、遠くない未来に訪れそうな「ガソリン車新車販売の禁止」に心が追いつきません。

脱ガソリン車、というだけあって、新車販売禁止ときたら、ガソリン車所持禁止にもなりかねないですよね。

たしかにジムニーで走っていると「あぁ環境に悪いことしてるな」っていうのは感じます。でも、このジムニー以外を運転するなんて考えられない。古い車なので、不調とは常に隣り合わせです。そんなところも愛おしいのですが、修理やメンテナンスにもお金がかかるので大切に乗らなければいけなくて、ますます愛着が湧きます。

ジムニーは、18歳で免許を取ってから25歳で手に入れるまで、ずっと憧れていた車でした。学生時代、日本橋の書店でバイトをしていたときは、整理整頓と見せかけてジムニー専門の雑誌をパラパラめくっていたほどです。思い入れがかなり強いせいか、新車のジムニーとすれ違うと「わたしはやはり70〜90年代のジムニーが好きだ」と再確認するのです。

でも、温室効果ガスを削減するために、いつかはジムニーに乗れなくなってしまう日がくるかもしれない。どうすればいいのか、と考えました。廃車という選択肢はありません。

まず選択肢は二つ。

ひとつは、博物館などに寄贈すること。博物館であればきっと大切に扱われますし、自分も会いたい時に会いに行ける。誰かの心の拠り所にもなるでしょう。

ふたつめは、自宅で保管。車内はリラックスできるように改装し、読書部屋やピクニック部屋として使うこと。いまのところ、この案がいいなと思っています。いつでもわたしの見えるところにあるし、わたしが広い家に住めたらジムニーを家の中に入れて小部屋みたいな感じで使いたいです。

ずっと一緒にどこかへ行けるのが、一番の理想なんですけどね。

わたしの命が尽きるまで、平成5年製のジムニーが走り続けられるのかも微妙なところですが。

お二人は、まさに「人生の伴走者」とも言うべき人やものはありますか?


追伸。
新年度が始まった日に、事故物件に引っ越す夢をみました。これからわたしに何が起こるのか知るのが怖くて、夢占いで調べられていません。

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