#96 めでたい
【往復書簡 #96 のやりとり】
①(8/24):泖〈地元をレペゼンしたい気持ち〉
②(8/26):くろさわかな
③(8/29):及川恵子
地元をレペゼンしたい気持ち
甲子園で仙台育英高校が優勝しましたね。
めでたい。
テレビでは連日「白河の関越え」と報道されています。
河北新報の朝刊をみたら、2面をつかって仙台育英の優勝を讃えていました。こんな誌面デザインも可能なんですね、というくらい気合が入っていました。
決勝戦当日、わたしはテレビの前でスタンバイして試合を見守りました。
普段、野球なんて一切見ないのに。見てしまいましたよ。
優勝が決まったときには、わたしもスタメンで一緒に戦っていたかのように喜びました。野球なんて全くやったことないのにね。
同時に、東北は独特な地域だなと思いました。宮城県の人だけじゃなくて、東北の人がみんな一緒になって応援している&戦っている様子にとても感動しまして。
仙台育英vs聖光学院の東北対決のときもかなり感動しました。
というか、わたしの地元は仙台よりも聖光学院のほうに近いところにあるので、育英を応援すべきか、聖光学院を応援すべきか、とても複雑な気持ちでした。
特に印象的だったのは、仙台育英のキャッチャーの足にボールが当たった次の瞬間、聖光学院の生徒がアイシングスプレーをサッと持ち出して、当たり前のように対戦相手のキャッチャーの足元にサーーーーっと当てた瞬間です。
敵味方関係なく、相手を思える行動が即座にできる人ってほんとうに素敵だわ。
育英の選手も仕切りに「すみません、ありがとうございます」(※想像です)と頭を下げ、聖光の生徒も「いいっすいいっす、大丈夫すか?」(※想像です)みたいなやりとりがみられ、ここでも東北最高、って思いました。
東北って、一塊なイメージがあります。
違う県出身だとしても「東北出身」と聞けばかなり安心する。出身地である宮城から飛び出て一人暮らしをしたときも、大学の同級生が東北出身と聞けば一気に心をひらける。相性が合うかどうかは別として、仲間意識が芽生えやすくなる気がします。
個人的に、東北って馬鹿にされやすい地域なのかもと思うこともあります。
東京で宮城の訛りがでたときには「めっちゃなまってんじゃん」と笑われ、かなり恥ずかしい思いをした記憶があります。反対に「東北出身なのにぜんぜん訛ってないんだね」と、まるで期待はずれみたいに言われることも。
訛りがでないようにと気を遣いながら過ごしたこともあったのですが、東北に甲子園の優勝旗がきたというだけで「どんなところでもどんどん訛っていこうぜ!」と気持ちが大きくなりました。なぜ甲子園だけこんなに盛り上がるんだろうという疑問はありますが。
しかし。
わたしは、甲子園をはじめ、いろいろな学生スポーツの試合をみていて思うのですが、負けたとしても「みんな優勝!めでたい!」という気持ちになります。
そして、普段地元への帰属意識が薄いわたしですが、甲子園での仙台育英高校の優勝や、ウィンターカップでの明成高校の優勝などがあると、とたんに地元をレペゼンしたい気持ちが湧き上がってきます。
どうやら、わたしには「めでたい」と「地元をレペゼンしたい気持ち」がセットになっているらしい。
同じ地域出身の人たちが頑張っているのをみると、わたしが東北に生まれたことを誇りに思えます。おこがましいかもしれないけれど。
最近感じるのは、胸を張って自分の地元をレペゼンできる人ってかっこいいなということです。
わたしの地元は嫌なところばかり浮かんでしまいますが、ちょっとずつでもよいところをみつけられるように日々生きていきたいと思います。
追伸。
足の裏を蚊にさされました。イライラします。