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2022年のBtoBマーケの鍵は「ザ・モデルからの脱却」と「CLG(コンテンツレッドグロース)へのシフト」

こんばんは、とあるスタートアップ企業にてBtoBマーケ領域の責任者をしている田中と申します。
まずは自己紹介がわりに、簡単なプロフィールを以下に載せておきます。

▼プロフィール
・事業内容:Instagram専門のマーケティング支援
・事業開始約2年ほどの事業のマーケ責任者(BtoBマーケ)
・実績:0からBtoBマーケを立ち上げ、1年間でリード数は約40倍以上に。現在安定して月間1,500件以上、多い月は4,000件以上のリード獲得に成功。

上記に書いたように、スタートアップという変化の激しい環境において日々試行錯誤する中で、2022年のBtoBマーケティングのトレンドについて、先日ツイートしてみました。

ありがたいことに多くの反響をいただき、改めて自分の思考を言語化するためにも、上記について自分なりの見解を解説してみようと思います。

結論は以下の画像に集約されますが、かなり前置きがボリューミーなので、結論が知りたい方は、ぜひ目次を使って読み飛ばしてください。

※追記:このnoteをより詳しく、そして最新版にアップデートしながらYouTubeで解説しました。

YouTubeを見てみる

ちなみにチャンネル名は「CMO田中のBtoBマーケを語る部屋」の予定です。

この他にも
・BtoBマーケのリアルな戦略や裏側のデータ
・もっと早く知りたかったマーケのセオリー

をガンガン解説していく予定なので、よかったらチャンネル登録して待っておいてください。

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「ザ・モデル」の限界とは?

近年オンライン上での営業が当たり前の時代となり、そんな中で効率の良い営業モデルとして各社が導入し始めたのが「ザ・モデル」でした。

「ザ・モデル」を一言で言い表すならば、「営業の分業による効率化」を図る営業プロセスです。BtoBの事業では「重要な変数」が多く、1人の営業マンが追うには難易度が高すぎました。

そこで「ザ・モデル」では営業モデルを分業することで、各部署のKPI達成率を高め、全体最適を図ります。

▼役割分担と重要KPIイメージ
マーケ→リード数、CPA、MQL単価、CAC
インサイドセールス→アポ化率、SQL単価
フィールドセールス→受注率、受注金額
カスタマーサクセス→解約率、アップセル、クロスセル

Instagramマーケティング支援を行うSAKIYOMIも、2021年は「ザ・モデル」を取り入れ、急速に事業拡大をすることができました。

ただ、逆に「ザ・モデル」を実践する中で見えてきた新たな課題もありました。それが「CACの高騰」です。(※ここではSLG、いわゆるセールス主導で事業成長を目指す前提で書いてます。)

CAC = 新規顧客獲得にかかる総コスト / 新規顧客数

参照:SaaS現役経営者の投資基準に関する現場のリアルな話(LTV/CAC>3x?)

分業による部分最適。結果として、CACの高騰へ

当たり前の話ではあるのですが、分業による効率化はCACの高騰と隣り合わせです。

基本的に「リード→アポ→受注」の流れにおいて、各KPIは売上目標(=受注金額)から逆算されて設定されます。
その時に、受注数を倍にするには、リード数を倍にする必要があり、広告費と営業の人件費も倍になる

▼イメージ
リード数100件→アポ数10件→受注数2件(アポ率10%・受注率20%)
↓(売上を2倍に伸ばしたい…‼︎)
リード数200件→アポ数20件→受注数4件(アポ率10%・受注率20%)

これだけ見ると「アポ率や受注率を上げればええやん、、」と感じますが、実際の現場ではアポ率や受注率は向上させるどころか、維持することで精一杯なケースも多いです。

その一番の原因が「常に人が増え続ける」ことです。当然人が増えればマネジメントの難易度は上がり、1人の営業マンにかけられるオンボーディングの時間も減っていきます。
また、営業は比較的属人性が強く、クオリティの均一化の難易度は高い。それなのに事業拡大に伴って、毎月人が増え続けるのです。

理論上はアポ率や受注率の維持はそこまで難しくなさそうですし、何なら上げることもできそうですが、想定以上に複雑性が高い領域だと認識する必要があります。

また、部署が分かれているからこそ、マーケ〜セールスの連携もやはり難しいです。

その中でも特に起こりがちなBtoBマーケターの悩みが、「CPAとCACを両方追うことが難しすぎる問題」です。
例えば以下のようなケースの場合、どうしても全体最適ではなくて部分最適になってしまう力学が働きがちです。

▼チャネルA:CPAは低く、リード獲得数も順調。ただ、なぜかアポ率が低く、CACが若干高騰。
▼チャネルB:CPAは高く、リード獲得数もくせん。ただアポ率は高くCACはそこそこ。

上記の場合、チャネルAが本当に相性の悪いチャネルなのか、はたまたコールにおけるアプローチの工夫でアポ率は改善可能なのか。
AとBのどちらのチャネルに予算を寄せるのか、非常に判断が難しいのです。

これらはやはり分業のデメリットだと言わざるを得ないでしょう。

急拡大を狙うSaaSにおいては、一定CACが高騰してでも、規模の経済を働かせるために意図的に赤字を許容するケースが多いです。

ただ、フェーズが変わったり、LTVの低い商材の場合は、思考停止で「ザ・モデル」を踏襲し、セールス主導の営業モデル(SLG)を続けると利益率が低くなってしまいます。

そして最悪の場合は、LTVに対してCACが見合わず、マーケ的にもどんどん打ち手がなくなってしまうのです。
参照:LTVの高さが、BtoBマーケティングの自由度を決める

▼「ザ・モデル × SLG」の課題まとめ
・受注数の拡大には、営業マンの増加が欠かせない。
・売上のトップラインを増やすためには、リード数を増やすしかない…⁉︎
・上記の場合、マーケ予算と営業の人件費が常に高騰し続ける。
・結果、LTVに対してCACが見合わなくなってしまうと、事業成長が見込めなくなってしまう可能性も。

そこでBtoBマーケにおいて大事になってくるのが「プロダクト」と「コンテンツ」です。

CAC高騰に対する解決策としてのPLGの流行

BtoBマーケターの頭を悩ませる「CACの高騰問題」。

特に、近年話題のcookie規制や、当たり前に高騰し続ける各プラットフォームの広告(リスティング広告,YouTube広告 etc.)を見る限り、順調な事業であってもCACが許容値を超えるは近づいていると言えるでしょう。

その解決策として昨今注目されているのが、「PLG(プロダクトレッドグロース)」です。

まずプロダクトに触れてもらい、顧客獲得をプロダクトの「内部」で行うというのがPLGの基本的な考えだ。

参考:次のSaaSトレンド!Slack、Zoomが実践する"Product-Led Growth"とは?

ただ、これは低単価商材だからこその戦略とも言えます。

ただ、中単価or高単価商材も常にCACの高騰の悩みは絶えませんし、加速していきます。

これからのBtoBマーケはCLG(コンテンツレッドグロース)が鍵に

そこで個人的に注目しているのが「CLG(コンテンツレッドグロース)」です。
これは完全にトレンドに乗っかった造語ですが、僕の中では以下のような定義のイメージです。

▼CLG(コンテンツレッドグロース)
・コンテンツがSNS上で拡散されることで、サービスの認知が広まる
・コンテンツのクオリティ(専門性)によって他社と差別化される
→有益性の高いコンテンツだからこそ、広告のCPAも圧倒的に低い
→結果的に、コンペのない指名受注が増える(アポ率/受注率⤴︎)
・コンテンツがクチコミ/紹介を生み、受注数が増え続ける

いわゆる従来のコンテンツマーケティングに原点回帰することがトレンドになると予想しています。

コンテンツマーケティングとの違いは?とよく聞かれますが、具体的な手法(how)ほぼ同義と言ってもいいかもしれません。ただ、概念としてのレイヤーは異なる認識です。
CLGは事業の成長戦略の中心にセールスではなく、プロダクトでもなく、コンテンツを据えることだと個人的には定義しています。

また、今までの「コンテンツマーケティング」は、特に日本においては、SEOメインのオウンドメディアの運営"だけ"のケースが実態としては多くみられました。

しかし、今後特に鍵になってくるコンテンツは「SNS」「動画」です。

コンテンツ=YouTube, TikTok, note, Twitter, オンラインセミナー etc.

そして、これらのよう「コンテンツ」は決してリード獲得だけに寄与するものではありません。

より洗練された、質の高いコンテンツは、アポ率や受注率、解約率などファネル全体に影響範囲も拡大していくでしょう。

その観点でも、SNSや短尺動画/長尺動画(セミナー)の活用こそがtoBマーケの次の鍵であり、逆にSEO記事はどんどん下り坂になっていくと言えるのではないでしょうか。

実際に動画で情報収集するビジネスマンも増えており、SAKIYOMIも自社のYouTubeチャンネルから3桁ものリード獲得に成功しています。
▼参考:Instagramマーケティング攻略_SAKIYOMI(YouTubeチャンネル)

もちろん来月からSEOが有効ではなくなるかと言われたらそんなことはありません。

ただ、SEO対策された記事は往々にしてコンテンツとして面白くないケースが多いです。言ってしまえば「検索意図は満たしているが、想定外の驚きや有益性はない」ケースが多いのです。

これがCLGとの相性が圧倒的に悪く、平均的なコンテンツを量産してしまうのです。
つまり、CLGにおいて肝になる記事は、SEOに特化した記事よりもSNSバズに特化した記事になるでしょう。(noteのようなイメージ)

すなわち、従来の画一的なSEOからの脱却も必要な時代だとも言えるでしょう。

CLGはサービス業と最も相性がいい

ここまでで、あえて「ザ・モデルからの脱却」や「CLG」のようなトレンドワードを使って解説してきました。

ただ、あくまでも上記は「0 or 100」の話ではなく、多くの企業が事業のフェーズや事業戦略に合わせてカスタマイズしながら導入していくことになるでしょう。

今までのように「固定化された営業モデル」から徐々に「自社に合わせた営業モデル」へとアジャストされていくタイミングと言えます。

そのような中でCLGと相性がいい商材をあえて上げるならば「サービス業」だと思います。いわゆるコンサルなどをはじめとする無形商材ですね。

サービス業においては「プロダクト=ノウハウに基づく戦略立案と実行支援」と言い換えれるかもしれません。

無形商材である以上、当然差別化しづらい特徴を持っていますが、そこで活躍するのが「コンテンツ」です。ノウハウをさまざまなチャネルで公開することで、プロダクト(サービス)の優位性を示すことができます。

そして一度、業界において「ノウハウの専門性がすごい」という第一早期をとってしまえば、サービス業において最も強力な差別化要因(Moat)になるでしょう。

ではCLGは、サービス業以外と相性が悪いのか?と言われたら決してそんなことはなく、いち早くサービス業でこのトレンドが加速しているという風に考えています。

参考までに、私が思うCLGによって成功している企業をあげておきます。
ここのコンテンツ参考にしてた、、という方も多いのではないでしょうか?

才流:https://sairu.co.jp/
ベイジ:https://baigie.me/
バズ部:https://bazubu.com/
ユーザベース:https://www.uzabase.com/jp/
アナグラム:https://anagrams.jp/
WACUL:https://wacul.co.jp/

まとめるとCLGの理想形は以下のような状態です。

追記:CLGのデメリットとは?
ありがたいことにたくさんの反響をいただく中でデメリットについての言及があったのでまとめると同時に考えてみました。
①コンテンツはアンコントローラブルな側面が強く、売上のトップラインを掌握しづらい
②そもそもコンテンツメーカーの採用やコンテンツ作成チームの組閣難易度が高い
③マス広告のような短期的なスケールには向かない(一定の時間がかかるケースが多い)

上記のようなデメリットも踏まえた上で、コンテンツを事業成長の主軸に据えたCLGによって全ファネルのKPIにレバレッジを効かせることを狙いつつ、同時並行でザ・モデル型のリードマネジメントをしながら売上のトップラインを意図的にコントロールしていくのが1つの事業の伸ばし方になっていくのかなと思います。

おまけ:CLGはPMF前の事業フェーズとも相性がいい

コンテンツの大きな特徴として、プロダクト開発よりも圧倒的に少ない工数でPDCAを回すことができます。

当然ユーザーのニーズを図るためのテストマーケティングとしても強力な効果を発揮します。無形商材であれば、サービスメニューの見直しに、ツールであれば機能改善やUX改善のヒントになるでしょう。

※追記:このnoteをより詳しく、そして2024年最新版にアップデートしながらYouTubeで解説しました。

YouTubeを見てみる

ちなみにチャンネル名は「CMO田中のBtoBマーケを語る部屋」の予定です。

この他にも
・BtoBマーケのリアルな戦略や裏側のデータ
・もっと早く知りたかったマーケのセオリー

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僕の発信(YouTube)のモットーは
3年間、BtoBマーケと事業成長にコミットしてきた中で

「もっと早く知りたかった、、」

と思う実践的なマーケの学びを発信することです。

1人でも多くのBtoBマーケに困っている方に届けたいので・・

もし参考になるなと思ったら、社内チャットやTwitterでシェアしてもらえると嬉しいです…!

▼YouTubeを社内チャットでシェアしてみる
https://www.youtube.com/@BtoBmarketing
▼Twitterをフォローして感想を引用RTしてみる
https://twitter.com/Ryu_nosukeee

まとめ

もちろん事業によっては、SLGやPLGが適しているケースもありますが、いずれの戦略にせよ少しずつ「コンテンツ」の役割は拡張されつつあると思います。

そしてプラットフォームも多様化することで、コンテンツの発信方法も多様化してきました。オンラインセミナーやYouTubeのような、動画/映像フォーマットはますます必須になっていくでしょう。

「ザ・モデルからの脱却」とは言い換えるならば、多くの企業が目指しているファネルの拡大による大量商談、大量受注の見直しの流れとも言えます。

もちろん究極系は「コンテンツによって営業が完結すること」ではありますが、まずは部分的に取り入れることから始まります。

ザ・モデル型の営業プロセスで、リードをマネジメントすることでボトルネックを改善しつつ、コンテンツを主軸に据えて全ファネルのKPIにレバレッジを効かせることで事業成長(CLG)に成功する、そういった企業は今後さらに増えていくはずですし、逆にそうせざるを得ない企業も出てくるでしょう。

これらの流れにいち早く適応した、自社にあった独自の「販売戦略」と「組織モデル」をアジャストすることが、2022年は多くの企業に求められます。

そう言った意味では、BtoBマーケターに求められることも、大きく変化する1年になることも予想されます。
(自社の業界、ビジネスモデル、事業フェーズ、ターゲット層にあった「販売戦略」と「組織モデル」の構築がミッションとなる。)

以上、「BtoBマーケにおいて今後は"コンテンツ"を軸とした事業成長(CLG)がトレンドになるのでは?」という話でした。

ぜひ、上記に対するご意見・感想をTwitterでも教えていただけますと幸いです。また、マーケ談義も大好きですので、お気軽にDMにてご相談ください。

追記:最後に少しだけ告知をさせてください。
▼SAKIYOMIのCLG実現に向けた取り組み
*ブログ:【#神回#勝手に分析】Instagram運用のプロが、どのようにアカウントを見ているのかお教えします。

*YouTubeチャンネル:Instagramマーケティング攻略_SAKIYOMI

*寄稿:マーケターが知っておくべき「2022年Instagram大予測」

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社員、副業、業務委託、インターンなど様々な働き方がありますので、ぜひお待ちしております…‼︎


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