四季とピアノ #1「笑われた」
#1 「笑われた」
2002年、4月17日。
僕は、生まれた。
元暴走族のリーダーの父と、
元レディースの総長の母の元に生まれた。
このふたりの元に生まれついたが、
僕は元々産まれる予定ではなかった。
というと、デキ婚だったのかとか、望まれない妊娠だったのかと思われるだろうが、むしろ逆だ。
うちの母親は、妊娠が出来ない体だったのだ。
医師に診断された確率は「0.00001%」
ふたりとも諦めたらしい。
しかも、母は、その可能性を高くする薬を拒んでいたらしい。
理由は、薬を投与すると、副作用の効果で何らかの障害を持って生まれてくるかもしれないから。
だから、母は、どれだけ苦しくても
赤ちゃんが欲しくても薬は投与しなかったらしい。
そして、叶わないと言われていた自然妊娠を起こした。それで生まれてきたのが僕だった。
そして子供の性別を聞いた母は号泣したらしい。
先生は号泣する母に向かい
「そんなに子供が出来るのが嬉しかったか。よかったね。」と言うと母は、
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