愛し君たちよ、出逢ってくれて有難う②
退院日の朝の話。
帰宅したら、ニワンコと会える。
たくさん撫でてあげて、夜はくっついて一緒に眠る。
そんなことを考えながら、その日は朝から、ワクワク、ソワソワしていた。
こんな日のBGMには、スピッツの『小さな生き物』が聴きたくなる。
やさしくて、愛が詰まった歌だなぁ。
スピッツは、20年以上前から好きなアーティストだ。
私がこの曲を好きな理由は、聴く人それぞれの「守りたい生き物」を思い浮かべながら聴けて、かつその対象への愛しさが溢れてやまないことにある。
それぞれにとっての「守りたい生き物」とは、
子どもかもしれないし、両親かもしれない。
恋人かもしれない。
大切な友人かもしれない。
そして、ワンコやニャンコかもしれない。
幸運なことに、今回の腎細胞ガンは早期発見だったので、私はまたニワンコとの暮らしに戻ることができた。
そして前よりもっと、ずっと、愛おしい。
ニワンコとのかけがえのない時間を大切にしながら、日々を丁寧に生きていく。
これは、ガンになって私が決意を新たにしたことのひとつだ。
でも本当は、腎細胞ガンになる前に、もっとちゃんと気づいておく必要があった…と今はいささか反省している。
仕事の忙しさから、ニワンコとの時間を幾度、後回しにしただろう。
ニワンコ、気がつくのが遅くてごめんよ。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ことなく、何度も、何度でも思い出そう。
みなさんの「守りたい生き物」は誰(何)だろうか?
ともに過ごす時間が突如として中断される日もあるし、そもそも無限に続くわけではない。
ともにある尊い時間、その一瞬一瞬を過ごせることは、決して大袈裟ではなく、本当に奇跡なのだと思う。
今日はお天気が良いので、母と姉とニワンコと近所をお散歩する予定。
今日のその奇跡を味わいつくそう。