ずっとあなたを照らすから#17

彼が亡くなった。
大学を卒業する数ヶ月前。
全校生徒が集められた。
そして理事長が彼の死を告げた。
そして彼が生前に遺した文があると言った。
私はその言葉を信じることが出来なかった。
そして私の名を呼んだ。
この手紙を読むにふさわしいと理事長が
言った。
「凪波光君、前へ。」
気がつけば
私は全身の力が抜けて、床へ
身を任せていた。
それからどれくらい時間が経ったかも
わからずに、やっと友達の力を借りて
前へと歩き出した。
大丈夫?大丈夫?という声を掛けてくれた
友達に、何も答えられず、
支えられながらマイクの前で
手紙を広げた。
私の目は海の中にいるかの様に
ぼやけて、滲んで
何度もそれを拭ってなんとか
彼の文字にピントが合った。
そしてその手紙にはこう綴られていた。

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