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ステークホルダーVPDの威力
ビジネスモデル・コンサルタント養成講座は、基礎編から始まり、3つの応用編、すなわちビジネスモデルを分析、仮説構築をするビジネスモデルアーキタイプ、顧客のニーズを把握するバリュー・プロポジション・デザイン(以下、「VPD」)、未来を予見し事業を構想するシナリオプランニング、その上に今回実施している上級編という構成になっている。上級編では、応用編の3つのプログラムを統合し、さらに実践することで定着させていく内容になっている。
3日目は、VPDの実践である。価値提案と訳されるバリュー・プロポジションは、通常、顧客に対する価値提案と捉えられている。しかしこの上級編では、実際の実務の中では必ず必要となるステークホルダーの巻き込みを目的に、ステークホルダーのVPDを行う。通常のVPDにひねりを加えた内容となっている。
実際、企業の中で新しい事業を推進したり、既存事業でも改革を行おうとすると、必ず反対勢力が生まれる。そのなかで権限をもっている人をどのように巻き込んでいくのかということについては、他の権力を活用するような、いわゆる「政治力」のほかに、その人のもつニーズを満たすような進め方をするというやり方がある。時には敵の主張を逆手に取って、反対できないようなロジックを組み立てて進めることもある。このときに、実はVPDが役に立つのである。
VPDプロセス
ここで、VPDのプロセスを簡単に紹介しておこう。VPDは大きくふたつのプロセスに理由にわけられる。ひとつは、カスタマープロフィールの作成である。ここでは、大将となる顧客の理解を深めるために、クリステンセン教授の提唱するJOB(顧客の購入動機)を明らかにし、購入に伴う嫌なこと(Pain)と、購入によって得られるよいこと(Gain)とを書き出していく。
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左の四角がバリューマップ、右の丸がカスタマープロフィールとなる
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