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【2019】 第10節 ベガルタ仙台戦 レビュー

ゴールデンウィークの満員の等々力。これ以上ない最高な条件で仙台を迎えいれたフロンターレ。試合は順調な滑り出しであまり引っかかることなく3−1で幕を閉じた。だが、1点を与えてしまったことに対して谷口は『相手を勢いづけるような失点はしてはいけない。』と振り返った。

奈良が負傷により長期離脱を余儀なくされたが、『今は奈良が安心して足の治療に専念できるような結果を届けることが大事。そういう意味でも勝ててよかった。』(谷口彰悟)と勝利を報告できて良かった。

さて、今回のラインナップはこちら。

①『今回ヤスとアオとはじめて公式戦でトライアングルを組んだが、常に練習からやっているし、歳も近いのでお互い気を遣うことなく流動性を出すことができた。』(守田英正)
結果を出した”新生川崎トライアングル”。しかし浮かんできた課題とは。
②『ヤストは練習からやりやすさを感じている。』(小林悠)
君臨した脇坂。2つのゴールシーンを振り返る。

以上の2つです。では。

①『今回ヤスとアオとはじめて公式戦でトライアングルを組んだが、常に練習からやっているし、歳も近いのでお互い気を遣うことなく流動性を出すことができた。』(守田英正)
結果を出した”新生川崎トライアングル”。しかし浮かんできた課題とは。

前節の神戸戦でスターティングメンバーに入ると予想されていた脇坂だったが負傷のため持ち越し。その出番が今節となったが、”初スタメン”とは思えないほど彼は落ち着いてプレーしていた。

そんな”初スタメン”を当の本人にはこう振り返っている。

『僕自身、スタメンの方がやりやすいので、気にせず入れた。去年の後半から感触は良かった。出たらやれると思っていたし、気持ちを切らさずにやろうと思っていた。』

フロンターレのサッカーは同じ”絵”を描くことが難しいというのは選手たちの中で1つの大きな壁だが、脇坂はその壁にすらストレスを感じずにプレーしていたように思える。

確かに下部組織で育ち、昨季1年間という時間でフロンターレのサッカーを理解して周囲の選手たちの特徴を理解したというのも少なからず影響しているかもしれない。だとしても、あのようなプレーが公式戦で簡単に出せるというわけではない。

パスに関することでも、出しては受けてをコンスタントに繰り返し、相手の間に顔を出す機会も多いように見えた。

今までは中村、家長などがトップ下に名を連ねてきていたので、このように中盤のトライアングルが若手で組まれることはあまりなかった。

そんないつもと違う中盤に関して守田は『ポジションを見つけていろんな選手が入っていけたので、そこはまた違ったフロンターレの中盤の形でよかったかな。』と言っており、ボランチとトップ下の関係性がきちんと整理されていた。

攻撃面では終盤に取り消しとなってしまった田中のゴールのようにボランチの選手がトップ下の選手を追い越せる状況が作れていた。あのプレーはリスク管理がうまくできていなければ、リードしているとはいえ大きなリスクを背負ってしまう。

そして、守田は『全体のゲームメイク、落ち着かせたりコントロールする部分は、僕もアオもまだまだ甘いと思う。』とこの部分をポイントにあげた。

守田と田中というコンビの中でどちらが舵を執るのか。そこがあまりうまくいっていないようにこちら側には映ってきた。

大島とどちらかというコンビの場合は大島が全体のバランスを見て舵を取っているが、この試合に限定していえば、守田と田中はそこの部分に課題がある。

『攻撃で点を取れたので多少落ち着けた部分はあるが、あれが入らないと焦れてくる展開も出てくるかもしれない。とくにこれから夏場に入っていくと、攻守でしかける場面とステイする場面を使い分けないと自分たちもきつくなってくる。』(守田英正)

勝っている状況だったが故に前へ前へという姿勢になってしまったが、それをコントロールしてこそ川崎フロンターレのボランチである。

脇坂も含め3人の若き選手たちの成長に期待したい。

②『ヤストは練習からやりやすさを感じている。』(小林悠)
君臨した脇坂。2つのゴールシーンを振り返る。

今までも出場さえあったが、長い時間ピッチに立ったというわけではなかった脇坂。そんな彼がトップ下に入り、どういうプレーをするのかという期待が高まっていた中での2アシスト。チームを勝利に導いてくれた。

そんな2つのアシストを振り返っていこうと思う。

1点目は小林が『ああいう動きをすれば出してくれると思っていた。』と振り返るように脇坂との”絵”の共有ができていたからこそ生まれた得点だった。

状況的にはエリア内で小林の付近にはディフェンスの枚数が多かった。ただ、それでも『意外とセンターバックが距離感が近くもなく、遠くもなかった。』(脇坂泰斗)

脇坂は『遠かったら自分で打とうと思っていた。』と言っており、得意なミドルシュートも考えに入っていたという。だが、『ユウさんは左側で背負っていたので、これならいけるなと思って出した。』と振り返っている。

あの狭いエリアでしっかりと縦にパスをつけられる判断力は評価に値するだろう。結果的には相手の判断が遅れ、小林のゾーンと化した。

あのシュートはゴールキーパーからしても中々難しいシュートだったはずだ。『止めてから速かったと思う。止めてからすぐに打つのが自分の良さ』と小林が言うように、タイミングをずらされたシュートを止めるのは難しい。

相手からすれば度肝を抜かれるシーンだったはずだ。

次に2点目を振り返っていく。

『最初は、マナブくんからもらった時にシュートを打とうと思った。』と脇坂はこのシーンも初めはシュートを考えていたという。ただ、『そこでクロスをあげたら相手に当たるなと思っていた。』とここでも冷静な判断をとった。

『ディフェンスを待ってから、そこで仕掛けた。2人とも見えたが、頼むという感じで出した。』(脇坂泰斗)

寄せてくるディフェンダーに対して上手く対応していて、初めシュートとクロスを警戒していた相手もあそこまでえぐらせたくはなかったはずだ。

『得点場面は、前半から右で崩してクロスというのはあった。ファーサイドにポジションをとっておけばチャンスになるかと思っていた。』(長谷川竜也)

小林にマークが集まるのは当然なのでそこを巧く使って得点できた。

長谷川はああいう位置にポジションどりができる選手なのであのような場面がよく見る光景でもある。そういう意味で言えば、『結果は自分に与えてくれるものが違うので、点が取れて良かった。』と彼が言うのが納得できる。

激しいスタメン争いの中で結果を出し続ける彼らがチームをより活性化させる。

(RYUJI.I)

参照:

川崎フロンターレ公式HP

DAZN

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RYUJI.I
サッカーライターを目指し投稿中。 更新頻度は異なりますが、思ったことを投稿していければ。 川崎フロンターレを応援しています。