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第32節 C大阪戦 レビュー

連覇。過去4チームしか成し遂げていなかった偉業だ。

さて、本日のラインナップはこちら。

①『失点のところ、カウンターだったり、自分達のミスからの失点。』(車屋紳太郎)。簡単に破綻した守備。鍵は1試合を通しての集中力。

②”小林依存”をはっきりさせてしまった攻撃陣。多彩な攻撃パターンを作らなければならないわけ。

以上の2つです。

では。

①『失点のところ、カウンターだったり、自分達のミスからの失点。』(車屋紳太郎)。簡単に破綻した守備。鍵は1試合を通しての集中力。

前節は完封したが、それ以前の公式戦2試合は連続して3失点していた。実際、ここをフォーカスする声も多く、簡単に流していいような問題ではない。

リーグ戦に限定すれば、3試合での失点は5点。ここは最も反省しなければいけないポイントである。

『覚悟して試合に入ったが、特に失点のところ、カウンターだったり、自分達のミスからの失点。』(車屋紳太郎)。この試合でのフロンターレは少し慎重過ぎたというところがある。そういう意味で言えばもっと大胆にいつも通りのゲームの進め方をしたかったところだ。

ただ、阿部が『ラスト3試合となるとやはり多少の難しさは感じた』と言うように雰囲気的な部分で気負いしてしまったのは否めない。

失点シーンは杉本と山村の2つとも簡単に破綻してしまった。

杉本のゴールシーンを振り返ると、サイドのスペースと中央のスペースをいとも簡単に崩されてしまっている。丸橋が杉本にクロス性のボールを当てたことによって、奈良がどうしても杉本に対して重心がかかってしまう。

この時点でエウシーニョが戻り送れているので、中央は数的同数ではあるが、田中の方にスペースができてしまい、田中が余裕を持ってボールを受けることができた。

キムジンヒョン→丸橋→杉本→田中→杉本と関わる人数が少なく、簡単に崩されて与えたくなかった先制点を相手に与えてしまった。

その前のプレーでエウシーニョは攻撃参加していてかなり相手陣地の深い位置にいた。なので、カウンターではないが、シンプルな攻めの構築をされてしまった

2点目の山村のシーンだが、『勝ちに行くというか、守る必要はないと思っていた。』とは中村の言葉で、実際に90分にPKで追いついてからは前に、前にという意思を読み取れた。そして、その分後ろが手薄になるのは承知だったはずで、「引き分けよりも勝って優勝したい」という選手たちの想いが強かった。

そして、齋藤が左サイドでバックパスを放った際に相手選手の腕に当たったというセルフジャッジをしてしまい、ここから杉本にパスを繋がれ、その杉本に中央を通されてしまった。

福留にパスが出た段階でこちらのディフェンスは奈良と守田のみ。最後、戻ってきてはいたが、時すでに遅し。山村にトドメを刺されてしまった。

中村は『自分たちのところから逆にミスして失点してしまったことはまったくもっていただけない。』と悔やんでいた。

2得点とも簡単な崩し方をされており、『1試合1試合を大事にやっている』(鈴木雄斗)からこそ、もっとチームとしての集中力や全員が失点に対して強く意識していかなければならない。そして、あのような崩し方をされ続けていたら、今のJ1最少失点という位置にはいられなくなる。

幸運なことにリーグ戦は残り2試合残されている。試合で出た課題は試合で解決しなければならない。

②”小林依存”をはっきりさせてしまった攻撃陣。多彩な攻撃パターンを作らなければならないわけ。

先日の柏レイソル戦で小林が「左眼窩底骨折」と診断されて、この試合の欠場を余儀なくされた。

この影響で前節左サイドバックで先発に名を連ねていた登里が車屋の復帰により左サイドハーフに移り、一方で、普段左サイドハーフを務めている阿部がワントップに入る形となった。

阿部は昨シーズンもワントップを務めていたことがあるので、比較的違和感なく試合を進められていた。

しかし、35分前後に登里が負傷してしまい、交代することになってしまった。この交代のカードは注目していたが、それは同サイドアタッカーである齋藤や長谷川、鈴木でもなく知念が呼ばれた。

鬼木監督は知念を投入し、ワントップに配置して阿部を左サイドにスライドさせるという策を執った。

ただ、この交代で劇的に変わったことはなく、何か物足りなさを感じてしまった。

そこからは”小林依存”を感じ取ることができた。

小林は今シーズン15得点を挙げており、チャンスの量からしてももっと得点できたというくらいだ。

そんなエースの不在を露呈してしまった攻撃の迫力。阿部や知念が劣っているというわけでは一切ないが、この試合ではPK以外にも得点を奪わなければならかった。欲を言えば攻撃でも守備でも圧倒して勝たなければならなかった。

攻撃のパターンに関してももっと多彩でなければならなく、どこからでも、誰が出ても、ゴールまでの絵が同じものを描かなければならない。

そういう意味で言えば、『誰が出てもある程度結果を残せるチームになってきた』(中村憲剛)からこそ、誰かに依存するということではなく、代わりに出場した選手が結果を残したことで、今シーズンチームとして崩れることなく年間を通してしっかり戦えてきた。

ただ、現実を見れば【次世代】の問題が浮かび上がってくる。決して、今の戦力の軸に頼るなというわけではないが、”次”を見据えた時に一番の難題が「世代交代」である。

ここを失敗してしまったら一気にチーム力が落ちていってしまう。だからこそ、”依存”しない戦い方でまた来シーズン戦っていくことが”王者”の課題であることは間違いない。

(RYUJI.I)

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RYUJI.I
サッカーライターを目指し投稿中。 更新頻度は異なりますが、思ったことを投稿していければ。 川崎フロンターレを応援しています。