未来へと繋ぐ魔法の物語。D.C.5感想【記事後半ネタバレあり】
先日switchで『D.C.5(ダ・カーポ5)』全ルート制覇しました。
クリア後軽くロス状態になるくらい面白かったので、拙い文章ではありますが感想を残しておこうと思います。
なお筆者はシリーズのうち「4」「4FD」のみしかプレイしてないのでご了承ください。
全体的な印象
前作と比べると「和風レトロ」「ファンタジー要素強め」といったところでしょうか。
舞台設定は場所こそ香々見島ですが時代は1960年、つまり高度経済成長期。背景や登場する道具(ラジオやらベーゴマやら)が時代を感じさせるだけでなく、BGMも落ち着いた雰囲気のもの多めで、なんだか逆に新鮮でした。
また主人公が魔法使いとして特訓していたり、一子相伝の魔法の存在が明言されるなど、「魔法」の存在が主要キャラたちにとって馴染み深いものになっているのも作風の違いに大きく関わっています。
前作では魔法の影響を受けた人物は多いものの、それを行使する側の人間は少な目だったので…
ファンタジー要素が前面に押し出されていて、前作とはまた違った魅力のあるストーリーでした。
システム面
システム面、というか物語の構成にも変更がありました。
ヒロインの数が(サブヒロイン3人含めた)8人から5人に減少。さらに前作の3部制は廃止され、共通ルートを見た後個別ルートに移るというシンプルなものになりました。
その結果、シナリオ全体における個別ルートの比率が大きくなりました。こうなった理由は分かりませんが、前作の個別ルートが比較的短かったのが賛否あったのでしょうかね…。
筆者はこっちの方が好みです。「4」は告白シーン後の恋人として過ごすシーンが少な目で、少々物足りなかったので。
(まあそのおかげで後日談の「4FD」の価値が上がっていたので、商業的にはいい方法なのかもしれないが…)
シンプルにはなりましたがボリューム不足は感じなかったのでそこはご安心を。
ストーリーについて
各ルートのネタバレ感想は後で書きますが、総合的には面白かったです。
ヒロインが5人までに絞られたことで、どのルートにも大きく盛り上がるシーンがある上、先述したように個別ルートそのものがボリュームアップしたことで楽しいシーンもシリアスなシーンも盛りだくさんになってます。
そしてストーリーへの没入感をさらに高めてくれるのが声優さんによるボイス。前作に負けず劣らず声優さんが豪華で、楽しいシーンでははっちゃけた演技で笑わせてくれますし、シリアスシーン・感動的なシーンでは感情のこもった演技で雰囲気を引き締めてくれます。
あと「4」「4FD」と繋がる要素が多いのも考察大好きな筆者にとっては大きな魅力でした。実際には考察と違う衝撃展開におったまげましたが(笑)
【ネタバレ】各ルート感想
以下ネタバレを含みます
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白河あいかルート
常坂家の問題が一切触れられない代わりに、あいかの成長に全集中したストーリー。
影武者であることが明らかになってから印象が大きく変わる彼女ですが、ちょっとポンコツだけどどこまでも一途でまっすぐな、魅力的なキャラとして描かれていました。
個人的にはめっちゃ好みなヒロインです。作中で創真も言っていた気がしますが、灯莉や母親のために精一杯頑張ろうとする姿に惹かれました。
実は「4」で登場する月見団子の看板メニュー、「水鏡餅」の誕生秘話だったというオチも含め、きれいにまとまったストーリーだと思います。
灯莉と母親が病気ということでハードな展開があるのではないかと戦々恐々としていましたが、そんな展開はなくて一安心。
少し脱線しますが「5FL」のサイトで灯莉がさもメインヒロインの一人であるかのように扱われているのですが、あいかルート以外のパスでも登場するんですかね?ヒロイン昇格したら面白そう。
常坂雪奈(常坂せつな)ルート
最推しです。
『推しの子』の黒川あかね然り、『お隣の天使様』の椎名真昼然り、石見舞菜香さんは儚げなキャラのシリアス演技が上手すぎる。
手紙シーンではそれが顕著で、文章の言葉選びの切実さ(これにはライターさんに感服)も相まって泣いてしまいました。雪姉、健気すぎるよ。
他には日常シーンで好意をストレートにぶつけてきたり、イタズラや他キャラへのいじりをしている時に非常に活き活きとしていたりなど、お姉さんキャラでありながらどこか子供っぽい性格なのが、「4」のそら姉(諳子)とはまた違った魅力を感じさせました。
彼女の消滅は阻止出来ましたが、魔法の代償の問題は解決していないようなので、後はどうにか創真がせつなの寿命をどうにかしてくれることを願うばかりです。
八坂可子ルート
魔法に関するアクセサリー作りが得意ということから、「4」「4FD」で二乃が言及していた「お師匠さま」は恐らく彼女のことでしょうね。
プレイ前は「個性的な面々に振り回される兄を気遣う、優しい妹」みたいなな感じかと思いきや、創真にもわりと当たりが強かったのがちょっと面白かったです。
あとコミカルなシーンでの喋り方が好きです。中の人も相まって四宮かぐやっぽさを感じる。
一方で、急に創真に甘えるような言動や、姉に対するコンプレックスを感じさせる言動をとることもあり、明るいだけではない、色々な顔を見せてくれるキャラでした。
6年前は黒無を前に何もできなかった彼女が、今度は自分の力で退けることができたというのは、彼女にとって大きな成功体験になったのではないでしょうか。
…とはいえ、雪姉がぶっ倒れたままなのは果たして大丈夫なのだろうか。可子が対処した黒無は残滓のようなものと愛乃亜も言ってたし、根本的な問題が軒並み放置されている点だけちょっとモヤっとしました。
その辺の事実(黒無が創真の体を浸食していることとか)は別ルートで明らかにしたいという制作側の意図も理解できるので、「5FL」で補完してくれることに期待したいです。
八坂愛乃亜ルート
「4FD」では態度がでかく、かつ理屈っぽい話し方をするのであんまり良い印象を抱いていなかった愛乃亜ですが、蓋を開けてみれば作中屈指の聖人でした。特に可子ルートで妹を励ますシーンが良かったです(お風呂のシーン。愛乃亜ルートの話じゃないけど)。
体育祭のエピソードでは、自身以外のルートであまり見られなかった普通の学園生活へのあこがれを見せる場面があったり、彼女になった後は照れまくっていたりと妹に負けず劣らず様々な一面を見せてくれました。
シリアスパートについても触れると、パス移動のために記憶を代償にしていたのは結構衝撃でした。一番大事な記憶が抜け落ちた状態で、焦りに促されるまま解決策を見つけようともがいているって、なかなかエグい設定だと感じるのは私だけでしょうか…。可子ルート・あいかルートの彼女は大丈夫なのだろうか。
あと一つ気になったのが、結局マナの桜(想秤の桜)を植えた末来の創真はどのパスの彼だったのかということです。魔法使いとして色々やってそうなのは瑞花ルートの創真ですが…続編以降で新しい情報が明らかになることを期待しましょう。
桜来瑞花ルート
言いたいことは色々あるのですが、まず言いたいのは文化祭前後のギャップがすごい。めちゃくちゃグイグイ来るので破壊力がとんでもなかったです。「もうはよ付き合え」と悠斗みたいな気持ちで読んでました。
見た目や専用bgmから「絶対有里咲と関係あるんやろなぁ…」と思っていましたが、まさか1000年生きてて、有里咲が(孫じゃなくて)娘なのは予測できませんでした。血縁上だと有里咲が一登の叔母になるのは笑う。
有里咲が玖星家の魔法であるナギの魔法を使え、そして創真が作った懐中時計を持っていたのはそういうことだったのかぁ…ってなりました。4の未回収の謎がきれいに回収されていくのは読んでいて楽しかったです。
「瑞花は創真に逢ったことがあるけど、創真はまだ会っていない」という言葉の真相が結局分からなかったのですが、これから分かるんですかね?
瑞花の回想シーンでは創真らしき人物が登場していましたが、どうやって彼女に会ったのかが謎。
あとラストの再会シーンも謎だらけでしたね。彼女が懐中時計を見た瞬間に記憶が戻ったような描写になっており、有里咲ルートのラストを彷彿とさせますが、結局どういう方法で再会できたのかは後日談でも明らかにされず。「FL」で分かるといいな。
後日談・D.C.
「4FD」と綺麗に繋がるストーリーだったので楽しかったです。ファンディスクまで買っておいて良かった。
創真と若い頃の常坂元(一登の時遡の魔法に対抗するシーン)の姿が酷似していたので「創真=元」というのは予測できていましたが、急に創真がcv杉田智和で喋り出したのは笑いました。なんかD.C.でも表情差分つきで喋るし。
あと愛乃亜(亜子)が一登のおばあちゃんなのが驚き。ということは創真は愛乃亜と結婚したってことかな?だとすると一登も有里咲も創真の血が入っていることになってしまって複雑なことになるけど(笑)
瑞花と別れた後、愛乃亜(亜子)と創真(元)が具体的に何をしているのかは語られなかったため、「FL」か次のナンバリングで何かしら新展開がありそうで楽しみです。あとシンプルに一登&有里咲の物語の続きが見たい。
...…ということで長くなってしまったのでこの辺で終わりにしておきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
p.s. ダカーポポータルの地図を見て思ったのですが、想秤の桜があった位置にワンダーランドが建設されたのは何か意味があるのだろうか…?
ここまで読んでいただきありがとうございました。 寂しがりぼっちなのでスキを頂けると大変励みになります。モチベ爆上がりします!