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「余命〇年」系の作品ってずっと人気だよね

書店に行くたびに思うのですが、
余命わずかな人物が登場する本って、ずっと人気ですよね。

ライト文芸(?)のコーナーに行けば必ず目に入る場所にありますし、定期的に話題作も生まれています。

もはや「ミステリー」や「青春もの」などと肩を並べる一大ジャンルとして、
不動の地位を築いている印象があります。

かく言う私も、
『君の膵臓を食べたい』
『君は月夜に光り輝く』
などの作品は大好きです。

「ヒロインがこの世を去る」という展開は分かっているのに、
その別れの描写・表現が秀逸で、気づいたら涙が出ているんですよね…



こういう「余命○年」系の作品の最大の魅力って、
我々読者が「死」という存在そのものに向き合うことができる点
じゃないかな〜と思います。

というのもこの手の作品のキャラクターたちって、唐突に人が死ぬミステリーとは違い
死ぬ前から「死」の存在を意識するんですよね。

余命宣告されたキャラは残された時間をいかに過ごすかを考えますし、

彼/彼女を取り巻く人たちも、残された時間で何を与えられるかを考えます。

そして、読者はそんなキャラたちに共感しようとする過程で、
「自分たちもいつかは死ぬ」
ことをなんとなく意識することになるわけですが、

これって、結構貴重な体験だと思うんですよ。


今の社会は、
「人生100年時代」
「長期的なキャリアプランを考えよう」
みたいな、年老いるまで生きることが前提の考えがとても多い。

どれも根底にあるのは、
「たくさんある時間をどのように使用するか?」
という疑問です。

しかし現実はそこまで単純ではありません。

お金と違って時間は病気やケガで簡単に失われるし、

極論、我々は明日死ぬ可能性もゼロではないわけです。
(南海トラフ地震だって、いつ来るか分かりませんし。)


現代の価値観は、このような
いつ襲ってくるか分からない死の存在(、あるいは限られた人生の時間)
をついつい忘れさせてしまいますが、

「余命○年」系の作品は、忘れられた「死」を思い出させてくれます。


読者は余命わずかなキャラに感情移入することで、
「死の間際」を疑似的に体験できます。

そして、死にどう向き合うかを考えることができる。

その結果、
「一日一日を大切に生きよう」という気持ちになれる。
時間との誠実な付き合い方ができるようになる。

その物語がフィクションであれノンフィクションであれ、
人生についてのバイブルになってくれるわけです。


おそらく、「余命○年」系の作品は
人が永遠の命でも手に入れない限り、ずっと人気であり続けると思います。


…というわけで、小説ついてのただの雑談でした。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

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ふんまつスープ (のすけ)
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