Solverの仕組み
Piosolver,GTO+などポストフロップの戦略を計算するソフト
MonkerやSimple preflopなどプリフロップの戦略を計算するソフト
がある。Solverなんて偉そうな名前が付いているが事前に設定した戦略のEVを計算するだけの単なる計算機である。
これらの計算機がどのような過程を経て計算結果を出力しているのかを簡単に説明します。
人間は「なんとなく経験則で」という調整が出来ますがコンピューターはそんな事はまだ出来ません。
計算の設定をするとまずは全ての分岐を等分で扱います。
樹形図(ツリー)
設定によりますがこのような樹形図が作られています。Piosolverでも同じ。
これはflopだけでターン、リバーのそれぞれのカードに対して同じように枝が広がっていきます。
簡易的な計算過程
ポストフロップの計算は複雑なのでプリフロップだけのゲームで説明をします。(SimplePreflopでの実際の計算過程ではこれは出てこないです。計算開始すると一度設定をサーバーに送ってそれっぽい感じのところから計算を開始しているようです。)
例 HU 6bb All in or Fold rake2%
まずは全ての選択肢を等分にとります。
このレンジ同士で計算をします。
EVを確認して降りた方がいいところは降りるようにします。
SBはFoldで-5、BBはFoldで-10なので
SBは全レンジでpushできます。
BBのcallが-10以上のレンジはこのようになります。
お互いの戦略が変化しているのでEVも変わりました。
これを参考にお互いの戦略を変化させます。
でEV確認します。
戦略変更します。
EV確認します。
戦略変更します。
を繰り返していくと。
このような計算結果になります。
これはお互いがEV最大になるように戦略を変えていってこれ以上はお互いに変えられない戦略になっています。これを均衡戦略と言います。
相手が均衡戦略からズレたら搾取的な戦略が存在するというだけで『均衡戦略=最強の戦略』という訳ではない。
BBのcallレンジを固定して計算をすると
SBは96oを頻度でpushしなくてよくなる。
そんなSBに対してBBは
97oを守らなくなる。
このようにズレた相手に対してカウンターを当てる事によって相手のEVを奪う事が出来る。
計算機の利用方法
計算機では相手の戦略を固定して最大搾取(最大EV)戦略を計算する事ができる。ノードロックというものだ。
BB側のレンジをこのように少し広く固定してみる。
これに対して最大搾取戦略を計算すると
Pushレンジは狭くなる。狭くなっているが強いハンドのEVは高くなっているのでレンジ全体としてはEVが増えている。
今回の説明では単純な計算モデルを利用したが複雑な設定を要するものであれば初期の設定によって計算結果は変化する。
ポストフロップの計算をする場合は事前にお互いのプリフロップのレンジを設定するがそこが変わっても当然に計算結果は変わってくる。
相手の戦略は相手が決めるものです。それにどのように対応していくのか考えるのが知的ゲームではないでしょうか?
計算誤差について誤解している人がたまにいます。
混合戦略でEVに差があるのは計算誤差でしかないです。
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