寿(親友へ）

2月12日
突然のショートメールで由里子さんから
寿君の重篤な状態の説明を受け
ICU内での面会のあとも
奇跡の回復をご家族とともに祈るも叶わず
帰らぬ人となり、本当に悔しくて悲しくて寂しい
心にぽっかりと穴があいた状態で今ここに
立っています。

寿、くやしがったべ、つらがったべ

寿君との出会いは大館一中に入学し、1年4組の教室です。
そこから、バレー部にも一緒に入り切磋琢磨しましたね。

高校は寿が鳳鳴、僕が秋田と離れてましたが
大学3年、寿が東京に来てから
交流が再開し、ふたりとも大館に帰ってきてからは
さらに交流を深め
以来40年間、親交を温めてきました。

ひさし！
こうして語り掛けるのは結婚式のスピーチ以来だね。
30年前のあの時と同じく今日も寿の顔をみてはなすよ。
あの時の寿は自分で選んだこだわりの白のタキシードで
最高の笑顔でこっちをみてたね。
あの時も寿との想いではたくさんあったから
本当に原稿なしでした。
顔をみればよどみなく楽しい思い出にあふれていたから。
今日も原稿なしでも際限なく語り続けられるけど
ありすぎて話まとまらないと困るし
祭壇にお供えするから書いてきたよ。
でも、今日もまた原稿読むではなく、君のその笑顔にむかって話すよ。

あの時は、終わってから沢山、寿に褒めてもらったけど
今日はどんなに一生懸命はなしてももう褒めてはもらえないな

寿、あの時君がうたったのは
Get along together

由里子さんを横に座らせ得意げにスターのように堂々歌いましたね。

Forever, We can get along together

あまりに短すぎるよ、ひさしのForeverは。

誠実、親孝行、愛妻家 、親ばか
寿を表す言葉です。

私が進路に悩み、
秋田に帰りたくないと愚痴った時
りゅうすけ、だめだーそれは
親は大事にさねばだめだ
親裏切るな
と説教されました。
その言葉が無ければもしかしたら
私は今大館にいなかったのかもしれません。
今新築した家も
母さんが無くなる時に新しい家に住みたかったと
いった言葉もあり、建てたと聞きました。
僕らの世代にはないぐらいの

THE昭和な
親孝行な君でした。

そんな君でしたがゆりこさんと出会い
航大君が生まれてからは
愛妻家と，親ばかが君の代名詞になったね。
教育パパにすっかりなった君は
見事にとんびが鷹を産んだように
航大君をゆりこさんとともにそだてましたね。
超優秀で立派な大人に成長したけれど

教育パパやる期間
まだ、足りないよな。

航大君の将来をもっと見てがったべ。

航大君が大学で東京いってからは
家で、

ばがくしぇ、つまらねって
航大君ロスになってましたね。
他のどのおとうさんより深い愛情を注いだろうけれど
短いよ。

大学時代 ギヤラと寿がぼくのアパートに
遊びにきたのに、
僕が彼女からお誘いがあり、急遽
梅が丘の駅に強制的に送っていったときは
その後10年ぐらい怒られました。
友達より彼女とるなんてサイテーだ、
あれはねーな、りゅうすけ、って

でも航大君の成長とともに君は
家族一番で俺らの誘いにもあんまり
のらなくなったね。
昨年末も誘いに返事もこなかったけど
あの時もう体調わるかったんだもんな。
気付いてあげれなくてごめんよ。

もう、叱ってももらえないね。

寿、一番悔しいのは寿だよな
新しい家もまだ住み慣れてもいなく
自分のセンスに酔いしれる時間もなかったな。
っていうか、家もちゃんとみせてもらうまえにいっちまったな
壁紙やら床材を眺めながら、これが寿のこだわりなんだなーと思ってみてきたよ。
センスの良い、いい家だな、寿。
早すぎる！！てかあさんと父さんにおこられでねーが。


寿、秋田に来てからは数年に一回だけど
私の家で麻雀をしましたね。
くだらない、ダジャレのオンパレードでしたが
腹の底からゲラゲラと笑い転げながら
テツマンしましたね。
寿いねば、ギャラダントツのドベなってしまうべ。
俺に勝ち逃げさすなよ。
まだいがいねーけど
そっちいって面子揃ったらまたやるから
すこしは勉強して腕みがいとけ。

寿、4人でディズニーランドいったの覚えてるが
くった長い列さ、並びてぐね
ばかくしぇ
といったきり不機嫌になった寿
ご機嫌とりのために僕たちは
君のためにアイスクリームを買ってきたよね。
そういう子供っぽいところあったよねー。

中学校の時
うちの学年のバレー部ジャージをつくるときも
紺色に薄い水色1本線のジャージをつくったんだけども
あの時も
おれはこれでねば、あどいらね、つぐらね、っていって
そういう空気読めない自分勝手なとこありましたね。

でもかっこよくてな
そのしゃがれ声にあこがれてたよ。
とにかくもてたしなー
そして、同学年の中で最も有名な
美男美女カップルだったよね。

所有物にこだわりも強い
お洒落さんだったけど
航大君の成長とともに
自分には本当に関心なくなり
息子にしか関心ない感じでしたね。
本当に親ばかでした。

ひさし、
ゆりこさんも、航大君も
うちら同級生みんなで
これからもずーとフォローしていくから
そこは心配するな。
ゆっくりやすんでけれ。

この度は突然のことで、ご家族の皆様においては、いかばかりかと察しております。
寿君、たくさんの笑顔をありがとう。
寿の教えもわすれずに寿の分もうちらまだ頑張るから。
応援してけれな。

せば、まんつな