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大胆に働く時間を減らしたら生産性と健康はどう変化するのか #研究報告書
ランサーズ新しい働き方LABの研究員第1期生、イギリス在住フリーランスの井元(イモト)です。
長く働けないハンディキャップを抱えてることから、
2017年から1日4時間だけ、好きなときに、好きな場所で、好きな人と、好きなことを仕事にして、自分も周りも幸せになる
「好き4」
という生き方を自分でも実践すると同時に、そのやり方も伝えています。
もともと体が弱かったことから、働き方には人一倍、関心があり、今回、ランサーズから、新しい働き方LABの研究員第1期生の募集があり、応募したところ、採用していただいたので、新しく実験する働き方を発表します。
期間は2021年6月から11月までの半年。
テーマは
大胆に働く時間を減らしてみたら生産性と健康はどう変化するのか
です。
◆実験の目的と背景
背景:
背景は2つあります。
1.長期休みがないフリーランスこそセミリアイアが必要
フリーランス流セミリアイアという新しいキャリアの提言です。
フリーランスとしてセミリタイアを数年間(キャリアの中断)することを最終目的に、とは言ってもいきなりセミリタイアをするのは、働く時間が売上に比例するフリーランスには怖くて精神的にも良くないので、一気に仕事を辞めるのではなく、仕事を段階的に減らしていくのがいいのではないかと仮説を立てました。
ただ、今回は実験で、大きな変化があった方がわかりやすいので、本実験では、大胆に働く時間を減らし、仕事を減らすと生産性はどう変化するのか、それに伴う精神面への影響を調べようと考えました。
そもそも、なぜフリーランスがセミリタイアをするのか
フリーランスは個人の活動で、研究者も同じように基本的には個人での活動で、似ているのですが、研究者にはサバティカル休暇(長期勤続者に対し、休暇理由に関係なく与えられる一定期間の長期休暇のこと)があります。
一方で、フリーランスに長期的な休みはなく、ゆくゆくフリーランスもその流れがやってくるんじゃないかと考えています。
調べると、大企業でも2021年からサバティカル休暇を導入してるニュースがありました。
全日空が「サバティカル休暇制度」導入 4月から無給休職、最長で2年可能に
個の頂点を極めるプロアスリートでも怪我を理由に、長期休みをせざるをえない状態になったにもかかわらず、怪我からの完全復帰後はそれ以上の活躍をするということもよく見かけますよね。
フリーランスで同じ仕事をずっとやり続けても良いのですが、どこかで何かしらの休息や別の活動をする必要があるのではないか、リフレッシュする期間があると、長期的に見て、より活躍できるのは?そう思ったのです。
フリーランスはまだ働き方ができてから10年ほどしか経っていないので、フリーランスならでは、つまりフリーランス流のサバティカル休暇(セミリタイア)の知見が必要です。
フリーランス流セミリアイアへの準備として、働く時間の減らし方、それによる生産性と精神面への影響、がキーワードになります。
2.健康をおそろかにしていませんか。
フリーランスは個人での活動で働こうと思えばいつでも働けて、逆に一人ブラック企業という言葉があるように働きすぎることもできます。フリーランスは比較的、自分が好きなことや得意なことを仕事にしてるため、ストレスは少なく、ここではどちらかというと精神面ではなく肉体的な疲れを指します。
フリーランスは一人での仕事が中心のため、いっそう、健康マネジメントが欠かせません。
働く時間、生産性、健康の関係
精神、肉体の両方を健康として、
働く時間、生産性、健康の三者は、会社員にとっても大事な指標ではありますが、特にフリーランスにとっては最も意味のある指標です。
健康を維持しながら、働く時間と生産性のコスパが最も良い点はどこなのかを知っておくとフリーランスの活動の幅がより広がります。
フリーランスは自由が専売特許なので、あるときはたくさん働いて、あるときは数年間休む、そんな自由な働き方があってもいいはずです。
モチベーションとして、自分の場合は持病を再発させないこと、健康が土台にあるからこその仕事という意味合いが他の人に比べて非常に大きく、働く時間と生産性の関係は先行研究でたくさんあるので、もう一歩踏み込み、健康との関連性も加えて調査することは、他の人以上にパッションがあります。
目的:
大胆に働く時間を半分にしたり、そのさらに半分にしたら、生産性と健康にどんな影響が起こるのか
長く働けないハンディキャップであるベーチェット病という難病を持ってるため、健康を考慮して、通常の就業時間である8時間から、その半分である1日4時間働く生活を2017年から4年間、続けてきました。
1日4時間働く生活の延長線上でさらに限界を求め、大胆に働く時間を半分にする、あるいは働く時間をもっと短くしたほうが生産性がどうなるのか、健康(フィジカル、メンタル)との関連性まで調べることが目的です。
1日4時間働く生活を4年間続けてきたからこそ検証可能な実験内容としました。
◆検証したいと思っていたこと
働く時間を減らすことで生産性と健康はどう変化するのか。
本実験は働く時間を調整しやすいのはフリーランスで、フリーランスになりたてだとたくさん働かないといけないため、すでにある程度キャリアがあるフリーランスが対象です。
一般的には働く時間を減らすと単純に仕事量が減るので生産性が下がりますが、仕事以外の時間が増えるので、趣味、好きなこと、リフレッシュに時間をさけるようになったり、睡眠不足がなくなったりと、体とメンタルの両面から、より健康になります。
ただし、どれくらい働く時間を減らすかで、この考えは必ずしも一致しません。
たとえば、働く時間が10時間から8時間であれば、2時間の仕事量が減りますが、その分、中身を濃くすれば8時間の生産性が10時間の生産性を超える可能性があります。
働く時間を減らして生産性を上げるのは二律背反と必ずしも言えないので、ではフリーランスは働く時間をどこまで減らせば、生産性が最大化されるのか、かつ健康にもなれるのかを検証したい。
◆活動の概要
大胆に働く時間を減らしてみたら生産性と健康はどう変化するのか
を実験するにあたって、
どういう指標で、
大胆に働く時間を減らしてみたら生産性と健康はどう変化するのか
を調べるのか、
特に生産性と健康については定義が広く、実験を通して最終的に以下を指標としました。
生産性:
本実験では生産性=仕事へのモチベーションと定義して、朝の寝起きに何を優先して考えているか(仕事であればモチベーションが高い)
健康:
左目の再発があるかどうか
本来、指標は客観的な判断ができる数値であるべきなのですが、そうではなく、数値を使わない指標にしています。
ここからは、なぜ上記の指標になったのかのプロセス(試行錯誤)をシェアします。指標を何にするのかの試行錯誤が一番大変でした。
実験の結論と考察だけを知りたい人はプロセスはとばしてもらって大丈夫です。
実験中の試行錯誤
実験開始前
2021年6月に
働く時間、生産性、健康を指標にするとスタートして、試行錯誤を繰り返し、8月8日時点では、
1.健康は朝の寝起きの調子を10段階評価
2.働く時間となる仕事をした時間
3.1時間ごとの仕事内容
を記録。
実は、開始前、6月の段階では以下のような計画を立てていたのですが、いくつか辞めた部分があります。
①自分自身の変化の調査:最初は1日2時間で実験。1ヶ月に1度、時間を1時間伸ばしたり、減らしたり、休日を設けたりなど働く時間の条件を変えて、以下に示す実験の測定方法に従って記録していく。
②データのまとめ・考察:データを集計し、比較変化の結果をレポートにする。
③「生産性が上がった〜下がった」「フィジカルの調子」「メンタルの調子」「1日の働いた時間」「デジタルデトックスがどれくらいできたのか」の10段階評価、「出したアウトプットを記録する」「何にどれくらいの時間を使ったのか」「スマートリングOuraでアクティビティタイム」の記録を毎日行う。
④スケジュール、進め方
6月…1日3時間1週間計21時間の仕事
7月...週休2日は必ず取って1日3時間1週間計15時間の仕事
8月...1日2時間1週間計14時間の仕事
9月...週休2日は必ず取って1日2時間1週間計10時間の仕事
10月...9月までの結果を踏まえて仕事時間を工夫
11月...データのまとめ・考察期間
開始後すぐ
試行錯誤した結果なのですが、指標が多すぎると、
・相関を取るのが難しくなる
・シンプルに毎日記録するのが大変
ということです。
なので、
「最も重要な指標はなにか」
を決めて、実験をすることにしました。
体調管理で最も重要な指標はなにか
指標1つ目
1.朝の寝起きの調子を10段階評価
となったのは、朝の寝起きが精神、身体、ともに状態を評価するのに最も適したものだったからです。
これは人によって違いますが、一番自分にとって体の状態を表しています。
仕事の最適時間は何時間か
指標2つ目
2.仕事時間と1時間ごとの仕事内容
今回の実験では、
・もっと仕事がしたいと思える高いモチベーションを維持できる仕事時間とは?←子供の頃にあった、ゲームをする時間が制限されて、もっとゲームしたいという感覚に似ている
・最低限の仕事をする場合、1日何時間まで減らせるのか
・1ヶ月単位で仕事内容を振り返ったときに本当に大切な仕事がわかる
これら3つを知るために、
1ヶ月の平均で、最初の月は大胆に仕事時間4時間から半分以上減らして
6月は1.25時間、
7月は「好き4」の4時間の半分となる2時間
の仕事時間でした。
仕事の減らし方は、それまでにしていた仕事を半分以上減らす、半分までは減らさない、半分の半分近くまで減らすなどの場合分けをしました。
生産性を最も表す指標はなにか
指標3つ目
3.メモ帳のメモの増え方
これも人によって違いますが、僕は資質を発見できるストレングスファインダーというツールで、着想が上位5位の中に入っており、
福井県鯖江市に地方移住をしていたときもそうだったのですが、最高に冴えているときは、アイデアがバンバン出てきます。(特にサウナ、散歩時、ステロイド大量投与時)
つまりアイデアがどれだけ出るのかが自分なりの生産性の代表格なのです。
アイデアが出たら、すぐにメモ帳にメモるので、そのアイデアの数を測定することで、生産性を測れます。
働く時間、生産性、健康を指標にするとスタートして、8月8日時点では、指標3つに関しては、
1.朝の寝起きの調子を10段階評価
2.働く時間となる仕事をした時間
3.1時間ごとの仕事内容
とシンプルにするのがいいとなったのですが、
3の生産性について、指標として少し弱かったので、
3.メモ帳のメモの増え方
を8月8日以降に加えて記録することに。
実験方法は以下の予定です。
①自分自身の変化の調査:最初は1日2時間で実験。1ヶ月に1度、時間を1時間伸ばしたり、減らしたり、休日を設けたりなど働く時間の条件を変えて、以下に示す実験の測定方法に従って記録していく。
②データのまとめ・考察:データを集計し、比較変化の結果をレポートにする。
③「朝の寝起きの調子を10段階評価」「仕事時間」「1時間ごとの仕事内容」「メモ帳のメモの増え方」の記録を毎日行う。
④スケジュール、進め方
6月…毎日労働時間を記録し、1日平均1時間15分の仕事(1/4+)
7月...毎日労働時間を記録し、1日平均2時間の仕事(1/2)
8月...毎日労働時間を記録し、1日平均2時10分の仕事(1/2+)
9月...毎日労働時間を記録し、1日平均1時間10分の仕事(1/4+)
10月...毎日労働時間を記録し、1日平均1時間10分の仕事(1/4+)
11月...データのまとめ・考察期間
ただ、またここから変更があり、メモの増え方はメモをすでに既存のメモにしたりとメモの増え具合に客観性が欠けるため、生産性を測る指標として採用しませんでした。
アウトプット、成果の中間報告(8月時点)
すでに、
・たくさん指標を取るよりも代表的な指標を取った方がいい
といったことはお伝えしましたが、
その他に
1.完璧なルーティーンを作るようになった
人はルーティーン・習慣の生き物で、仕事時間が決まってると、たとえば運営しているサロンコラムは1日分に使うなど、ルーティーンが決まりやすくなりました。
ルーティーンを作ったほうがいいことはわかってるにも関わらず、作る機会がなかったのですが、時間を無駄に使えないとわかってからルーティーンを作ろうとできるようになったことです。
仕事に対して、何にどれくらい時間がかかってるのか、時間を測ることで作れるようになったメリットです。
2.1日の初めに予定を立てれるようになった
1日の始め、あるいはその前日に何をするのか、あらかじめ決めておくことで、それ以上仕事をしようとしません。
決めずに始めると、制限なくして仕事をしてしまうフリーランスの悪いクセで、さらに時間の読める仕事をするからこそ、1日の仕事時間を2時間以内におさめられます。
3.体調管理は睡眠から
こちらはすでに説明済みですが、もう一度。
体調管理の指標は食事、運動、睡眠、ストレスなど様々ありますが、最初に色々と測定したからこそ、最後は睡眠が自分にとって、一番大事だということがわかり、その記録を取ることだけに集中しています。
8月時点での本実験の価値は以下のように考えていました。
本実験の価値
大きく問題が2つあります。
1.コロナ禍や副業、フリーランスなど個人で活動する人が増えてことで、在宅ワークでパソコン作業が増え、間違いなく、これから健康に問題意識を抱える人が増えてくる。
2.子育て、介護、出産といった女性の働く時間が急激に変わる現場を見て、働く時間が急激に変わったことで起こるフィジカル、メンタル含めた健康への影響が大きいといった問題があります。
僕自身も難病で働く時間が制限されてることから、なにかしらの事情があって長く働けない人へ、労働時間と健康の関係を調査&発表することで貢献できるのかなと。
以上、2つの大きな問題に対してアプローチができる実験です。
そして最終目標は来年後半のサバティカル休暇、フリーランス流セミリタイアへとスムーズに移行できるよう、この実験を上手い着地点を見つければと思います。
全く働かない期間を2年も作ったらどうなってしまうのか、お金の不安はないのか、などサバティカル休暇やセミリタイアへの考え方はまた別記事で公開します。
ちなみにセミリタイアと聞くと、仕事をしたくないからと思われがちですが、仕事は大好きで生涯フリーランスで生きていきたいほど好きなので、楽をしたいからセミリタイア!とは全く違いますのでご承知おきを。
試行錯誤した中で最終的な指標は以下のようになりました。
◆生産性と健康の指標(最終版)
中間報告で睡眠が大事ということで、睡眠後で生産性を測るものはないかと考えた結果、十分な睡眠を取ったあとに頭の中に思い浮かぶことは、まだ意識もハッキリしていないこともあり、一番その日にやりたいことやワクワクすることに近いです。
そこで、仕事について考えることがあれば、仕事へのモチベーションがとても高いことになります。
いやいや職場にいくひとが朝起きるときに仕事のことを考える人はいないということもあり、
生産性→仕事へのモチベーション、寝起きに何を考えるか
を最終的な生産性の指標にしました。
最終的な健康の指標
研究を進めてる中で、重要な指標の一つである健康で再発が起こり、再発するのかどうか、具体的には左目が赤くなるかどうかという自分の健康を表す指標があったので、それを採用することにしました。
採用した指標結果
変更前(開始時)
①自分自身の変化の調査:最初は1日2時間で実験。1ヶ月に1度、時間を1時間伸ばしたり、減らしたり、休日を設けたりなど働く時間の条件を変えて、以下に示す実験の測定方法に従って記録していく。
②データのまとめ・考察:データを集計し、比較変化の結果をレポートにする。
③「朝の寝起きの調子を10段階評価」「仕事時間と1時間ごとの仕事内容」「メモ帳のメモの増え方」の記録を毎日行う。
④スケジュール、進め方
6月…1日3時間1週間計21時間の仕事
7月...週休2日は必ず取って1日3時間1週間計15時間の仕事
8月...1日2時間1週間計14時間の仕事
9月...週休2日は必ず取って1日2時間1週間計10時間の仕事
10月...9月までの結果を踏まえて仕事時間を工夫
11月...データのまとめ・考察期間
変更後(②のみ変更なし)
①自分自身の変化の調査:最初は大胆に仕事時間を減らし1日1時間台で実験。1ヶ月に1度、時間を伸ばしたり、減らしたり、休日を設けたりなど働く時間の条件を変えて、以下に示す実験の測定方法に従って記録していく。
②データのまとめ・考察:データを集計し、比較変化の結果をレポートにする。
③「朝の寝起きに頭の中に思い浮かぶこと」「体調変化」の記録を毎日行う。
④スケジュール、進め方
6月…毎日労働時間を記録し、1日平均1時間15分の仕事(1/4+)
7月...毎日労働時間を記録し、1日平均2時間の仕事(1/2)
8月...毎日労働時間を記録し、1日平均2時10分の仕事(1/2+)
9月...毎日労働時間を記録し、1日平均1時間10分の仕事(1/4+)
10月...毎日労働時間を記録し、1日平均1時間10分の仕事(1/4+)
11月...データのまとめ・考察期間
◆結論と根拠・気付き
結論:
大胆に働く時間を減らしたら生産性と健康はどう変化するのかを実験した結果、
1.働く時間を普段の4分の1にすると、生産性は上がり、特に健康は目に見える良い形で変化が起きた。
2.長く働けない事情を抱えてる人にとって、働く時間を1日1時間、予定があって1日1時間取れないときは、どこかで多めに仕事をして調整することも可能で、1ヶ月で計30時間にすると良い
3.フリーランス流セミリタイアの目指し方として、一気に仕事を辞めるのではなく、1日1時間の仕事時間まで減らしたことによるメンタルへのマイナスな影響はなかった。
根拠:
働く時間がそれまで1日4時間の4分の1となる1時間だと、生産性に関しては選択と集中で、パレートの法則による生産性アップ、もっとやりたいという仕事のモチベーションまで上がる副次的効果もありました。
健康に関しては、健康の土台と言われる三本柱、運動、睡眠、食事に十分な時間が取れるようになった。
たとえば、運動はサウナ付きのジム3時間を週3回、1時間半のテニスを週4回運動への時間
目覚まし時計を気にせず睡眠、20分の昼寝
毎日の自炊に十分な時間が取れる
など、大きなプラス効果があり、そのおかげで持病の再発も起きなかった。
一方で働く時間が1日2時間を超えると、生産性に関してもっとやりたいという仕事のモチベーションが1日4時間に比べて変化はなく、健康面に関して持病の再発が確認され、思わしくない結果であった。
1日に1時間の仕事しかできないとなると、最初は不安になることもあるが、途中で諦めて、その時間の中で工夫していこうと頭が切り替わったり、もっと仕事がしたいと仕事のモチベーションが上がったおかげで、仕事時間が減りすぎたことによる不安、メンタルへのマイナスな影響を打ち消して、むしろプラスになったと考えられます。
気付き:
過去に、今回の活動結果と似た経験をしたことがある。2015年に鯖江市の事業として開催されたお試し移住の「ゆるい移住」に参加したときで、
当時は、お試し移住と言えば、移住先で仕事を手伝ったり、やることが決められていたが、ゆるい移住では移住先でなにをしてもいい自由度で、十分な余白時間があると、新しい活動へのモチベーションが上がったことは参加者に共通して見られたことでした。
今回の実験結果からも十分な余白時間があることで、再発するかどうかという健康指標へ大きな影響を与えたので、十分な余白時間があることがどんなことにも共通して重要だと言えます。
またこの実験結果により、世の中の大きな2つの問題
・コロナ禍や副業、フリーランスなど個人で活動する人が増えていくことで、在宅ワークでパソコン作業が増え、間違いなく、これから健康に問題意識を抱える人が増えてくる
・子育て、介護、出産といった女性の働く時間が急激に変わる現場を見て、働く時間が急激に変わったことで起こるフィジカル、メンタル含めた健康への影響が大きい
「健康」への解決案として、
これから増えていく健康に問題意識を抱える人、なにかしらの事情があって長く働けない人へ、働く時間を1日1時間、1ヶ月で30時間の仕事を集中して取り組んでみてはどうか、という提案ができるようになりました。
働く時間が制限されると、その時間内でやりきろうと、生産性の工夫をしたり、仕事内容を見直したりと様々なメリットがあります。
◆研究に関する考察・これから
新しいことに本腰を入れたい人へ
フリーランス流のセミリアイアという新しいキャリアの提言の第一歩として、大胆に働く時間を減らしたら生産性と健康はどう変化するのかを実験してみたら、その結果だけでなく、自分のように健康に問題を抱えていたり、新しいことに本腰を入れたい人へ(たとえばこれから子育て、介護が始まる、新しい学習やキャリアを始めるなど)、どれだけ既存の仕事をすれば生産性が最大化されるのかを示唆しました。
フリーランス流セミリタイアを目指すのであれば、本実験前の生き方「好き4(1日4時間だけ、好きなときに、好きな場所で、好きな人と、好きなことを仕事にして、自分も周りも幸せになる「好き4」)」と本実験を合わせて考えると、働く時間を
8時間→4時間→2時間→1時間
と変化させていくことで、スムーズに最後はセミリタイアへ移行していけるのではないかと思います。
ベーシックインカムが実現したら、あなたはどれくらい働く時間を減らしますか。
日本では仕事をすることで、他の多くのことを犠牲にしてる人が多いように思います。
自分のようになにかしらのハンディキャップを持ってて長く働けない人にとってはもちろん、そうでない人にとっても、昨今では働かなくても最低限の生活費がもらえるベーシックインカムの導入も議論されている中で、働く時間を4分の1にして生産性を上げるという本実験は興味深い結果になりました。
これから
本実験での指標は自分の体の症状を活かしたものだったので、本実験だけでは、まだまだ仮説の域を出ていないことは理解しています。
本実験での仮説を強固なものにするためにも、フリーランスとしてキャリアをある程度積んだ人の中で、長く働けない事情を抱えている人の健康、仕事、生産性の指標を誰でも測定しやすいものへ、それぞれ再定義して、実験を増やしていきたいです。
◆全体振り返り
一番苦労したこと
一貫した指標を取り続けることの難しさを感じました。研究を進めていくと、結果とともに見たい指標というのが変化していきます。本実験でも柔軟に指標を変える選択をしましたが、本来は指標を変えてはいけません。
誰にでもできる指標のとり方が再現性も高く、研究としても一番良いわけですが、働き方が同じというのはフリーランスだとなかなかいないので、苦渋の決断で今回は指標を変えながら、働く時間以外の数値は使わない実験デザインをあえて選びました。
用意していただいた環境への感謝
指標を揃えて複数人で今回の実験をさらに深める実験をするとなると、厳しい条件で、かつ他のことは一切せず研究内容だけに特化した集中環境が必要です。
指標のことなど、研究としてはまだまだ追求の余地がありますが、他の活動もしながら一人でできる研究としては、満足いく結果になりました。
これも機会をいただいたランサーズのおかげです。自分一人では絶対に途中で辞めていました。
これから実験結果を自分だけではなく、他の場、特に長く働けない事情を抱えている人へと活かしていきます。
ありがとうございました。