モテない男に生まれたかった
なぜ彼はモテることを辞めたいのでしょう?
そこにはモテない人には想像しづらい理由がありました。
この文章は、クルマの運転の師範と架空有名人が運転の練習をしている様子を会話形式で書いたものです。
読むだけでクルマの運転について、1・上達する 2・モチベーションが上がる 3・興味が出る
以上を目的に、妄想ドライヴィングレッスン、スタート!
※ここに出てくる人物はすべて架空のものです。
【モテない男に生まれたかった】
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将来有望なイケメン俳優・福居創太
(以下、福居)
『師範、モテない運転はどういう運転でしょうか?』
師範
『モテない運転?普通の人とは逆のことを言うんだな(笑)。モテる運転はよく考えるのだが、モテない運転か・・・。君はどんな運転だと思う?』
福居
『そうですね・・ドンくさい感じの運転でしょうか。汗をかきながらモタモタしてオロオロしているような』
師範
『ホントか?本当にそう思うのか?』
福居
『ええ。僕がまだ初心者マークの頃を思い出して言ってみたのですが、違いますか?』
師範
『まったく正反対じゃないか。それでは逆にモテてしまっただろ?男前に母性本能をくすぐられたら、女性はメロメロだ』
福居
『その頃の記憶はあまりないのですが、運転に必死だったこととそれを彼女が応援してくれていたことは記憶があります』
師範
『だとすると、その反対がモテない運転ということだ』
福居
『ということは、ビュンビュンとクルマを乗りこなしてそつなく運転するってことかな・・・』
師範
『ああ。飛ばしに飛ばして、女性を失神させるぐらいの運転をしろ。女性を痺れさせるようなスレスレでギリギリの』
福居
『それがモテない運転?女の子がキャーキャー喜びそうな気がしますけど・・』
師範
『まあ最初のうちはそうかもしれんが、そのうち必ずNGのレッテルが貼られるだろう。よほど頭がプッツンしている子でなければ』
福居
『なるほど。そこまでして危ない運転を引っ張り続けるのですね』
師範
『そうだ。ブツブツ独り言を口にしたり、悪態をつくともっといい。イライラオーラを全開にしてな』
福居
『なんか分かってきたかも。もう女の子のことなんかはいないものとして運転ですね』
師範
『そうだな。完全にないがしろにして』
福居
『いないものとして、ぞんざいに』
師範
『・・・ところで一つ聞きたいのだが、なぜモテたくないんだ?』
福居
『これを言うと、多くの人から感じ悪く思われるのであまり言いたくないのですが、師範には言いますね。正直なところ、僕は小さい頃から女の子にモテてきました。適度にモテるのならいいのでしょうけど、学校で一番、いや地域で一番モテていたのかもしれません。これは自慢でも何でもないので誤解しないでくださいね』
師範
『大丈夫だ。過ぎたるは及ばざるがごとし、ということだな』
福居
『そうなんです。辛いのは、ボクが好きでも何でもない女の子から手紙やプレゼントをもらったり告白をされたりすることが、日常的によくあることです。毎日のように断り続けることがどれだけ疲れるか・・・』
師範
『そうか、なんとなく分かってきた。人の気持ちを考えずにズケズケ言えるタイプならそんなに辛くないのだろうが、君のような人の気持ちを考えてしまうタイプにとっては苦行としか言えないな』
福居
『はい。特にクリスマスやバレンタインなんかのイベントの時は憂鬱で仕方がありませんでした。ズル休みをすると、家にまで女の子が押し寄せて、余計大変だったし・・』
師範
『そういうところは私も含めて、ほとんどの人が知らない世界だな。そこまでになると、生きづらいものだろう』
福居
『もう女の子と目を合わせられませんでしたよ。勝手に好きになられてしまうから。全然モテない外見になれたらどれだけラクか、本気でそう思います』
師範
『よく分かった。そんな君は、今は立派な俳優だろ。人気があるに越したことはないんじゃないか?』
福居
『そうなんですが、やはり共演した女優やタレントから声を掛けられるんです。もうウンザリってところです』
師範
『君は演技力があるのだからプライベートでも演じてみろ、さっきのようなモテない運転をする奴に。そして、本当に好きな女性に対しては、素の自分を出してみるんだ。少々ドンくさいって思われるぐらいでちょうどいいかもな』
福居
『なるほどね。これからはその作戦でいってみます』
師範
『ああ、健闘を祈る』
【終わり】
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私のようなモテない君は、モテることはいい事だと思ってしまいます。
しかし、モテる人種の人たちにも苦労や苦悩があることを最近知りました。
確かに、その話を聞くと、モテない人の気楽さは価値のあるものかもしれません。
常に異性から見られていて、気を抜けないなんて、辛すぎる・・(でも一度は経験してみたいかも)。