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人工衛星

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人工衛星をめぐるルールを3分で解説しています。
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#法律

3分でわかるIntelsat vs. OneWeb, Softbank



9月10日、アメリカの衛星事業者Intelsatが、同じくアメリカの衛星通信事業者OneWebとSoftBankを相手取り、ニューヨーク最高裁判所に訴訟を起こしたというニュースです。

Intelsatは、OneWebがIntelsatの機密情報を不適切に利用した等の主張をしており、損害賠償とOneWeb・SoftBankによる契約違反行為の差止めを求めています。

世界を代表する通信事業者と

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3分でわかるリモートセンシング原則



地形、気温の変化、氷河や石油タンクまで、広く地表の情報を取得することが可能な衛星リモートセンシングが注目されています。
日本では2017年11月に衛星リモセン法が施行され、リモセンデータの取扱いについてのルールが整備されました。
しかし、それよりもずっと前に、リモートセンシングの基本的な在り方について世界で議論され、ルールが作られています。

1986年に採択された「リモートセンシング原則」は

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3分でわかるリモセンデータの保護

3分でわかるリモセンデータの保護



衛星リモートセンシングデータは、その分析によって幅広く地表の情報を取得できるものとして価値を持ちます。
サービス提供のために分析されたデータを提供する事業者としては、そのデータが保護されていた方がビジネスを進めやすい側面があることは否めません。

しかし、リモセンデータが法律上どのように保護されるのか、明確な規定はありません。
そこで今回は、リモセンデータを保護する方法について取り上げます。

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3分でわかるリモートセンシングと個人情報

3分でわかるリモートセンシングと個人情報



衛星リモートセンシングは、人工衛星を使って宇宙空間から地表の情報を広く取得する技術です。
その分解能(解像度)やクオリティが高まるにつれて、個人の生活の様子等も把握できるようになってきました。
この場合、個人のプライバシーや個人情報との兼ね合いが問題となり得ます。

個人情報との関係ー個人を特定できるかどうか個人情報保護法は、「個人情報」を生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別する

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3分でわかる宇宙ビジネスの資金調達(その3)

3分でわかる宇宙ビジネスの資金調達(その3)



3分でわかる宇宙ビジネスの資金調達(その2)では、航空機ファイナンスを想定したケープタウン条約について取り上げ、宇宙に特化した「宇宙資産議定書」があることを紹介しました。

今回は、その宇宙資産議定書について取り上げてみたいと思います。ちなみに、航空機に関しては別途「航空機議定書」が存在します。

宇宙資産に特化したルール宇宙資産議定書(宇宙資産に固有の事項に関する可動物件の国際的権益に関する

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3分でわかる中国の宇宙物体登録(宇宙物体登録管理弁法)

3分でわかる中国の宇宙物体登録(宇宙物体登録管理弁法)



中国の宇宙物体の管理体制宇宙物体登録条約は、宇宙物体についての登録制度を定めています。
登録によって、どこの国が何を管理しているか、また、どの宇宙物体について責任を負うかが明らかとなります。

中国では、国内法として宇宙物体の登録制度を設けており、その制度を支えているのが宇宙物体登録管理弁法です。
同法の目的として、以下の点を実現することが規定されています。

・宇宙活動に対する国の管理を強化

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