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パイレーツがずっと好調な理由を探ってみた
はじめに。
今回のnoteには、Mリーグ成績速報(非公式)さんのデータやグラフ等を使わせていただいております。
いつもお世話になってます。
ありがとうございます。
どうも、パイレーツを応援しているただのオジサンです。
Mリーグ2023-24はまもなくレギュラーシーズンを終えますが、我らがパイレーツさんはずっと安定した成績で、セミファイナル進出はほぼ確定と言って良いでしょうし、ファイナルに向けた戦いについても有利に進められそうな位置につけています。
全体のお話
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このnoteを書いている2024.3.2時点でのチームポイント推移がこちら。
序盤にちょっと落ち込んでいる部分はあるものの、基本的にはずっと右肩上がり。
それも、急激に跳ね上がるということもなく、じわじわとポイントを伸ばしていっていることがわかりますよね。
何なら首位争いをしているのに、”波形が一番緩やか”かもしれません。
それくらいに好不調の波がなく、確実にポイントを積み重ねてきたってことなんですよね。
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82試合を消化して、パイレーツさんは現在2位につけています。
特筆すべきは1着の多さ。
パイレーツってこんなにトップ獲れるチームでしたっけ?w
各チームの獲得した順位点だけの合計を出すと、
ドリブンズ 640p
パイレーツ 840p
サクラナイツ 580p
KONAMI 380p
ABEMAS 350p
フェニックス 320p
風林火山 160p
雷電 220p
BEAST 200p
と、なります。
首位ドリブンズとは12.5p差であるのに対し、順位点だけで見るとパイレーツのほうが実に200pも多く獲得してるんです。
つまり、”めちゃくちゃ効率よく上の着順を獲得している”ってことになります。
トップが大きいルールですから、この結果から”接戦を確実にモノにする能力が高い”ってことがわかりますね。
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こちらは、2024.3.2時点での個人データ。
面白いなぁと思ったのが、選手の出場回数。
パイレーツさんの選手ごとの出場回数は、仲林圭プロの22回が最も多く、瑞原明奈プロの19回が最少。
年明け「干されてるw」発言があった瑞原プロ、気づけばほぼ同じくらいの出場回数なんですねw
パイレーツは昨シーズンも4人ほぼ同じくらいの出場回数だったので、このあたりはチーム内での配慮なのかなって感じですね。
それと、”誰を出してもちゃんとポイントを持って帰ってくれる”信頼感なんだろうと思います。
個人ごとのお話はあとで触れますが、まずチーム単位でみた場合。
Mリーグ成績速報(非公式)さんのデータをもとに出したパイレーツ全体の和了率は22.39%で、ドリブンズ(22.84%)に次いで2位。
ファンとしては、そんなにアガってましたっけ?って気になるんですけど、完全に鈴木優プロが押し上げた数字でしょうね。
得点面に目を向けると、チームの平均打点はおよそ5,958点(個人の打点合計データがないため、”およそ”として算出しています)。
これは、なんとリーグワースト。
1位のBEASTさんはおよそ7,120点なので、1,000点以上の開きがあることになります。
8位のフェニックスさんでさえおよそ6,320点あるので、圧倒的に打点が低いことがわかります。
打点が低い最も大きな理由としては、”和了時のドラ枚数”だと思われます。
上の表を見てわかるように、リーグ全体の平均ドラ枚数を誰一人として上回っていません。
とはいえ、”赤切りリーチ”なんて稀有な手法を積極的に取り入れているわけではないので、シンプルに配牌やツモも含めて”ドラに縁の少ない”チームなんだってことでしょうね。
以上のことから、このような結論となります。
・和了回数が多く、打点の低さをカバーしている
・大きく勝つことは少ないが、僅差での接戦を制することが多い
・結果として、素点は低くても順位点でしっかり稼げることで、チームは好調を維持できている
小林剛プロ
ここからは少しだけ、個人ごとの掘り下げをしていきます。
まずは小林剛プロ。
シーズン開幕当初は不振が続き、”ラスにならない”小林剛プロが何度もラスになる苦しい展開でした。
昨シーズン後半から一部ファンの間で囁かれていた不調説。
僕も、「少しバランスがおかしくなっているんじゃないか」って思うほどでした。
小林剛プロのイメージって、”早い、安い、よく鳴く”って感じだと思うんです。
ゴール(=和了)に向かって真っすぐ進み、その道中で手の届く範囲の打点の種は拾っていくってイメージ。
なので、安牌も抱えるけど、割と浮いた中張牌も手の中にあることが多くて。
だからこそ、このタイプの人に必要なのは”相対的な速度感”だと思っています。
他家との速度を客観的に判断して、勝てそうなら進んで負けそうなら退く。
その感覚こそが、小林剛プロをトッププロに押し上げた秘訣なんだと、僕は思っています。
そして、”2着を基準”として考えているので、強くトップにこだわることなくリスクを抑えることで失点の可能性を下げ、結果的にラス回避に繋がっていく。
これが、小林剛プロなんだと思っています。
昨年まではこの”相対的な速度感”のズレがあったり、少しトップへの思いが強いように見えて、ファンとしては違和感を持っていました。
しかし、年明けからはなかなか結果に表れなかったものの、”いつもの小林剛プロ”に戻ってきた感じがして、直近の試合は本当に”らしさ”全開だった気がしています。
もう完全に復調したといって良いでしょう。
ここからたぶん3試合程度なんで、数字は大きく変わらないでしょうけど。
個人成績がちょっと良くなって、放銃率が気持ち下がって、副露率がちょっと上がると予想しますw
瑞原明奈プロ
今年の流行語大賞候補、”ゴリラ麻雀”の生みの親ですw
どうも、ゴリラ麻雀のインパクトが強くて、めちゃくちゃゴリゴリ打ってゴリゴリ稼いでいる印象あるんですけど、まぁ落ち着いて数字見てくださいよ。
和了率22.78%は第5位、放銃率12.24%は13位。
(あれ?ちょっぴりゴリラ臭が…)
リーチ率20位、副露率11位、平均打点15位、平均放銃点20位。
結論、数字的にはほんのりゴリラ味のある人間ですw
ここ数年ずっとそうなんですけど、瑞原明奈プロのストロングポイントは”我慢強さ”と”勝負勘の良さ”だと思ってるんですよ。
流局時聴牌率45%は5位、聴牌料収支11,500点は4位の成績です。
もちろん”アガりきれなかった”ってのも含まれるんですけど、苦しい中でもしっかりと聴牌を取り切れるってのは我慢強さあってのもの。
特に連荘率43.28%(1位)と親番での平均収支1,518点(4位)は、まさしく”チャンスを逃がさない”姿勢そのものだと思います。
運が良いだの何だの言ってる人は、ちゃんとデータを見てほしい。
全然ドラ来てないし、平均打点も本当に平均的だけど、できることやってしっかりアガって、聴牌も取って、そうやってコツコツ稼いだ結果の、現在個人成績2位なんです。
その中で、ついつい打点見ちゃって痛い目見て、剛さんに怒られてw
丁寧で我慢強くて、ここぞってときに前に出る強さのある、頼りになるロジカルゴリラです。
鈴木優プロ
目下、個人成績1位。
去年お会いして、ちょうど仲林圭プロが個人成績1位だった時。
「僕もMVP狙ってますよ」って、酔っぱらいながら語ってくれました。
そのあとから勝ちまくり、あっという間に個人成績1位。
しかも、直近はずっと不調だったにもかかわらず、耐えに耐え1位をキープし続けるってのがまた凄いことです。
トップの回数9回は堂々の単独1位。
和了率26.64%も1位で、鋭く踏み込んでいく印象が強いのにもかかわらず、放銃率11.48%は15位タイ。
この高い和了率と高くない放銃率のバランスが鈴木優プロの特徴です。
このバランスを支えているのが、鈴木優プロが得意とする”深い読み”であり、それによって鋭く踏み込んでいける”戦闘民族”であり続けられるんだと思っています。
僭越ながら、何度か鈴木優プロに「参加率こそ鈴木優プロの武器です」とお伝えしたことがありまして。
毎局のように仕掛けたりリーチをかけたりすることで、何もしていないときですら他家に鈴木優プロから意識を外すわけにいかず。
尚且つ、放銃率も高いわけではないので討ち取れず、他家からすれば相当ストレスのかかる相手に見えるはずです。
そういった”場を支配する”麻雀ができているときの鈴木優プロは本当に強いし、今シーズンはそれがちゃんと結果に表れているんだと思っています。
仲林圭プロ
ここ数年のうちに、”強い麻雀プロ”の代名詞になるんじゃないかって思いますよね。
それくらいの安定感があります。
和了率19.08%は24位、平均打点に至ってはワースト2位(1位は鈴木優プロ)。
…本当に、よくこれで勝ってますよねw
放銃率8.4%(4位)、流局率24.05%(2位)、流局時聴牌率41.27%(17位)、聴牌料収支はマイナス。
そして、供託回収16は鈴木優プロに次ぐ2位タイ。
無理して聴牌をとりにいって放銃するなんてことはなく、的確な読みの結果危険だって思うものは切らずにしっかりと流局させて、失点は最少に抑える。
そして、次局サラッとアガって供託も回収する。
そんな展開が多いんでしょうね。
一人不聴で流局って場面、よく見る気がしますもんね。
まぁ、だからこそ100p超えてるのに素点マイナスなんですよねw
仲林圭プロの麻雀は”受けの麻雀”かなって思っています。
他家の様子を見ながら、それに合わせて自分の手を進めていく感じ。
読みの精度がめちゃくちゃ高いからこそできることで、まさしく相撲でいうところの”後の先”ですよね。
これができている以上、仲林圭プロは安定した結果を出し続けられると思います。
まとめ
ってことで、ざっくり個人ごとについても掘り下げてみました。
改めて数字を見ても、やっぱり高い手が入ってない側(特にドラ)のチームなんだなって思いますねw
その中でも選手全員が自分のストロングポイントをしっかりと活かして戦えているので、良い結果がついてきてるんだと思います。
数字上は決して上振れではないです。
その中でこの成績を残せているので、”パイレーツの強さは本物だよ”って、胸張って言えるんじゃないでしょうか。