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002 Las Canoas Altas, Guatemala/ 2007

002 Las Canoas Altas, Guatemala/ 2007
ー現地の人に目を向けるー

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初めてのプロジェクトから3か月後にグアテマラのLas Canoas Altasという町で新しいグラウンドが完成した。Las Canoas Altasという地名は当時も今もあまり耳にすることはなく、私自身も実際に訪れたことはないためプロジェクトの様子は二次情報でしか知らない。でも、有名な語り草があって、グラウンドができたことでU-14女子チームが初めて州大会を優勝し、全国大会に出場したという。すごい!

こうして過去のプロジェクトの様子を紹介しようと写真フォルダをあさっているのだけど、Las Canoas Altasのプロジェクトに関しては写真は全部で20枚もなく、現場の様子をわかりやすく伝える「良い」写真があまりない。2007年といえば、iPhone初代が出たばかりで今のようにスマホで高画質の写真や動画を撮れる時代ではなかった。とはいえ、デジカメはあるのだから、「良い」写真をもっと撮っておいて欲しかったと言うこともできるのだけど、実のところ私はそうした写真がないことに共感している。なぜなら、そこに創設メンバーDrewたち2人が大切にしていた姿勢、何よりも現場の人たちの方を向いて活動していた様子が垣間見えるからだ。

また、現場に行ったこともないのに言うのも何だが、この写真こそがグアテマラのLas Canoas Altasの現実なんじゃないかとも思う。
書籍『テーマパーク化する地球』で著者・東浩紀さんが言っていたことを思い出す。
「映像の不完全性こそが現実性を担保するというこの発想は、いまもまだ有効に機能している。~ぼくたちはいまのところ、まだ、そのような質の「低さ」こそを現実の根拠だと考えることによって、かろうじて現実との接触を保っている。それは、すべてが映画化しゲーム化した現代において、正気を保つためのぎりぎりの良識だと捉えることもできる」

今は個人でも高画質の写真を撮れるようになった。様々なエフェクトを加えて、見栄え良く伝えることができる。私もその恩恵を受け、外部に魅力的に伝えようとしているうちの1人になっている。でも冷静に考えてみると、それは今を賢く生きようとする生存戦略に従っているだけのような気持ちにもなる。

東さんが言うように、質の低さが現実との接触を保つ良識だとするならば、私たちがLas Canoas Altasのプロジェクト写真から伝えることは現実以外にはなく、「2007年」の「love.fútbol」と「Las Canoas Altas」の姿なんだと思う。そして、その時その町でサッカー好きな少年少女が思い切り遊べるようになったその現実が、これから先も、サッカーしたいと願う子どもたちの想いを叶える喜びと意志を私たちに再確認させてくれる。


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love.fútbol Japan
代表 加藤遼也


◎サッカーを愛する子どもたちの環境を変えるサポーターになってください。
サポーターが100人になると、1つのプロジェクトでゴール、フェンス、照明を設置できるようになります。


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