このまま欧米株の保有を続けるか?リスクは何か?
まずは現状認識からだ。米実質GDP成長率は続伸中。中身で弱かったのは住宅。消費が大きく牽引した。失業保険統計は良くなったものの、予想よりはよくならなかった。これはやはりボトルネックの原因で労働市場は回復しずらいことがこれまでの予測通りあるということだ。これは、テーパリングの開始時期を遅める原因となる。よって早期テーパリングは起こらず、緩和傾向は継続するというシナリオは崩れなかった。よって、適正価格を大きく乖離しているものの、株のポジションを少しずつ解消し、ある程度の株の保有はまだ継続してもよさそうだ。
また、EU圏も米国と同じく景況感が歴史上マックスレベルまで来ている。CPIも同じく大きく上昇傾向が続いており、米国より一四半期もしくは半年ほど遅れて追随している様子が窺える。この傾向は例年通りであり、心配いらない。加熱期であり、この先どうなるか不安が増大していく中で、米国の後を追随し、米国よりインフレターゲットに対し見方が緩く、米国より緩和に強いコミットメントを示す欧州は少なくとも米国よりも安心出来る投資先だろう。
この先、EU圏の景気はさらに拡大するのか、それとも頭打ちなのか時間をかけて精査していく必要がある。
しかし、TIPS(インフレ連動債)をショートする動きも出てきている。欧米で景気拡大、CPI上昇が続く中でインフレ、インフレ期待は頭打ちするという見方も広がってきた。インフレ動向に対して3つの立場がある。
インフレはより拡大するという側の見解としてはSticky CPIが上昇し始めていることを挙げるだろう。
インフレは一時的である側の見解は、失業率低下により徐々にボトルネック解消が進むことを挙げる。
そして、インフレに対しショートポジションを組む、信念のある者たちはボトルネック解消に加え、景気の頭打ちを根拠にしていると私は推測する。
では私はどうするか??
⇒そんなこと予想もしないし、関わらない。なぜなら景気、インフレ率等の予測は不可能だからだ。大切なことは現状どうなっているのか知ることである。投資の面白いところは未来が分からなくとも、予想しなくとも、現状を理解しておけばリターンをあげられる点である。現状、景気は強い、そしてインフレ率も高い。FRBは緩和傾向を継続することにコミットメントしている。失業率は今後も低下し続ける。これらを踏まえ、今、サイクルの何処にいるのかを考えることが大事である。まあ現状、サイクルの後半にいることは確かなことだろう。
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