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マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~残りあと1話(ネタバレあり)

BSで放送しているマイ・ディア・ミスター~私のおじさん~

このドラマをネタバレ無しで語るのは不可能なので今回は盛大にネタバレします。

まだ観てないよ!これから楽しみたいよ!という方はこれ以上進まずに戻ることをオススメします。

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『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』では、説明的なセリフが一切出てこない。

もちろん説明的なナレーションもない。

その代わり、それぞれの場面でその場にいる登場人物たちの細かな表情の変化をカメラが写し出す。

それが全然わざとらしくない。役者さんたちが表情を作っているのではなく、本当に登場人物になりきってその場に居るとしか思えない。

この人は今こう思っているんだなあ…というのが、その表情だけで如実に伝わってくる。

脚本も演出も監督も演者さんたちも、一流の人たちが揃ったから作り出せた作品なのではないかと思う。


韓国ドラマでは、登場人物たちが心のうちを素直に吐き出す場面が多く観られる。

最初のうち、日本のドラマに慣れていた私からすると「あ、それ言っちゃうんだ?」「あけすけだなあ~」とびっくりすることも多かった。

今はそんなハッキリした韓国ドラマにすっかりハマっているわけだが。

マイ・ディア・ミスターで言えば例えば15話。

ドンフンの兄と弟、サンフンとギフンは母からおかずを持っていくよう頼まれ、ドンフンの家に行く。ドンフンの妻、ユニが在宅しており、ユニの不倫が明らかになった後の話し合いの際、ドンフンが殴って穴を開けたドアの交換をしていた。ギフンは何気なく尋ねる。

「喧嘩ですか?兄さんが物に当たるなんて珍しい。浮気でもしたんですか?」

咄嗟に不意をつかれ答えることができないユニ。

ギフンは言う。「やだなあ。否定してくださいよ。黙ってたら本当に浮気したと思われますよ?」

長い沈黙の後、ユニが「…違うわ」とやっと答えるも、ギフンはもう勘づいてしまっていて、「相手の男誰だよ!」と怒りを顕にする…。

というシーンがあるのだが、これ、日本のドラマだったらまず気づかないフリをしてそそくさと帰ったりする脚本になるのではないか、と考えた。

「夫婦の問題なのだから、身内とはいえ他の人間が口を出すべきではない」みたいな“空気”が日本にはあるような気がする。

韓国ドラマだと“身内、家族への愛”がそれを上回る。家族のことを、まるで自分のことのように喜んだり怒ったりする。


私は常々、「真実にしか救いはない」と思っている。

どんなに残酷な真実でも、当事者が知らなければ、その先に救いはない。

いっとき、ものすごく苦しむかもしれない。でも、その先に待っている景色は、真実を知っているのと知らないのとでは全く違ってくる。


日本のドラマを観ていると、親切心から真実を隠す、本当のことがどうしても言えないまま時間だけが過ぎていく、というような描写が多く、観ていてストレスに感じることが多々あった。

韓国ドラマを観ていてもそういうストレスはあまり感じない。

お国柄なのか、ドラマだからできることなのかは分からないけど。


さて、残りあと1話。

来週の月曜で最終回。

どんなラストになるのか、楽しくみんなを見守りたい。


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