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マイ・ディア・ミスター~私のおじさん
昨今の日本のドラマ、アニメでの家族の描かれ方がとても薄っぺらく感じていた。
アニメは特に。と言ってもここ数ヶ月はいわゆるアニメ声というやつを体が受け付けなくなってしまったので、今放送しているアニメがどんなアニメなのかは把握していない。
数ヶ月前までのアニメによく見られていた登場人物構成は、主人公、相手役、主人公のきょうだい(兄姉弟妹のどれか一人)、主人公のクラスメイト又は同僚、みたいな感じのものが多かった気がする。
主人公が中学生や高校生であっても、何故か両親とは同居しておらず、一人暮らし(またはきょうだいとの二人暮らし)の設定だったりしてた。
ドラマでもそんな感じのものが多かった。
家族は出てきても、遠く離れたところに住む優しい母、ものわかりのいい父。祖父母などは写真すら出てこなかったりする。主人公の周りに濃い家族関係は存在しないものが多い気がしてた。
なんなのだろう。日本から『家族関係』というものが失くなってしまったのか。視聴者にウケないからなのか。視聴者にウケない、と思い込んでいる制作者たちがいるからなのか。
私が目にしていない作品の中には、家族との強い繋がりを描く作品もあったのかもしれない。私が目にして来た作品に限って言えば、の話ではあるが。
思えば中学生くらいの頃から、日本のエンターテイメントの薄っぺらさは感じていたかもしれない。
私が中学生の頃、日本の歌手はもれなく恋愛を歌っていた。否、恋愛「しか」歌っていなかった。彼と彼女、俺とお前、あなたとわたし、君と僕…そこには『二人』の世界しかなかった。飽き飽きしていた。
そんな私が初めてジョン・レノンのimagineを聴いた時の衝撃が分かるだろうか。カーペンターズのbless the beast and the children を聴いた時の衝撃が。世界には、こういう歌があるのか!そしてそれが人気なのか!
なんで日本にはこういう歌がないのだろう。中学生の私は思っていた。そして、今の私もまた、なんで日本には無いのだろう、と思っている。
こういうドラマが。
前置きがだいぶ長くなってしまった。
韓国ドラマ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』の話です。
現在BS朝日で放送中。
このドラマ、とっても良いのだ…いや、濃いのだ。良いし、濃い。
登場人物一人一人がとても丁寧に描かれている。
主人公のジアンは足が悪く耳も聞こえない祖母を養いながら、母親の作った借金を返すため、寝る間も惜しんで働く日々。ジアンの派遣先の上司であるドンフンは、無口で人と関わろうとしないジアンを、とあるきっかけから気にかけるようになるが、、
というお話なんだが、ドンフンの兄弟、母親、サッカー仲間、学生時代からの友達などなど、周りの人たちとの関わりの深さが丁寧に描かれおり、ジアンの生い立ちも辛く苦しいものながら、周りの人たちとの関係性など引き込まれる構成と流れになっている。
韓国ドラマを観ていて、必ずと言っていいほど出てくるシーンに、お墓参りのシーンがあるのだが、日本のドラマで主人公がお墓参りに行くなんてシーンはそうそう無いだろう。二時間サスペンスでたまに出てくる程度だ。この一件だけでも、韓国ではいかに家族を大切に思っているかが見えてくる気がする。
人は恋愛のみで生くるにあらず。最も身近な人間関係である家族を切り離して描いても、話に説得力がない。家族は、切っても切り離せない存在なのだ、と思う。
マイディアミスターで描かれるのは、人生、生き方、仕事の取り組み方、人との関わり、といったところか。恋愛至上主義ではないところがとても良い。
私のお気に入りはドンフンの兄と、ドンフンの弟の彼女(?)。なぜ(?)なのかはどうぞご覧になって確認してみてほしい。
Netflixやアマプラなどでも配信しているらしいので、今からでも1話から観られる。加入している方は是非探して観てほしい。
ハマる人はハマると思います。