「新しい領解文」発布前の会議録
ご親教「浄土真宗のみ教え」発布(2021.4.15)
第30回宗門総合振興計画推進会議常任委員会(2021.8.2)
竹中委員
宗門として、「私たちのちかい」「浄土真宗のみ教え」の唱和を進めているが、ネット上では、「私たちのちかい」「浄土真宗のみ教え」への批判が多く投稿されており、ご門主に批判が及ばないか危惧している。これだけの批判が寄せられるなか、唱和を薦めることは難しいのではないか。このままでは、将来に禍根を残すこととなる。また、「私たちのちかい」「浄土真宗のみ教え」については、宗意安心に関わることであるため、勧学寮と相談・協議のうえ示すべきであった。ご門主をお守りするためにも今後、慎重な対応が必要である。
第19回宗門総合振興計画推進会議(2021.11.24)
那須野常任委員
『僧侶教本A』の「序にかえて」におけるご親教「私たちのちかい」に関する説明について異議がある。勧学寮において教学的な押さえをしたうえで、あらためて説明の場が必要ではないか。
那須野常任委員
み教えの中には、このように生きなさいというのは示されていない。このようにしか生きられない私であることに気付かされることが大事。機の深信が語られていない。
下川委員
ご親教「私たちのちかい」や「浄土真宗のみ教え」の唱和について、唱和するということは伝道活動であるから、慎重に対応する必要がある。
第33回宗門総合振興計画推進会議常任委員会(2022.2.16)
松原会長
「現代版領解文」の制定については、親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画から継続して検討され、今後も制定方法も含め、慎重に検討するとしているにもかかわらず、『拝読 浄土真宗のみ教え』にご親教「念仏者の生き方」「私たちのちかい」「浄土真宗のみ教え」が収録されていることは、整合性がつかないのではないか。
第21回宗門総合振興計画推進会議(2022.2.24)
浅野委員
領解文は、み教えに対して我々が領解した心を表すものであり、ご門主のお言葉はありがたく頂戴するものである。なぜ、ご親教「浄土真宗のみ教え」の唱和が領解文となるのか。
浅野委員
議論が行き詰まっているという説明では納得できない。責任をもって進めていくべきである。また、これ以上議論ができないとなれば、人事を検討しなければならないのではないか。
浅野委員
宗会議員は見識が高く、各地方における『領解文』の重要性やみ教えがどのように伝わっているかなど熟知している。宗会議員を信頼し、重用していただきたい。
那須野委員
み教えや信心に関わる領解文については、勧学寮に確認すべきであり、唱和についても同様である。しかし、全てを総合研究所に委ねており、勧学寮と総合研究所の役割の違いをどう考えているのか。また、領解文の唱和とは、「わが口に出してもう一度聞かせていただく」ということである。
那須野委員
教義は、「必要に応じて」勧学寮に諮問するものではない。安心の裁定である。
那須野委員
ご親教「浄土真宗のみ教え」を領解文と位置づけようとしたことについては、総局が勧学寮への諮問が必要ないという判断であったのか。
竹中常任委員
宗意安心によって教団が成り立っており、これを抜きにして唱和を進めれば、宗門が廃れてしまう。宗意安心を吟味する勧学寮に諮問しないことは大きな問題である。
亀原委員
現代版『領解文』を作成しなければならない背景がわからない。また、「権威あるもの」という表現は、宗門にはなじまないのではないか。
内田委員
現代版『領解文』を制定する必要があるのか。現在唱和している領解文を解説することで内容を理解してもらえるのではないか。
宗則「現代版領解文制定方法検討委員会設置規程」施行(2022.4.1)
徳永一道委員長より「答申」が石上智康総長へ提出(2022.11.8)
第26回宗門総合振興計画推進会議(2022.11.28)
竹中委員
現代版領解文制定方法検討委員会(以下、委員会)において意義ある論議がなされており、よく整理された答申である。真宗の教えが型にはまったものではなく、ひとりひとりの念仏者にとってわが心に響くような内容になるよう吟味してもらいたい。宗意安心に関わることであるから、学問の中心である勧学寮を通すことが重要である。
竹中委員
答申書にも記載の通り、「権威あるもの」という文言に固執することなく、宗祖の教えをそのまま受けとめていけるものであればいい。後付けで権威付けするのは、宗祖の同朋教団として必要のないことである。
三好委員
委員会において、「権威」あるものが何を指すのかについての議論はなされたのか。
豊原委員
分かりやすく伝えるため、また、若い人に理解してもらうためには、英文法の方が理解してもらいやすいと思うので、現行の領解文を英訳するのがいいのではないか。
松原会長
現行の領解文も、制定当時でいえば現代版であった。「令和の領解文」や「専如門主の領解文」など、制定時代が分かるような名称を検討してはどうか。
桑羽委員
答申書からは現代に合った新たな「領解文」を作成しようとする意図が感じれるが、私たちが親しみ、馴染みのある、蓮如上人が書かれた「領解文」をそのまま現代の言葉に訳すことがいいのではないか。
福井委員
対象は門徒ではなく、これまで浄土真宗とご縁のなかった世界中の人とするべきである。海外開教区に限定せず、世界中の人々に真宗の教えを広めるためのものとして検討いただきたい。
那須野委員
領解文を現代風に、また現代語訳しただけで本当にみ教えを領解できるのか甚だ疑問である。分かりやすいだけでは真宗の安心から離れ、道徳になってしまうので、このように私はみ教えを領解させていただくという文章になるよう、総局には全力を挙げて検討してもらいたい。
ご消息「新しい領解文」発布(2023.1.16)