「新しい領解文」に対する宗会議員の反応
今年、任期満了に伴い年内に宗会議員選挙が行われます。改めて、本願寺派の宗務を担う宗会議員の「新しい領解文」に対する反応を振り返ります。
唱和推進の慎重性を求める請願書
「新しい領解文」に対する各議員の対応の有り様が見られるようになったのは、2023年3月において「唱和推進の慎重性を求める請願書」を採択するか否かの採決がなされた時です。この時、請願書に賛成したのは、僧侶議員14名、門徒議員3名の計17名。反対は僧侶議員30名、門徒議員27名の計57名。圧倒的多数で請願書は否決されました。
唱和推進策の取り下げを申し入れ
2023年9月12日、宗会議員各会派の会長・幹事長会が中心となり、宗会から総局に唱和推進策の取り下げを申し入れが行われました。これに対して、池田前総長は「唱和推進はご消息の中で門主が語っている」「宗会で可決した」「ご消息は勧学寮が同意している」「手続きに瑕疵はない」という理由をあげ、その申し入れを退けました。
唱和推進を見直す臨時宗会招集要求
2023年10月、宗会議員有志による「『2023年度宗務の基本方針具体策』の一部変更を決議する臨時宗会招集要望」が宗会議員に送付され、12月時点での賛同者は、僧侶議員22名、門徒議員18名で、わずかに過半数を上回りました。これに対して、当会からも声明文を発表しました。
しかし、翌年1月、この招集案は定期宗会が目前に迫っている事と1月1日に発生した能登半島地震への支援を急務とすることなどの理由から要望しないことになりました。
宗会議員一覧表
これまでの各宗会議員が「新しい領解文」に対してどのような姿勢を示したのかをまとめました。もちろん、宗会議員の役割は多岐にわたるので、「新しい領解文」に関することだけで判断するものではありませんが、宗務の全体に関わる問題であるため、たくさんある中のほんの一部の問題とは言えません。その点ご留意の上、ご参考にご覧ください。
[補足]総局の変遷
2023年1月16日に「新しい領解文」が発布されてから、総局は2回入れ替わりました。「新しい領解文」を問うには、発布当時の総局から問題にする必要があるため、ここに記録します。
総局が絶大な力を持つようになったのは、2012年に「宗派」と「本山」に区分された以降顕著になりました。この「宗本区分」の目的のひとつは、時代に合わせたスピード化と言われています。実際、総局から統合企画室を通して各部署に伝達されるトップダウンで、議決権をもつ常務委員会も総局を中心としたメンバーから構成されています。今回のような問題が起こった背景のひとつと言えるでしょう。