暗唱法文「浄土真宗救いのよろこび」(案)について
『宗報』487号(2007年6月号)
拝読 浄土真宗のみ教え
2009年7月15日 第一刷発行
編集 『拝読 浄土真宗のみ教え』編集委員会
発行 本願寺出版社
発行にあたって
親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画の一環として、2005(平成17)年、教学伝道研究所に「教学・伝道の振興にかかる企画制定委員会」が設置されました。委員会においては、親鸞聖人が顕らかにされた浄土真宗のみ教えを、現代の人々に親しみやすい表現によって示し、正しく領解した上で味わいを深めることのできる文章の制作が企画されました。
その研究成果が、『領解文』のよき伝統とその精神を受け継いだ「浄土真宗の救いのよろこび」、ならびに『御文章』のよき伝統とその精神を受け継いだ「親鸞聖人のことば」であります。
2009(平成21)年には、「『拝読 浄土真宗のみ教え』編集委員会」が発足し、「浄土真宗の救いのよろこび」「親鸞聖人のことば」を収めた『拝読 浄土真宗のみ教え』の刊行が企画されました。一人でも多くの方に、浄土真宗の教えに触れていただき、その味わいを深めていただきたいという願いのもと事業が進められ、このたび刊行の運びとなりました。
2011(平成23)年4月より2012(平成24)年1月まで、親鸞聖人750回大遠忌法要が厳修されます。この大きな節目を迎えるにあたり、聖人が顕かにされた浄土真宗のみ教えを深く受けとめ、いよいよ聞きよろこんで、今を生きる私たちのより処としていただくことを念願いたします。
浄土真宗本願寺派 総長 不二川公勝
発行にこめられた思い
親鸞聖人が顕かにされた、阿弥陀如来のご本願の救いである浄土真宗は、親鸞聖人のご往生の後も750年の長きにわたり、私たちの人生のより処として大切に受け継がれてまいりました。
親鸞聖人のみ教えが伝えられる上で、『御文章』や『領解文』が非常に大きな役割を果たしてきたことはよく知られています。『御文章』や『領解文』には、平易な言葉が用いられ、当時の人たちに真宗教義の要が領解されるよう示されました。「御文章拝読」「領解出言」といった形式を通してそれらを口に出言し、耳に聴聞することによって、み教えの理解とその法に出あえたよろこびは大いに深められてきました。『御文章』『領解文』は、浄土真宗においてなにもにも代え難い大切なものであることはいうまでもありません。
しかし、時代の変化とともにことばは変わります。『御文章』『領解文』も現代の私たちにはその意味が理解しにくくなってきた面があることは否めません。そのため、『御文章』『領解文』の精神を受け継ぎ、現代のことばで表現され、み教えに出あえたよろこびを深めていくことのできる文章が求められてきました。このたび、そのような求めに応じて「浄土真宗の救いのよろこび」「親鸞聖人のことば」がつくられ、これらを阿弥陀如来の尊前で拝読・拝聴していただけるように『拝読 浄土真宗のみ教え』を作成いたしました。
浄土真宗の救いのよろこび
拝読 浄土真宗のみ教え(改訂版)
2019年10月15日 改訂版第一刷発行
発行者 浄土真宗本願寺派 総長 石上智康
編集・発行 本願寺出版社
『拝読 浄土真宗のみ教え』改訂にあたって
『拝読 浄土真宗のみ教え』(以下『み教え』と略称)は親鸞聖人750回大遠忌宗門長期振興計画の一環として、親鸞聖人が顕かにされた浄土真宗のみ教えを、現代の人びとに親しみやすい表現によって示し、正しく領解した上で味わいを深めることのできる文章として企画され、刊行されたものです。
『み教え』は、2009年7月に刊行されて以来、10年ほどが経過しましたが、その間、2014年6月に専如ご門主が即如ご門主より法義の伝統を継承され、2016年10月1日、伝灯奉告法要の初日、ご親教に立たれたご門主は、「念仏者の生き方」を広く宗門内外にお示しになりました。さらにご門主は「伝灯奉告法要御満座の消息」でも「念仏者の生き方」について言及されておりますように、これは宗門の今後の方向性を示された大変に重要なご教示であります。
このような次第をふまえ、『み教え』の編纂に携われた方々の制作意図を尊重しつつ、「念仏者の生き方」によって示された生き方を、『み教え』にも掲載する必要があるとして、『み教え』改訂編集委員会が設置され、全文の内容・構成をふくめ検討するなかで、委員会からは2018年9月30日付けで次のような報告書が提出されました。
なお、改訂編集委員会としては、「これを一応の報告とさせていただき、今後は、総局において文言をふくめて、検討、決定して下さいまうよう一任いたします」ということであります。
この報告書を承けた直後、2018年「秋の法要」におけるご親教で、ご門主から「このたび『念仏者の生き方』を皆様により親しみ、理解していただきたいという思いから、その肝要を次の四カ条にまとめました」として「私たちのちかい」のご教示がありました。
そこで総局において総合的に検討いたしました結果、旧版『み教え』の基本的な編纂方針を継承しつつ、改訂に際しては、典拠が明確であり、しかも現代人にもわかりやすいことを原則として、
との具体的な方針を決め、このたび『拝読 浄土真宗のみ教え』改訂版として発行することといたしました。
この改訂版が、これまでにもまして、私たち一人ひとりが真実信心をいただき、あらゆる人びとに阿弥陀如来の智慧と慈悲を伝え、念仏者の生き方に学び行動する拠りどころとなりますよう願ってやみません。
2019(令和元)年9月
浄土真宗本願寺派 総長 石上智康
「救いのよろこび」が削除される経緯
「救いのよろこび」の再掲載を求める意見具申(福岡教区)
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