来年度の本講師未定という異常事態
本願寺派の最高講会「安居(あんご)」は4年ぶりに龍谷大学大宮学舎で開催され、7月31日閉繙式(へいばんしき)で閉幕した。
通常であれば、この式において来年の本講師、副講者、典議(てんぎ)、会読論題が発表される。しかし、ここにも新しい「領解文」問題の影響が出てしまった。発表された来年の予定は、
だった。後日発表するというアナウンスはあったものの、その後日がいつになるということも明確ではない。安居の本講師は、
とある通り、門主の任命である。
安居綜理の推薦、勧学寮頭の申達は行われたようであるが、門主の任命が遅れているもようである。「勧学・司教有志の会」に名前を連ねている勧学が本講師の候補であったようであるが、批判を行う者を本講師に任命することはできないというのはいかがなものだろうか。
2020年秋に菅義偉首相(当時)が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否したような権力の濫用ではないか。
来年度の本講師の氏名や講題は閉繙式の一番最後に勧学寮の部長が発表する。振り返ってみれば、今年は式の内容も例年にない緊張感があり、「安居を存続させたい」という思いがにじむような言葉が続いた。
満井勧学が最終講義で安居の重要性語る
本講師の満井秀城勧学は最終講義を行い、
と、宗学を修得する安居の場の重要性について力説した。また、淺田恵真勧学寮頭は訓示し、4年ぶりの対面での安居になったことの喜びを語り
と語った。
安居に参加する僧侶「大衆」の1人は「最終日に発表される会読論題を聞き、その論題を一年間研究して来年の安居にのぞむ。論題が発表されなかったのは残念に思う。学問の場に政治の混乱を持ち込まないでほしい」と首を傾げていた。
龍谷大学大宮学舎本館に掲げられる講札。本講師が講義する内容が掲げられるが、いつ講札はかけられるのだろうか。
(稲城 蓮恵)
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