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第32回宗門総合振興計画推進会議に関して

10月18日「第32回宗門総合振興計画推進会議」に関して、西光義秀議員が後援会にお知らせされた文章を許可をいただき転載します。
※「宗門総合振興計画推進会議」とは総合計画の推進に関する重要事項を諮問する会議です。

奈良教区宗会議員の西光義秀です。
10月18日に「第32回宗門総合振興計画推進会議」がありました。宗会議員全員と本願寺評議会評議員全員および宗派、本願寺、築地本願寺それぞれの関係職員が出席する会議です。諸事項の報告とそれに対する質疑応答はありますが、何かを決める会議ではありません。

開会は10時。終了予定時間は16時でしたが、実際の終了は18時でした。

報告事項
①850および800年の慶讃法要の総括
②ビハーラ総合施設の運営状況について
③宗門総合振興計画推進事業計画現状について

諮問事項
①宗務組織機構(中央宗務機関)の改革について
②2025年度以降の予算費目の設定方針について

と多岐にわたるもので、報告事項については事前に大量の資料が送られてきました。あまりにも大量のため、がんばって目を通しましたが、しっかり理解することはほぼ不可能です。諮問事項は当日に資料が配布されました。いずれも重要な項目だと思うだけに、とても1日で済ませてしまうのは無理です。しかし執行部は1日で済ませてしまおうとしているのでしょう。

多くの議員から、多岐にわたって質問が出ましたが、なかでも圧倒的に多くの質問が出たのは「新しい領解文」に関するものでした。報告事項、諮問事項からなぜ「新しい領解文」の質問が出てくるのか・・・と思う方もおられるでしょう。

まず、報告事項①の慶讃法要の総括のなかに、「新しい領解文」唱和についての項目がまったく見あたりません。愛称歌「みんな花になれ」について、またスローガンやロゴマークについての総括はあるのに。プログラムの中にこれまでになかった「新しい領解文」唱和を入れ、これまでにない試みをし、そのことが話題になり、問題になり、物議をかもしたのですから、良くも悪くもしっかりと総括する必要があります。最後に、荻野総長から「新しい領解文についても総括する」という言葉がありました。なお、これは全教区の慶讃法要が終わったところで出されますので、最終は今年度末に正式版が出る予定です。

もう一箇所、報告事項③の宗門総合振興計画推進事業計画のなかの12番目に「現代社会に仏教的価値観を伝える言葉の検討」という項目があり、その注力事業が「新しい領解文(浄土真宗のみ教え」学習会のとりまとめ」というのが入っています。(このとりまとめは11月20日に開催される「第33回宗門総合振興計画推進会議」において総局より報告があることになっています) ここでも取り上げられました。本年2月末の定期宗会冒頭、池田総長より新しい領解文を基本方針よりはずし、総局、内局、教区、特区、組、直轄寺院、直属寺院、一般寺院における拝読・唱和は各機関および寺院が判断しておこなうということが述べられています。にもかかわらず、得度習礼、布教使養成課程、中央仏教学院などでは唱和が強制されています。たとえば、得度習礼において唱和を拒否する者は退所だというのです。

学習会においても、勧学司教有志の会からも、「新しい領解文」には問題があり、このご文は異安心だという見解も出てきている。またこの問題が長引くことにより、問題の矛先がご門主に向き始めている。これらの問題を早く解決するためにも、総局は早急に解決のために動かなければならない・・・と。

これに対して、総局の答弁は木で鼻をくくるような、一向に問題解決のために動こうという姿勢をみることができません。 私個人としても、この問題が長引くほどに宗門は疲弊し、宗門離れが加速するように思えてなりません。

宗会議員として、すべきことは多いと思います。とくに、10年前の宗本区分のときに改正された宗門法規は、総局独裁体制を容易にさせることができるようになっています。本願寺派は明治政府に先立って三権分立(勧学寮も入れたら四権分立)の民主主義の体制ができた・・・というのは、10年前に崩壊しているといっても過言では無いと思っています。

そういう問題を提起し、宗会議員を含め多くの人たちと勉強会でもできたらいいし、僧侶だけではなく、門信徒のみなさんの思いが宗派に反映できるようなシステムも構築してゆくべきだと思います。しかしそれを阻んでいるのは、「新しい領解文」問題です。宗会議員はその賛否で分断されてしまっています。

また、宗門の状況や問題を、宗派からの積極的情報公開によって、多くの方が知るべきです。しかし「新しい領解文」問題だけではなく、その他についても宗会議員でさえなかなかつかめない・・・ということがたくさんあります。「新しい領解文」問題への批判があまりにも大きく、総局はしっかりガードを固めている感じがしてなりません。


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