過去の過ち
私のダメダメな過去の恋愛の話をします。
突っ込み所満載だと思いますが、黙って聞いてください。
◇◇◇
20代前半の時、好きな人がいました。
その人は13歳年上で既婚、8歳の娘さんもいて。
奥様とは離婚係争中とのことでしたが、彼はもう奥様のことを前妻と呼び、彼の中では既に離婚したことになっていました。
まだ離婚が成立してないことは、付き合い始めてから知ったのですが、一応不倫ということになるんでしょうか。
私の方が猛アタックをして、既成事実を作ってしまったような格好なので、一方的に彼が悪いとは言えません。
また、恋愛や結婚に関する観念が、少し違ったようでした。
そう、彼は日本人じゃなかったの。イギリス出身のカナダ人。白人で少し茶色がかった金髪。背が高くて鼻が高くてすごく格好良かった。
彼は、当時私が勤めていた会社のお客様で、何週間かの仕事が終わればカナダに帰る。そんな感じで、日本とカナダを行ったり来たりしていたのでした。
彼に夢中で一年、二年と付き合っていく中で、自然と結婚したいと思うようになった私は、彼にも、いずれカナダで暮らしたいことを話し、結婚したいとニュアンスで伝えたつもりでした。彼も笑いながら、
『カナダは冬寒いよ?大丈夫?』
なんて答えてくれて。
とりあえず夏休みにカナダへ行ってみたいと思い、彼がカナダに帰っているタイミングで会社の夏休みに続けて一週間有給を取り、2週間カナダを旅行する計画を立てました。宿泊先はもちろん彼の所です。
会社の出入りの旅行会社に頼んで飛行機のチケットだけ用意し、友人からスーツケースも借り、行くばかりになっていた出発の前々日、彼から国際電話があり、
『カナダでは別の女性と一緒に暮らしているから来ないで欲しい』
と告げられました。
私が本当にカナダへ行くつもりでいたとは思っていなかったようです。
目の前が真っ暗になりました。(「目の前が真っ暗になる」という現象を、この時初めて自分の身体で実感した私)
《遊ばれていたんだ…》
そういうことなら、私が無理に行っても彼が困るだけだし、何より彼の気持ちはもう離れているかもしれない…
泣く泣く承知しました。
急遽飛行機はキャンセルしましたが、キャンセル料はだいぶかかったように記憶しています。
会社にはもうルンルンで休むと伝えてあったので、今更取りやめましたと出社するわけにもいかず、家にも居られず、休みを取った期間は仕方なく、友人のアメリカ人夫婦の所へ身を寄せました。彼らは私を2週間もの間、それこそ世間から匿ってくれたのです。
その2週間で気持ちを立て直し、休暇後には出社しなければなりません。なんとか出社できるまでに回復し、何事もなかったような顔をしてその後仕事ができたのは、彼らのおかげです。
*
後から考えてみたら、おかしかった。
携帯電話なんかまだない時代。普段のやりとりは手紙でした。私の住所は自宅でしたが、彼は会社に送ってくれと言う。
ここで気がつけよ、っていう突っ込みは当然入りますよね。それに気がつかないところが超絶無知お嬢さんのなせる技です。
私は、彼が日本にいる間だけの、まぁいわゆる愛人のような感じだったんですね。恋人だと思っていたのは私だけだったんですよ、結局は。
その後幸いにして、彼は日本へ来ることはなくなり、それっきりになりました。
なんとか彼への想いを振り切った私は、もう彼以上に好きになれる人が現れるはずはないと思い、恋愛は二度としないと決めたのでした。
若くて無知で、世間知らずの箱入り娘だった私は、大人な彼にはさぞかし簡単だったのだろうと、今は分かります。
でも良い教訓になっているし、悪いことばかりじゃあなかった。
あれがあったから今の私がいると思っています。
30年前の出来事でした。
◇◇◇
これは、第3回もたレディオに投稿したものです。もたレディオの中では、私の投稿メールをおまゆさんが短く要約して喋ってくれました。ありがとうございました。
今回自分でnoteで公開するに当たり、メールで送ったものを少し編集しています。
第3回もたレディオはこちらから。
おまゆさん、よもぎさん。それから、ちゃこさん、はるさん。お疲れ様でした。
とっても楽しかったです。
そして、ありがとうございました。
2019.12.3 りょう