見出し画像

自分の限界ってどこ?

  • 100キロウオークってなに

  • 100キロウォーク 歩くだけでしょ?2020

  • 100キロウォーク 歩けなかった2021

  • 100キロウォーク リベンジ2022

  • 100キロウォーク その向こう側2023

100kmウォークってなに

2019年5月の土曜日、会社に出勤途中にふと変わった光景を目にした
市役所の近くをなにやらぞろぞろと歩いている人達がなぜかやたら目につく
なにやっている人達だろう・・・なんなんだ・・・?

会社についてからも気になった僕はスマートフォンで検索した。
えっ、ーなに・・・?これ・・・?

ニューイヤー駅伝ってお正月の風物詩であって、一般個人が歩くイベントじゃないけど・・・

マジカ、地元でこんなクレージーなイベントがあったなんて。
歩くだけだし。次回参加だな、こりゃ。

こんな軽い気持ちで参加を決めたのにはベースがある。
数年前にマウンテンバイクでヒルクライム(10~20キロ)を数回経験し、次に友人が参加していたフルマラソンに参加し完走(完歩ともいう)を2回ほど経験して、若干有頂天。他の刺激を求めていた。完全にアホである。

100kmウォーク 歩くだけでしょ? 2020

なんと自分が参加を決めて大会は第10回の記念大会。しかもこれが最終回。(と当時はリリースされていた。その後別の方がイベントを引き継いでいただけたようで継続中)
有終の美を飾る最後の大会とのリリース。
こりゃ何が何でも参加じゃん。年が明けた2020年2月、軽いノリでさくっとエントリー。
ふ~100kmってどんなんだ?え?27時間でとにかく歩く。
ほほう。歩くだけ。歩くだけ。途中ちょっと仮眠とかできるでしょっ。
とにかく歩くだけ。歩くだけ。

ところがこの年はコロナ禍の真っ只中で諸々のイベントが軒並み中止、延期の嵐。どうにもこうにもならず、100kmウォークも延期となった。
記念大会が延期って。う~ん、テンションは下がり。ただ歩くだけなのに。

100kmウォーク 歩けなかった 2021

2020年に延期になってしまった第10回記念大会。
晴れて一年越しに開催となりました。
大した準備もせず、近々にマラソン大会もないので練習もせず、
無謀にも100kmウォークに突入です。

履きなれたマラソン用のシューズ。五本指ソックス。ロングタイツ。短パン。帽子。リュック。赤色灯。ライト。スマフォ。水筒。タオル数枚。上下長袖ウインドブレイカー。
幸い友人からトレッキングポールを借りてちょっぴり装具レベルアップ!

天気も上々。気分も上々。スタートライン。なぜか既にやり切った気分。

10キロ。順調。まー勝手知ったる近所だし。ウォーキングもする範囲。
20キロ。コースがずっと一本道。う~ん、先を知ってると飽きちゃうなぁ。

30キロ 左右の指に痛みが出始める。膝も痛みが・・・この時やっとポールを使い始める。初めから使っていればもっと痛みを軽減できたのに・・・浅はか。歩くという単純な動作をなめていた。
ここから更に股ズレや脇ズレというフルマラソンでも味わったことのない鈍い痛みが発生する。汗と着ズレでかゆみが発生していた部位があったのにそれを放置した結果、皮膚が徐々に擦り切れるということが体のあちこちに発生。マジカ・・・かゆみって恐ろしい・・・

50キロ 既に限界。完全に足にマメというか多分水ぶくれのようなものができている。怖くて靴下が脱げない。一度脱いだらもう履きたくない、そんな気持ちがMAX。膝も限界。信号で止まるたびに屈伸。全然屈伸ができない。止まったら最後もう歩ける気がしない。コンビニのおトイレを借りるが座れない。・・・マジカ。休憩すらまともに取れないのね。しかも北風がわずかに吹いているこの時期。全身汗だくの体が超絶に冷える。コンビニの駐車場で休もうと思ったら(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル。体の冷え半端ない。ウインドブレイカーが役に立たない。この時23時くらい。う~んもう無理なんじゃないか。歩くっていうのは簡単だけど。100キロ歩くって・・・簡単じゃないな。それでもまだ時間はあるし。気力も切れてはいない。残りわずかだけど。なんとか。もう少し先に行ってみるか。

70キロ さずがに断念。深夜3時半。最後のリタイヤポイント。ここでバスに乗らないともうリタイヤ用のバスにどこからも乗れない。もちろん誰かに迎えに来てもらえばいいのだが。明け方に軽いノリと自己満足で参加したイベントで迎えは呼べない。朝4時とか5時とか。リタイアポイントまで1時間じゃ来れないし・・・ここで決断が必要だ。行くか、止めるか。

うそ。もうとっくに止める気持ちは固まっていた。だって膝が、足が前に進まない。あそこまで。あそこまで。行ったら止める。帰る。バスに乗る。そう言い聞かせて歩いた後半20キロ。
桐生ポイントについてすぐにリタイアの申し出をし、温かい飲み物をいただき、すぐさまバスへ乗りました。そこから約2時間かけてバスに乗りスタート時点へ送っていただきました。
うん、本当に運営、ボランティアの方々。ありがとうございました。無謀な挑戦を出来たのは皆様のおかげです。そしてこんなイベントを企画して頂いた方、ありがとうございました。自分の限界を知りました。準備不足で情けない自分を知りました。

だけどね。このままでは終われない。いつか自分でリベンジします。まずは70キロ地点から残りを歩きます。そして次は一人100キロウォークします。誰に宣言するわけでもなく一人牛丼屋さんで朝6時に朝食を取って帰宅しました。あーあー終わっちゃったな。100キロウォーク完歩出来なかったな。参加する事に意味があるのだろうけど。完歩。したかった。

100キロウオーク リベンジ2022

前回途中棄権という非常に残念な結果になった
準備不足もさることながらかゆみを軽視していたため、その後に来る擦り切れるという事態に頭と体が追いつかず全身に起きる痛みが地獄でした。
改めて歩くだけという単純な行為がいかに楽や簡単では無い、という現実。正確には100キロ、27時間簡単な行為を続けることが簡単ではないってことです。
で、リベンジの続きです。2021年の70キロまでと道のりは変わらず。擦り切れの予防とポールを新調し最初から利用したため余力を持ちながら70キロまで来ました。ここまででやっと再スタート地点へ立てた。一人でリベンジするなんて言ったて2021年。結局一人じゃやる気起きなくて。本番でのリベンジに勝手に切り替わっています。
ここからさきは未知との遭遇。未経験。むーなるほど。気力も体力もまだある。深夜3時すぎ。ほんのうっすら明け始め。色で言ったらグレー。明け方のそらってこんな感じだったな、まさに夜明け前。
少しの補給と休息をして歩き始める。良く言う。マラソンは30キロ過ぎからが本番。それまでは準備運動だって。ってことは100キロウオークだと70キロ過ぎからが本番か。なるほど。そんな気がしてきた。なんてアホなことを思いながら一歩一歩、歩を進める。75キロ、80キロ。なにやら深夜近隣住民との間で騒音?トラブル?があったらしく急遽迂回路を回ってほしい旨のリリースと誘導係りの人が。う~んどんなトラブルなのか詳しくは教えていただけなかったがルート上のお家の方に深夜音でご迷惑をおかけしたようだ。本当に申し訳ないです。近隣住民の方の安眠を阻害してはいけないです。こっちは自己満足でやっていることで深夜も関係なく夜通し歩くのは非常識ですからね。ごめんなさい。
と気分を取り直して歩き続け、最後の補給ポインももう少しと思った矢先、誘導係の方から衝撃的な一言。100キロウオークは90キロまでが準備運動です。残りの10キロが本番ですよ。本当に残りの10キロがきついんです。でもここまで来たんです。頑張りましょう!
全然頑張れない。そんなことここで言わなくても良くない?叱咤激励のおつもりでしょうが。こっちは残りの気力だけでここまで来てんですよ・・・とちょっと八つ当たり。さっきの迂回路でも多少の戻りもあってですね。お疲れもピークなもので。全然笑えない。はい、そんな境地で90キロ。最後の補給ポイントでしっかり炭水化物をいただき、もう残ってもいない気力なのかなんなのかわからない力を振り絞り歩き始めました。

最後の10キロはずっと直線で勝手知ったる通勤路。ずっと直線で勝手も知りすぎていて逆に辛い。まだどれくらい、あとどれくらいあるか完全把握の道。でも近くを歩いていた若い男性二人組の会話を聞いていたら気がだいぶ紛れてありがたかった。
男1:もう無理。まじ無理。しんどすぎて無理。(こちらの方は本当に膝が痛そうでずっと片足を引きずってあるいていました。
男2:わかる。むり。マジムリ。もう100万円もらってもやりたくない。マジムリ(こちらの方は大変そうでしたが意外と元気でした)
男1:本当、100万円もらっても無理。1キロ1万円じゃ割に合わない。まじぜったいむり。
男2:次いくらだったらやる?200万?500万?

これ聞きながら笑いこらえるの大変でした。
だって僕たちは1万円近く自ら払いたくて払って参加していますから。誰も賞金なんかくれないし、誰かに頼まれて出てないし、1キロ1万円も払ってくれる酔狂な人なんてどこにも居ないですから。
若いっていいね。妄想って大事だよね。それくらい辛かったんだ。わかるよ、若人。そうやって現実逃避の一つもしてなくちゃやってられないよね。自己満足で自己責任で参加したイベントだけども。いやー彼らの不平不満をいうか愚痴というか現実逃避はほんとにいい気分転換になりました。次回会ったら一杯奢ってあげたい。お酒飲めないけど(笑)

さて残り1キロ。何故かここに5差路にかかる歩道橋がある。

地獄の下り

ここにきて階段登るの?マジ。平地より膝を上げてこの階段を登れって?運営さん完全にドSですよね?重力って本当にすごい。100キロ歩くとわかります。足をあげ足を下げる。この繰り返しがどれくらい大変か。
もう歩いているのか這っているのか微妙なほどの歩みでとにかく歩を進める。ゴールの瞬間、25時間。感動的で泣いちゃった。とかはなく。感無量。やりきった。やってやった。やれた、できた。終わった。もう歩かない。もう歩けない。歩かない。一睡もせず25時間か。アプリで見ると101.64キロ、21:25:34とある。動いた距離101.64キロ。歩行時間21時間25分34分。なのであとは休憩が約4時間ほどか。それ以外ずっと動いていたのかこの体。マジ人間の体ってすごいんだな。休み休み補給しつつ動けることのできるこの体。もう少しいたわりながら付き合っていこう。

帰宅前になにやら近くの定食屋で食事を頂けるということでチケットでカツ丼を頂いた。なんともありがたい。ビバカツ丼。帰宅後しっかりと頂いたあと入浴しそのまま泥のように眠る。本当は温泉にでも行きたいところだったが移動がとにかく厳しい。汗と落とし汚れを落とし。あとは眠るだけ。月曜日は半休を頂いていたので午後出社。ずっと寝る。とにかく寝る。寝る。寝る。寝る。 こうやってリベンジを果たし100キロ、25時間というちょっと意味の分からない笑える数値を体と記憶に深く刻み込み無事終了となりました。


100キロウォーク その向こう側2023

実はこれ2022年5月のイベントが終わってからちょいちょい書いてたのに終わらなくて。ついに2023年5月を一ヶ月切ってしまっていて慌てて終わりまで書いてます。2023年4月現在の1週目は夜な夜な5キロくらいのウオーキング。2週目以降は流石にペースを上げて10キロペース。週5は最低歩きたい。歩く。はず。あと30日。4週*5日=200キロ、これくらいはやらないとね。晴れの日頑張ります。

いいなと思ったら応援しよう!